東京消防庁管内1)では、平成25年から平成29年2)までの5年間にエスカレーターで起きた、はさまれ事故により43人の乳幼児(0歳〜5歳)が救急搬送されています。
こんなはさまれ事故が起きています。
母親と手をつなぎ、駅の上りエスカレーターに乗っていたところ、持っていたゴミを落としてしまったので、拾おうとした際、エスカレーターのステップと側面のスカートガードの間に、左手の指をはさまれたもの。(平成25年2月 3歳女児 重症)
店舗の上りエスカレーターにおいて、階下側に振り向いた際、ステップと側面のスカートガードの間に、右サンダルと右つま先部分を挟まれたもの。(平成22年7月 5歳女児 軽症)
ショッピングモールのエスカレーター降り口で遊んでいたところ、手すりベルト引き込み口が気になり、右手を差し込んだ際に巻き込まれ受傷したもの。(平成28年12月 2歳 男児 軽症)
エスカレーター降り口付近で床に落としてしまったイヤホンを拾おうとしたところ、手すりと床の間に頭部が挟まってしまったもの。(平成27年3月 1歳 男児 軽症)
【参考】(社)日本エレベーター協会ホームページ
平成25年から平成29年の5年間で、34人の乳幼児が救急搬送されています(図1)。
図1 年別救急搬送人員
月別救急搬送人員をみると、8月が6人と最も多くなっています(図2)。
図2 月別救急搬送人員
年齢別救急搬送人員をみると、3歳が11人で、最も多くなっています(図3)。
図3 年齢別救急搬送人員
初診時程度では、約8割が軽症と診断されていますが、入院が必要とされる中等症以上と診断された人も7人います(図4)。
図4 初診時程度別の救急搬送人員
重症 | : | 生命の危機が強いと認められたもの |
中等症 | : | 生命の危機はないが、入院を要するもの |
軽症 | : | 入院を要しないもの |
発生場所では、スーパーやショッピングモールなどの「店舗・遊技施設等」が全体の約8割と最も多く、次いで駅などの「道路・交通施設」が17.6%となっています(図5)。
図5 発生場所別の救急搬送人員
はさまれた位置をみると、「手すりの引き込み口(インレットガード)」が10人と最も多く、次いで、「手すり(はさまれた位置が特定できないもの)」となっています(図6)。また、年齢ごとにみると、3歳の「手すりの引き込み口(インレットガード)」が最も多くなっています(表1)。
図6 はさまれた位置別救急搬送人員
表1 年齢ごとのはさまれた位置別救急搬送人員
はさまれた部位をみると、「手すりの引き込み口(インレットガード)」に「手指」をはさまれたものが最も多く8人となっています(表2)。
表2 はさまれた部位