1995年に発生した阪神・淡路大震災の教訓から、通常の消防力では対応が困難な救助事象に迅速に対応するための部隊の必要性が提起されました。このため創設されたのが、消防救助機動部隊(通称:ハイパーレスキュー)です。
消防救助機動部隊は、特殊な技能・能力を有する隊員や装備で編成され、大型重機を備えるなど、多数の人命を早期に救出することを目的としたスペシャリスト部隊です。
第九消防方面本部消防救助機動部隊は、東日本大震災が発生した際にNBC災害を専門とする第三消防方面本部消防救助機動部隊が長期間にわたり派遣されたことにより、NBC災害に対応する消防救助機動部隊を増設することで一方を他府県に派遣する際にも相互補完できるよう、東京消防庁5部隊目の機動部隊として発足しました。
第九消防方面本部消防救助機動部隊は、第九方面の地域特性である広域林野火災、土砂崩落災害等の大規模災害対応するため、機動部隊として3隊編成になっています。
東京消防庁では、これまでに震災・大規模災害を専門とする部隊を3隊、NBC災害を専門とする部隊1隊を配備してきました。
そして、東日本大震災の大規模な震災複合災害が発生したことを教訓に、地域特性に対応し、震災・大規模災害とNBC災害の両方に対応可能な新たな部隊として9HRが発隊しました。
現在は、第九方面の地域特性である広域林野火災、土砂崩落災害等の大規模災害へ対応できるよう、多種多様な特殊車両、資器材、装備が配置されています。隊員には自己の専門分野はもとより、様々な活動についての知識と技術、更には、臨機応変な対応が求められます。
各隊が保有する専門的知識・技術を最大限発揮し、一般災害・震災の他にも、危険物火災、林野火災、土砂災害、山岳救助などの各種災害に対応しています。