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指等を切断する事故に注意!

1 東京消防庁管内1)では、平成28年から令和元年までの4年間に、966人が指等を切断する事故により救急搬送されています(図1)。

  

1)東京都のうち稲城市、島しょ地区を除く地域

図1 年別救急搬送人員
図1 年別救急搬送人員

2 年代別救急搬送人員

40代が最も多く205人、次いで50代が180人となっており、20代から70代にかけて多くなっています。
 また、0歳〜4歳でも22人と、乳幼児でも発生しており、保護者の注意が必要です(図2)。

図2 年齢別救急搬送人員
図2 年齢別救急搬送人員

3 事故発生場所別の救急搬送人員

事故発生場所別の上位5か所をみると、工場(製造所・作業場)が359人と最も多く、次いで住宅等(専用住宅・共同住宅・寮・寄宿舎)が205人と多くなっています(図3)。

図3 事故発生場所別救急搬送人員(上位5か所)
図3 事故発生場所別救急搬送人員(上位5か所)

4 初診時程度別救急搬送人員

救急搬送時の初診時程度をみると、7割以上が入院の必要がある中等症以上と診断されており、生命の危険が強い重症と診断されている事例もあります(図4)。

図4 初診時程度別救急搬送人員
重 篤: 生命の危険が切迫しているもの
重 症: 生命の危険が強いと認められたもの
中等症: 生命の危険はないが入院を要するもの
軽 症: 軽易で入院を要しないもの
図4 初診時程度別救急搬送人員

5 関連器物別事故発生状況

関連器物別の事故発生状況(上位5つ)をみると機械によって受傷した人が491人と圧倒的に多く、次いでドアや窓等の開口部が82人、車体が60人となっています(図5)。

図5 関連器物別事故発生状況(上位5つ)

6 関連器物の内訳(上位3つ)と事故事例

【機械による事故の内訳と事故事例】

1位 2位 3位
機械 電気のこぎり プレス機 裁断機
人数 127人 69人 48人
   
1 自宅の作業所で、電動のこぎりを使用しプラスチックを切断していたところ、刃が滑り指を切断した(70代 中等症)。
2 プレス機のボルトが外れたため、ボルトを付けようとしたところ指をプレス機にはさみ切断した(50代 中等症)。
3 紙の裁断作業中に、裁断機に誤って指を入れてしまい切断した(50代 中等症)。

【開口部による事故の内訳と事故事例】

1位 2位 3位
開口部 開き戸 引き戸
人数 62人 10人 4人
   
1 自宅の玄関扉が閉まりそうになったため、閉まらないよう手を入れた際に、指をはさみ切断した(60代 軽症)。
2 学校内で仕事中に、風で閉まった扉に指をはさまれ切断した(50代 中等症)。
3 デパートで就業中にガラス扉に指を挟み切断した(40代 軽症)。

【車体による事故の内訳と事故事例】

1位 2位 3位
車体 乗用車・トラック 建設工事用車両 オートバイ
人数 29人 17人 9人
   
1 車のスライドドアを閉めた際に、誤って指をはさみ切断した(50代 中等症)。
2 トラックの積み込み作業中に、テールゲートに指をはさみ切断した(30代 中等症)。
3 自動車整備中に、持っていた布がファンベルト部分に巻き込まれてしまい、指がはさまり切断した(20代 軽症)。

7 12歳未満の子供による事故

12歳未満の子どもに注目し、関連器物別に搬送人員を見てみると、手動ドアなどの開口部で指等を切断する事故が圧倒的に多くなっています(図6)。
 また、発生場所別では自宅が13件と最も多くなっており、自宅以外の外出先や幼稚園・保育園などでも多く発生していることがわかります(図7)。

図6 関連器物別救急搬送人員(12歳未満)
図6 関連器物別救急搬送人員(12歳未満)
図7 発生場所別救急搬送人員(12歳未満)
図7 発生場所別救急搬送人員(12歳未満)

【12歳未満の子どもの事故事例】

1 子どもが指をドアと蝶番の間に入れており、親がドアを開けた際にはさまり切断した(5歳 中等症)。
2 友達とタンスの扉を開け閉めして遊んでいる際に、指をはさんで切断した(2歳 中等症)。
  

12歳未満の子どもでは、ドアによる指の切断が半数を占めています。
 保護者は、ドアの開閉時に子どもがどこにいるのか確認するとともに、指はさみ防止グッズなどを活用して子どもを事故から守りましょう。

もしものときの応急手当

○直接圧迫止血法

出血部位をガーゼやタオルなどで直接強く圧迫して出血を止める方法

圧迫する材料の要件
  1. 清潔なもの。
  2. 厚みのあるもの(薄いものを何枚も重ねてもよい)。
  3. 出血部位を覆うことのできる大きさがあるもの。
直接圧迫止血の行い方
  • 出血部位にガーゼやタオルなどを当て、手で強く圧迫します。片手で止血できなければ両手で圧迫します。
  • 圧迫をしても血液がにじみ出てくる場合は、圧迫している箇所にさらにガーセやタオルなどを重ねて強く圧迫します。
  • 感染防止のため血液には直接触れないようにし、ゴム手袋やビニール袋を使用しましょう。
※平成28年7月発行 上級救命講習テキスト ガイドライン2015対応 参照