東京消防庁管内1)では、平成26年から平成30年2)までの5年間にエスカレーターで起きた、はさまれ事故により33人の乳幼児(0歳〜5歳)が救急搬送されています。
過去にこんな事故が起きています
親と手をつなぎ、駅の上りエスカレーターに乗っていたところ、持っていたゴミを落としてしまい、拾おうとした際、エスカレーターのステップと側面のスカートガードの間に、左手の指を挟まれ受傷したもの。(3歳 重症)
店舗の上りエスカレーターにおいて、階下側に振り向いた際、ステップと側面のスカートガードの間に、サンダルとつま先部分を挟まれ受傷したもの。(5歳 軽症)
ショッピングモールのエスカレーター降り口で遊んでいたところ、手すりベルト引き込み口が気になり、右手を差し込んだ際に巻き込まれ受傷したもの。(2歳 軽症)
親と買い物中、目を離した隙に1階から2階へ上がるエスカレーター出口付近でしゃがみこんで遊んでいたところ、左手をくし部に挟まれ受傷したもの。(5歳 中等症)
【参考】(社)日本エレベーター協会ホームページ
平成26年から平成30年の5年間で、33人の乳幼児が救急搬送されています(図1)。
図1 年別救急搬送人員
月別救急搬送人員をみると、8月が7人と最も多くなっています(図2)。
図2 月別救急搬送人員
年齢別救急搬送人員をみると、3歳が11人で、最も多くなっています(図3)。
図3 年齢別救急搬送人員
初診時程度では、約8割が軽症と診断されていますが、入院が必要とされる中等症以上と診断された人も6人います(図4)。
図4 初診時程度別の救急搬送人員
重症 | : | 生命の危機が強いと認められたもの |
中等症 | : | 生命の危機はないが、入院を要するもの |
軽症 | : | 入院を要しないもの |
発生場所では、スーパーやショッピングモールなどの「店舗・遊技施設等」が81.8%と全体の約8割を占めており、次いで駅などの「道路・交通施設」が15.2%となっています(図5)。
図5 発生場所別の救急搬送人員
はさまれた位置をみると、「手すりの引き込み口(インレットガード)」が11人と最も多く、次いで、「手すり(はさまれた位置が特定できないもの)」となっています(図6)。また、年齢ごとにみると、3歳の「手すりの引き込み口(インレットガード)」が最も多くなっています(表1)。
図6 はさまれた位置別救急搬送人員
表1 年齢ごとのはさまれた位置別救急搬送人員
はさまれた部位をみると、「手すりの引き込み口(インレットガード)」に「手指」をはさまれたものが最も多く9人となっています(表2)。
表2 はさまれた部位