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夏本番前から熱中症予防対策を!!(令和元年の熱中症による救急搬送状況の概要)

梅雨の合間の突然気温が上昇した日や湿度の高い蒸し暑い日が発生する6月頃から、熱中症による救急搬送が多くなります。

新型コロナウイルスの影響により、マスクの着用や自宅で過ごすことが多い生活となっています。感染予防に配意し、熱中症対策をしましょう。

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東京消防庁管内※において、令和元年6月1日から9月30日までの4か月間に、熱中症(熱中症疑い等を含む。)により5,634人が救急搬送されています。

平成30年と比べて、令和元年の救急搬送人員は2,326人(前年比▼29.2%)減少しました。

例年、梅雨明け後の最初に気温が高温となる日に、急激に救急搬送人員が増加する傾向があり、令和元年は、梅雨が明けた7月24日頃から熱中症による救急搬送人員が増加し、8月は過去5年の月別を比較して、過去最高の救急搬送人員となっています。

救急搬送人員の初診時程度をみると、2,328人(41.3%)が入院の必要がある中等症以上と診断され、そのうち272人が重症以上と診断されています。

全体の救急搬送人員のうち3,005人(53.3%)が高齢者(65歳以上)となっており、そのうち、後期高齢者(75歳以上)が2,167人(72.1%)となっています。救急搬送人員の初診時程度では、後期高齢者のうち1,212人(55.9%)が、中等症以上となっています。

また、熱中症の他に気温上昇の影響を受けて体調を崩していると考えられる傷病者も毎年多く搬送されております。

※東京消防庁管内:東京都のうち稲城市と島しょ地区を除きます。

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年齢区分別の熱中症発生場所

救急要請時の発生場所では、住宅等居住場所が2,267人で全体の40.2%を占め最も多く、次いで道路・交通施設が1,716人で30.5%を占めていました。

また、年齢区分別に発生場所を見ると、乳幼児(0〜5歳)は「道路・交通施設」、高齢者(65歳以上)は「住宅等居住場所」が多くを占めています。

小学生となる6歳〜12歳、中学生となる13歳〜15歳、いずれも「学校・児童施設等」、「公園・遊園地・運動場等」が多く、高校生となる16歳〜18歳は「学校・児童施設等」、「道路・交通施設」が多く、この2つで全体の半数以上を占めていました。この2つで全体の半数以上を占めていました。

熱中症イメージイラスト1
熱中症イメージイラスト2

平成27年から令和元年の熱中症による救急搬送状況

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年別の救急搬送人員

東京消防庁管内※では過去5年間(各年6月から9月)に、24,282人が熱中症(熱中症疑い等を含む。)により救急搬送されました。令和元年の熱中症による救急搬送人員は 過去5年間で 2 番目に多い5,634人で、平成30年と比較すると2,326人(前年比▼ 29.2%)減少しました(図1)。

図1 過去5年間の熱中症による救急搬送人員(各年6月〜9月)
図1 過去5年間の熱中症による救急搬送人員(各年6月〜9月)
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月別の救急搬送人員

過去5年の月別を比較すると、令和元年の7月は1,051人で前年の同月と比べて、3, 559人(前年比▼77.2%)と大幅に減少しましたが、8月は3,779人であり、前年の同月と比べて940人(前年比33.1%)増加しました(図2)。

図2 月別の熱中症による救急搬送人員
図2 月別の熱中症による救急搬送人員

※東京都のうち稲城市と島しょ地区を除きます。

令和元年の熱中症による救急搬送人員と気温の状況

熱中症による救急搬送人員と気温の関係を見てみると、30℃以上(真夏日)の日が平成30年は54日、令和元年は37日と17日減少し、35℃以上(猛暑日)は、令和元年は平成30年と同件数の12日でした。

1日に100人以上救急搬送された日は、平成30年は25日でしたが、令和元年は16日と減少し、1日で最も救急搬送された日は、8月1日の366人で最高気温は35℃でした。

※東京都のうち稲城市と島しょ地区を除きます。

※別添え資料中の気温、最高気温、平均気温、湿度、天気は気象庁の気象統計情報の東京で測定した数値等を使用しています。晴マークは、6時から18時の間「快晴」または「晴」

※東京都のうち稲城市と島しょ地区を除きます。

図3 熱中症による救急搬送人員と気温(令和元年6月〜9月) 図3 熱中症による救急搬送人員と気温(令和元年6月〜9月) 図3 熱中症による救急搬送人員と気温(令和元年6月〜9月) 表1 熱中症による救急搬送人員(令和元年6月〜9月) 表1 熱中症による救急搬送人員(令和元年6月〜9月) 表1 熱中症による救急搬送人員(令和元年6月〜9月)

令和元年の熱中症による救急搬送状況の詳細

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気温別の熱中症による救急搬送人員の状況

救急要請時の気温と救急搬送人員では、32℃台及び33℃台は、800人以上の人が救急搬送され、気温が高いほど搬送人員が多い傾向がみられます(図4)。

図4 気温別の熱中症による救急搬送人員(令和元年6月〜9月)
図4 気温別の熱中症による救急搬送人員(令和元年6月〜9月)
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救急要請時の気温と湿度の状況(令和元年6月〜9月)

下の図は、令和元年6月から9月末までに熱中症で救急搬送された5,634人の救急要請時の気温と湿度を表したもので、赤い色が濃いほど救急搬送が多くなっています。

概ね、気温は26℃から35℃まで、湿度は60%から90%までの範囲で、救急搬送人員が多く分布していることが分かります。

また、気温が高くなくても湿度が高いと熱中症で救急搬送されていることが分かります(図5)。

備考)赤色が濃いほど救急搬送人員が多いことを示しています。
図5 救急要請時の気温と湿度(令和元年6月〜9月)
図5 救急要請時の気温と湿度(令和元年6月〜9月)
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時間帯別の救急搬送状況

時間帯別の救急搬送状況をみると、14時台が569人と最も多く、次いで12時台が554人でした。特に12時台から15時台は500人以上と多くなっています(図6)。

図6 時間帯別の救急搬送人員(令和元年6月〜9月)
図6 時間帯別の救急搬送人員(令和元年6月〜9月)
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年代別の救急搬送状況

年代別の救急搬送状況をみると、80歳代が1,248人と最も多く、次いで70歳代が1,114人となっていました。

人口10万人あたりの救急搬送人員で見ると、70歳代以上になると急激に多くなっており、60歳代以下では10歳代が最も多くなっていました(図7)。

図7 年代別の救急搬送人員(令和元年6月〜9月)
図7 年代別の救急搬送人員(令和元年6月〜9月)

年齢区分別の救急搬送状況をみると、65歳以上の高齢者が3,005人で全体の約半数を占め、そのうち約7割にあたる2,167人が75歳以上の後期高齢者でした(図8)。

図7 年代別の救急搬送人員(令和元年6月〜9月)
図8 年齢区分別の救急搬送人員(令和元年6月〜9月)
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救急搬送時の初診時程度

救急搬送時の初診時程度をみると、救急搬送された5,634人のうち約4割にあたる2,328人が入院の必要があるとされる中等症以上と診断されています。重症以上は272人で、そのうち62人は生命の危険が切迫しているとされる重篤と診断され、1人が死亡しております。(図9−1、表2)。

また、高齢者(65歳以上)は、半数以上の1,591人(52.9%)が中等症以上と診断され、後期高齢者(75歳以上)に限ると、1,212人(55.9%)が中等症以上と診断されています(図9−2、図9−3、表3、表4)。

図9−1 救急搬送時の初診時程度別の救急搬送人員(令和元年6月〜9月)
図9−1 救急搬送時の初診時程度別の救急搬送人員(令和元年6月〜9月)
図9−2 年代別の救急搬送時の初診時程度と中等症以上の割合(令和元年6月〜9月)
図9−2 年代別の救急搬送時の初診時程度と中等症以上の割合(令和元年6月〜9月) 表2 年代別の救急搬送時の初診時程度と中等症以上の割合(令和元年6月〜9月)
年代 軽症 中等症 重症 重篤 死亡 合計 中等症
以上の割合
9歳以下 65人 4人 - - - 69人 5.8%
10歳代 397人 109人 4人 - - 510人 22.2%
20歳代 398人 131人 - 1人 - 530人 24.9%
30歳代 284人 85人 5人 2人 - 376人 24.5%
40歳代 334人 137人 7人 2人 - 480人 30.4%
50歳代 280人 147人 12人 9人 - 448人 37.5%
60歳代 336人 175人 31人 8人 - 550人 38.9%
70歳代 553人 484人 62人 15人 - 1,114人 50.4%
80歳代 553人 606人 68人 20人 1人 1,248人 55.7%
90歳代 105人 173人 20人 4人 - 302人 65.2%
100歳以上 1人 5人 - 1人 - 7人 85.7%
合計 3,306人 2,056人 209人 62人 1人 5,634人 41.3%
図9−3 年齢区分別の救急搬送時の初診時程度と中等症以上の割合(令和元年6月〜9月)
図9−3 年齢区分別の救急搬送時の初診時程度と中等症以上の割合(令和元年6月〜9月) 表3 年齢区分別の救急搬送時の初診時程度と中等症以上の割合(令和元年6月〜9月)
年齢区分 軽症 中等症 重症 重篤 死亡 合計 中等症
以上の割合
5歳以下
乳幼児
27人 2人 - - - 29人 6.9%
6〜12歳
小学生の年代
140人 27人 - - - 167人 16.2%
13〜15歳
中学生の年代
116人 35人 1人 - - 152人 23.7%
16〜18歳
高校生の年代
113人 36人 3人 - - 152人 25.7%
19〜64歳 1,496人 575人 39人 19人 - 2,129人 29.7%
65歳以上
高齢者
1,414人 1,381人 166人 43人 1人 3,005人 52.9%
合計 3,306人 2,056人 209人 62人 1人 5,634人 41.3%
表4 高齢者の救急搬送時の初診時程度と中等症以上の割合(令和元年6月〜9月)
年齢 軽症 中等症 重症 重篤 死亡 合計 中等症
以上の割合
65〜74歳 459人 317人 51人 11人 - 838人 45.2%
75歳以上 955人 1,064人 115人 32人 1人 2,167人 55.9%
合計 1,414人 1,381人 166人 43人 1人 3,005人 52.9%
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熱中症の発生場所

救急要請時の発生場所では、住宅等居住場所が2,267人で全体の40.2%を占め最も多く、次いで道路・交通施設が1,716人で30.5%を占めていました(図10−1)。
また、年齢区分別に発生場所を見ると、乳幼児(0〜5歳)は「道路・交通施設」が多くを占め、小学生となる6歳〜12歳、中学生となる13歳〜15歳は、いずれも「学校・児童施設等」、「公園・遊園地・運動場等」が多く、高校生となる16歳〜18歳は、「学校・児童施設等」、「道路・交通施設」が多く、この2つで全体の半数以上を占めています。高齢者(65歳以上)は「住宅等居住場所」が半数以上を占めています。(図10−2〜10−7)。

図10−1 発生場所別の救急搬送人員(令和元年6月〜9月) 図10−1 発生場所別の救急搬送人員(令和元年6月〜9月) 図10−1 発生場所別の救急搬送人員(令和元年6月〜9月)
  • 図10−2 発生場所別の熱中症による救急搬送人員 図10−2 発生場所別の熱中症による救急搬送人員

    図10−2 
    発生場所別の熱中症による救急搬送人員

    0歳〜5歳(令和元年6月〜9月)
  • 図10−3 発生場所別の熱中症による救急搬送人員 図10−3 発生場所別の熱中症による救急搬送人員

    図10−3 
    発生場所別の熱中症による救急搬送人員

    6歳〜12歳(令和元年6月〜9月)
  • 図10−4 発生場所別の熱中症による救急搬送人員 図10−4 発生場所別の熱中症による救急搬送人員

    図10−4 
    発生場所別の熱中症による救急搬送人員

    13歳〜15歳(令和元年6月〜9月)
  • 図10−5 発生場所別の熱中症による救急搬送人員 図10−5 発生場所別の熱中症による救急搬送人員

    図10−5 
    発生場所別の熱中症による救急搬送人員

    16歳〜18歳(令和元年6月〜9月)
  • 図10−6 発生場所別の熱中症による救急搬送人員 図10−6 発生場所別の熱中症による救急搬送人員

    図10−6
    発生場所別の熱中症による救急搬送人員

    19歳〜64歳(令和元年6月〜9月)
  • 図10−7 発生場所別の熱中症による救急搬送人員 図10−7 発生場所別の熱中症による救急搬送人員

    図10−7 
    発生場所別の熱中症による救急搬送人員

    65歳以上(令和元年6月〜9月)
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過去5年間の年齢区分別発生状況

過去5年間の年齢区分別の救急搬送人員では、令和元年は前年に比べ、すべての年齢区分で、減少しました(表5)。

表5 過去5年間の年代別救急搬送人員(各年6月〜9月)
年齢区分 平成27年 平成28年 平成29年 平成30年 令和元年 前年増減率
5歳以下 22人 29人 20人 53人 29人 ▼45.3%
6〜12歳 170人 95人 103人 276人 167人 ▼39.5%
13〜15歳 165人 127人 127人 287人 152人 ▼47.0%
16〜18歳 160人 93人 124人 252人 152人 ▼39.7%
19〜64歳 1,855人 1,084人 1,259人 3,381人 2,129人 ▼37.0%
65歳以上 2,330人 1,391人 1,534人 3,711人 3,005人 ▼19.0%
合計 4,702人 2,819人 3,167人 7,960人 5,634人 ▼29.2%

令和元年の熱中症による救急搬送事例

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熱中症での救急搬送事例と予防のポイント

室内で熱中症になった事例

○ 起床時から脱力感があり動く事ができず、様子を見るも症状が改善しない。
【6月 60代 熱中症の疑い(中等症) 気温26.0℃ 湿度76%】

○ エアコンをつけず、扇風機をつけた状態でぐったりした。
【8月 90代 熱中症(中等症) 気温33.4℃ 湿度62%】

熱中症イメージイラスト1
<予防のポイント>

気温が高くなくても湿度が高いと、熱中症になることがあります。

◇水分補給を計画的、かつ、こまめにしましょう。

◇窓を開け風通しを良くし、エアコンや扇風機等を活用して、室内温度を調整するなど、 熱気を溜めないようにしましょう。

◇マスクをしていると、汗の蒸発が妨げられるなど体温調節ができず、脱水等を起こしやすくなります。現在、マスクの着用は必要ですが、体調の変化に十分注意して下さい。

乳幼児が車の中で熱中症になった事例

○ 母親が車外にいる状況で車内にいた子供が、車の鍵をかけてしまった。
【7月 1歳 熱中症(軽症)気温32.5℃ 湿度69%】

○ 車内の子供に車の鍵を渡し遊ばせていた際、親が車外に出た時に、 子供が車の鍵をロックした。
【8月 1歳 熱中症の疑い(軽症)気温32.3℃ 湿度66%】

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<予防のポイント>

夏場の車内の温度は、短時間で高温になります。

◇少しの間でも子供を車内に残さないようにしましょう。

◇子供が、自分で内鍵をかけたり、車の鍵で遊んでいて誤って、ロックボタンを押してし まい閉じ込められる事故が発生しています。車を降りる際は、鍵を持って降りましょう。

屋外で作業中に熱中症になった事例

○ 屋外の洗車場で車両を洗車後、体調不良を訴えた。
【7月 40代 熱中症(軽症) 気温32.4℃ 湿度71%】

○ 建築現場で作業をしていた作業員が、ふらつき後に倒れこみ、嘔吐した。
【7月 30代 熱中症疑い(重篤) 気温28.8℃ 湿度81%】

屋外で並んでいて熱中症になった事例

○ 屋外でイベント会場への入場待ちをしていた際に、倒れ痙攣した。
【8月 40代 熱中症(中等症) 気温33.1℃ 湿度55%】

運動中に熱中症になった事例

○ 屋外でランニング中に倒れた。
【7月 40代 熱中症(重症) 気温26.9℃ 湿度94%】

○ 屋外で体育の授業終了後、教室に戻った後、椅子に坐った状態で嘔吐した。
【9月 7歳 熱中症(軽症) 気温28.8℃ 湿度72%】

複数の熱中症患者が発生した事例

○ 屋外グラウンドで体育の授業終了後、休憩中に複数の生徒たちが 体調不良を訴えた。
【6月 10代 15名 熱中症(中等症1名 軽症14名)気温29.1℃ 湿度54%】

熱中症イメージイラスト3
<予防のポイント>

クラブ活動等では、複数の生徒が熱中症で救急搬送されています。指導者等は、無理のない活動に配意しましょう。

◇水分補給を計画的、かつ、こまめにしましょう。

◇屋外では帽子を使用しましょう。

◇襟元を緩めたり、ゆったりした服を着るなど服装を工夫しましょう。

◇指導者等が積極的、計画的に休憩をさせたり、体調の変化を見逃さないようにしましょう。

◇実施者は自分自身で体調管理を行い、体調不良の時は無理をせず休憩しましょう。

参考文献:熱中症 環境保健マニュアル2018(環境省)より

熱中症の予防と対策

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熱中症の予防

(1) 暑さに身体を慣らしていく。

暑い日が続くと、体がしだいに暑さに慣れて(暑熱順化)、暑さに強くなります。

暑熱順化は、「やや暑い環境」で「ややきつい」と感じる強度で毎日30分程度の運動(ウォーキングなど)を継続することで獲得できます。暑熱順化は運動開始数日後から起こり、2週間程度で完成するといわれています。そのため、日頃からウォーキングなどで汗をかく習慣を身につけて暑熱順化していれば、夏の暑さにも対抗しやすくなり、熱中症にもかかりにくくなります。汗をかかないような季節の段階から、少し早足でウォーキングし、汗をかく機会を増やしていれば、夏の暑さに負けない体をより早く準備できることになります。

<対策>

○ウォーキングなど運動をすることで汗をかく習慣を身に付けるなど、暑さに強い体をつくる。

(2) 高温・多湿・直射日光を避ける。

熱中症の原因の一つが、高温と多湿です。屋外では、強い日差しを避け、屋内では風通しを良くするなど、高温環境に長時間さらされないようにしましょう。

<対策例>

○日陰を選んで歩きましょう。

○涼しい場所に避難しましょう。

○適宜休憩する、頑張らない、無理をしないようにしましょう。

○風通しを利用する。…玄関に網戸を付けて開けた状態にしたり、向き合う窓を開けましょう。

○窓から射し込む日光を遮る。…ブラインドやすだれを活用しましょう。

○空調設備を利用する。…我慢せずに冷房を入れる、扇風機も利用しましょう。

○ゆったりした衣服にする。襟元をゆるめて通気しましょう。

(3) 水分補給は計画的、かつ、こまめにする。

特に高齢者はのどの渇きを感じにくくなるため、早めに水分補給をしましょう。普段の水分補給は、健康管理上からもお茶や水がよいでしょう。水分補給目的のアルコールは尿の量を増やし体内の水分を排出してしまうため逆効果です。

なお、持病がある方や水分摂取を制限されている方は、夏場の水分補給等について必ず医師に相談しましょう。

<対策>

○こまめに水分補給・のどが渇く前に水分補給しましょう。

○1日あたり1.2ℓの水分補給・起床時、入浴前後に水分を補給しましょう。

(4) 運動時などは計画的な休憩をする。

学校での体育祭の練習、部活動や試合中などの集団スポーツ中に熱中症が発生していることから、実施する人はもちろんのこと、特に指導者等は熱中症について理解して、計画的な休憩や水分補給など、熱中症を予防するための配慮をしましょう。

汗などで失われた水分や塩分をできるだけ早く補給するためには、スポーツドリンクなどを摂取するのもよいでしょう。

また、試合の応援や観戦などでも熱中症が発生していることから、自分は体を動かしていないからと言って注意を怠らないでください。

<対策>

○環境条件を把握しておきましょう。

○状況に応じた水分補給を行いましょう。

○暑さに徐々に慣れましょう。

○個人の条件や体調をを考慮しましょう。

○服装に気をつけましょう。

(5) 乗用車等で子供だけにしない。

車内の温度は短時間で高温になります。少しの間でも、子供を車内に残さないようにしましょう。

<対策>

○子供を車の中で、決して一人にしないでください。

(6) 子供は大人よりも高温環境にさらされています。

一般的に地面に近いほど、地面からの輻射熱は高くなります。子供は大人に比べて身長が低いため、大人よりも、地面から受ける輻射熱は高温となります。
東京都心の気温が32.3℃だったとき、幼児の身長である50cmの高さでは35℃を超えていました。また、さらに地面に近い5cmの高さでは36℃以上でした。

地面からの輻射熱イメージイラスト
<対策>

○子供は大人の想像以上に輻射熱等を受けていると考えましょう。

○子供の体調の変化に注意しましょう。

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熱中症を疑う症状と応急手当

熱中症を疑った時には、放置すれば死に直結する緊急事態であることをまず認識し、下図を参考に対応してください。

熱中症の応急処置
参考文献:熱中症 環境保健マニュアル2018(環境省)より