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東京消防庁安全・安心情報トピックス>住宅等の窓・ベランダから子どもが墜落する救急事故

住宅等の窓・ベランダから子どもが墜落する救急事故

平成22年7月5日、板橋区において、11歳男児がマンションの4階にある自宅が施錠されていたため、4階屋上から自宅の窓を開けて入ろうとしたところ、誤って地上に墜落(6メートル)した事故が発生しました。また、11日には、文京区において、4歳男児が14階建てマンションの7階自宅のベランダから、母親が目を離している隙に誤って地上に墜落した事故が発生しました。

東京消防庁管内では、平成17年4月1日から平成22年7月10日までに12歳以下の子ども277人が、住宅等(戸建住宅、マンション、アパートなど)の2階以上にある窓やベランダ等からの墜落により、医療機関に救急搬送されています。

【住宅等の窓・ベランダから子どもが墜落する救急事故をみてみると】
(1) 0歳から4歳までの受傷者が144人で、子どもの墜落事故全体の52%を占めています。
(2) 発生場所は、「窓」からの墜落が最も多く(122人、44%)、「ベランダ」がこれに続きます。
(3) 「中等症」以上の負傷者が188人で、子どもの墜落事故全体の約68%を占めています。

1 住宅等の窓・ベランダから子どもが墜落する救急事故の発生状況

(平成17年4月1日から平成22年7月10日まで)

(1)発生場所別年齢別発生状況(単位:人)

  ベランダ 通路・
階段
屋上 その他 合計
0歳 - - - - 1 1 (0.4%)
1歳 18 8 4 1 5 36(13.0%)
2歳 16 17 1 - 3 37(13.3%)
3歳 29 10 - - 6 45(16.2%)
4歳 16 5 - - 4 25 (9.0%)
5歳 14 7 3 - 3 27 (9.7%)
6歳 9 4 - - 1 14 (5.1%)
7歳 6 2 3 - 5 16 (5.8%)
8歳 4 3 2 2 3 14 (5.1%)
9歳 5 6 3 - 2 16 (5.8%)
10歳 2 10 3 2 5 22 (7.9%)
11歳 1 2 2 2 6 13 (4.7%)
12歳 2 3 - 2 4 11 (4.0%)
合計 122
(44.0%)
77
(27.8%)
21
(7.6%)
9
(3.3%)
48
(17.3%)
277 (100%)

※ 屋上からの墜落は、相当する階(例えば、5階建てマンションの屋上から墜落した場合は、6階から墜落したもの)としている。


(2)時間帯別年齢別発生状況(単位:人)

  0〜2
時台
3〜5
時台
6〜8
時台
9〜11
時台
12〜14
時台
15〜17
時台
18〜20
時台
21〜23
時台
合計
0歳 - - - 1 - - - - 1
1歳 - - 1 9 11 7 6 2 36
2歳 - - 3 7 10 13 3 1 37
3歳 1 - 3 7 8 11 15 - 45
4歳 2 - - 5 6 8 3 1 25
5歳 - 1 1 3 4 9 7 2 27
6歳 1 - 1 3 4 3 2 - 14
7歳 - - - 1 3 9 3 - 16
8歳 - - - 2 4 6 2 - 14
9歳 - - 1 - 3 9 3 - 16
10歳 1 - 1 2 7 8 3 - 22
11歳 1 - - 1 - 9 2 - 13
12歳 1 1 - - 2 4 2 1 11
合計 7
(2.5%)
2
(0.7%)
11
(4.0%)
41
(14.8%)
62
(22.4%)
96
(34.7%)
51
(18.4%)
7
(2.5%)
277
(100%)

(3)初診時程度別階層別発生状況(単位:人)

  重篤 重症 中等症 軽症 合計
2階 1 23 76 70 170(61.4%)
3階 2 11 19 4 36(13.0%)
4階 - 8 3 2 13 (4.7%)
5階 3 4 4 1 12 (4.3%)
6〜9階 3 3 3 - 9 (3.2%)
10階以上 1 - - - 1 (0.4%)
階層不明 3 4 17 12 36(13.0%)
合計 13
(4.7%)
53
(19.1%)
122
(44.1%)
89
(32.1%)
277 (100%)
(凡例) 重 篤生命の危険が切迫しているもの
重 症 生命の危険があるもの
中等症生命の危険はないが、入院の必要があるもの
軽 症入院の必要がないもの

2 こんな事故が発生しています

(1) 平成22年4月、3歳男児が5階建てマンションの4階自宅において、9歳長女と二人で留守番中、長女がトイレに行っている間に、窓際に置かれていたソファー横の網戸を突き破って、地上に墜落した(重症)。
(2) 平成22年4月、10歳男児が自宅2階ベランダで飛び跳ねて遊んでいたところ、母親が目を離した隙にベランダから地上に墜落した(中等症)。
(3) 平成22年5月、4歳男児が、祖父宅でかくれんぼをしていたところ、誤って2階の網戸を破り、人工芝を敷いたコンクリート製の庭に墜落(約3メートル)した(軽症)。
(4) 平成22年6月、1歳男児が3階建ての自宅屋上の家庭菜園に母親と二人でいたところ、母親が目を離した隙に屋上の周囲に設置されていた高さ約1メートルの手すりを乗り越え、地上(砂利敷)に墜落(約8メートル)した(重症)。なお、手すりの手前には、踏み台となるプラスチックケース(高さ約30センチメートル)が置かれていた。

3 事故防止のポイント

(1) 窓際ではソファーやテーブル、子ども用の椅子など、ベランダでは室外機や自転車などを足場にしたと推定される墜落事故が発生していることから、窓際やベランダには、子どもの足場になるようなものは置かない。また、ベランダへの出入り口の窓などには、鍵を二重に設けるなどの措置を講ずる。
(2) 0歳児でも墜落する事故が発生していることから、ハイハイや伝い歩きが始まった場合は、目を離さないよう注意する。
(3) 時間帯では日中に多く発生していることから、保護者は、小さな子どもだけを残して外出しないことや、家事などの際にも目を離さないようにする。
(4) 網戸に寄りかかるなどしていて墜落する事故も発生していることから、保護者は網戸に寄りかかると網戸が破れ、墜落する危険があることを子どもに教え、十分に理解させる。
東京消防庁救急相談センター #7119

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