広域災害・救急医療情報システム
● 概要
広域災害・救急医療情報システムは、平成7年に発生した阪神・淡路大震災の教訓から都道府県を超えた広域医療情報の収集・活用の重要性が指摘され、平成8年に厚生労働省が各都道府県に対し整備を推進しました。東京都では昭和52年に運用を開始した東京都救急医療情報センター(東京消防庁災害救急情報センターが機能を有する)の救急医療情報システム改修にあわせ、平成12年から東京都災害拠点病院を中心に広域災害システムの整備を開始しました。平成19年に都内全救急告示医療機関(島しょ地区を除く)に整備を完了し、東京都広域災害・救急医療情報システムとして運用しています。運用には、都内全救急告示医療機関に設置された病院端末を使用し、医療機関から入力された最新の診療情報を収集し、救急隊の効率的な病院選定や都民への医療機関案内業務等に活用されています。
● 対象者
[通常時(救急活動における運用)]
救急隊、東京消防庁災害救急情報センター及び医療機関の三者が、情報通信ネットワークにより連携し、効率的な収容先医療機関の選定に活用しています。
[災害時における運用]
大規模災害等が発生した際、東京都が運用モードを通常から災害に切り替えることで、病院端末から災害時に特に必要な情報(災害時の病院の被災者・傷病者の受入れ体制や当該病院の被害状況等)を入力することが可能になり、その情報が厚生労働省のバックアップセンターへ伝送されるネットワークが構築されています。また、入力された情報は、東京消防庁や他の道府県の救急医療情報センターで参照ができます。
[多数傷病者発生時の病院端末を活用した情報共有]
大規模な火災やテロ災害、各種交通機関の事故等による多数傷病者発生時等における円滑な救急搬送体制を構築することを目的として、救急告示医療機関等に設置されている病院端末を活用し、災害の状況に応じて周辺の救急告示医療機関に一斉に災害情報を発信し、受入体制の準備を促すとともに、受入れ可能患者数を照会することで、被災傷病者を迅速に医療機関へ収容するためにも活用されています。