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指等を切断する事故に注意!


1 東京消防庁管内では※1、平成28年から平成30年※2までの3年間に、728人が指等を切断する事故により救急搬送されています(図1)。


  1. ※1 東京都のうち稲城市、島しょ地区を除く地域
  2. ※2 平成30年の数値は暫定値
図1 年別救急搬送人員

図1 年別救急搬送人員

2 年別救急搬送人員

40代が最も多く158人、次いで50歳が129人となっており、20代から70代にかけて多くなっております。
 また、0歳〜4歳でも18人と乳幼児でも発生しており、保護者の注意が必要です(図2)。

図2 年齢別救急搬送人員

図2 年齢別救急搬送人員

3 事故発生場所別の救急搬送人員

事故発生場所別の上位5か所をみると、工場・製造所・作業場が277人と最も多く、次いで住宅(専用・共同・寮・寄宿舎)が148人と多くなっています(図3)。

図3 事故発生場所別救急搬送人員(上位5か所)

図3 事故発生場所別救急搬送人員(上位5か所)

4 初診時程度別救急搬送人員

救急搬送時の初診時程度をみると7割以上が入院の必要がある中等症以上と診断されており、生命の危険が強い重症と診断されている事例もあります(図4)。

図4 初診時程度別救急搬送人員

図4 初診時程度別救急搬送人員

重篤 生命の危険が切迫しているもの
重症 生命の危険が強いと認められたもの
中等症 生命の危険はないが入院を要するもの
軽症 軽易で入院を要しないもの

5 関連器物別事故発生状況

関連器物別の事故発生状況(上位5つ)をみると機械によって受傷した人が365人と圧倒的に多く、次いで開口部が61人、車体が48人となっています(図5)。

図5 関連器物別事故発生状況(上位5つ)

図5 関連器物別事故発生状況(上位5つ)

6 関連器物の内訳(上位3つ)と事故事例

【機械による事故の内訳と事故事例】

1位 2位 3位
機械 電気のこぎり プレス機 裁断機
人数 98人 57人 41人
 工事現場で電気のこぎりを使用し、資材を切断中に誤って手を切断した。(40代 中等症)
 工場で鉄板をプレスする作業中に、誤って機械に指を挟んでしまい受傷した。(20代 中等症)
 作業場にて裁断機で紙を裁断中、誤って手を切断した。
(50代 中等症)
 スーパーでアルバイト中、電動挽肉器(ミートグラインダー)に肉を入れる作業で内部の肉を取るため手を入れたところ、指が機械に挟まれ切断した。(10代 中等症)

【開口部による事故の内訳と事故事例】

1位 2位 3位
開口部 開き戸 引き戸
人数 43人 9人 4人
 自宅トイレに入った際にトイレドアの隙間に手を置いていたところ、家族がトイレドアを閉めたため指が挟まり切断した。
(70代 中等症)
 自宅にて、風で閉まったドアに手を挟み受傷した。
(60代 中等症)
 中学校にて、友人が閉めたトイレ出入口のドアで左手を挟んで切断した。(10代 中等症)
 自宅ベランダの窓ガラスを閉めた際に、誤って指を挟んだ。
(40代 中等症)

【車体による事故の内訳と事故事例】

1位 2位 3位
斜体 乗用車・トラック 建設工事用車両 オートバイ
人数 24人 14人 7人
 車両のスライドドアを閉めた際に、誤って指を挟み切断した。
(50代 中等症)
 自動車整備中に、車のボンネットが倒れ指をボンネットと車体に挟まれた。(60代 中等症)
 自動車整備中にファンベルトに軍手が巻き込まれ人差し指の第一関節を切断した。(40代 中等症)
 オートバイの整備中に、オートバイのチェーンに指が巻き込まれ切断した。(40代 中等症)

7 12歳未満の子供による事故

12歳未満の子どもに注目し、関連器物別に搬送人員を見てみると、手動ドアなどの開口部で指等を切断する事故が圧倒的に多くなっています(図6)。
 また、発生場所別では自宅が9件と最も多くなっており、自宅以外の外出先や幼稚園・保育園などでも多く発生していることがわかります(図7)。

図6 関連器物別救急搬送人員(12歳未満)

図6 関連器物別救急搬送人員(12歳未満)

図7 発生場所別救急搬送人員(12歳未満)

図7 発生場所別救急搬送人員(12歳未満)

【12歳未満の子どもの事故事例】

 強風で煽られて、強く閉まった玄関ドアに指を挟んで切断した。
(中等症)
 母親がドアを閉めた際に、蝶番側に息子の指が入っており切断した。
(中等症)
 自宅のクローゼットに指を挟み、切断した。
(中等症)
 停車した自転車のペダルを手で回し、タイヤが回転した状態でタイヤのスポークとチェーン部分に指を近づけたところ、指が巻き込まれ切断した。
(中等症)
 壁に立て掛けていた折りたたみ式長机が倒れ、指を挟まれ受傷した。
(中等症)

12歳未満の子どもでは、ドアによる指の切断が半数を占めています。
 保護者は、ドアの開閉時に子どもがどこにいるのか確認するとともに、指はさみ防止グッズなどを活用して子どもを事故から守りましょう。

もしものときの応急手当

○直接圧迫止血法
出血部位をガーゼやタオルなどで直接強く圧迫して出血を止める方法

圧迫する材料の要件
@ 清潔なもの。
A 厚みのあるもの(薄いものを何枚も重ねてもよい)。
B 出血部位を覆うことのできる大きさがあるもの。

直接圧迫止血の行い方

  • 出血部位にガーゼやタオルなどを当て、手で強く圧迫します。片手で止血できなければ両手で圧迫します。
  • 圧迫をしても血液がにじみ出てくる場合は、圧迫している箇所にさらにガーセやタオルなどを重ねて強く圧迫します。
  • 感染防止のため血液には直接触れないようにし、ゴム手袋やビニール袋を使用しましょう。

※平成28年7月発行 上級救命講習テキスト ガイドライン2015対応 参照