心肺蘇生を望まない傷病者への対応について
1 現状
終末期の傷病者が、家族や医師等と話し合って(ACP:愛称「人生会議」)自宅での看取りなどの意思を固めていても、慌てた家族等から救急要請があった場合、救急隊は救命を主眼とするため、現行の体制では傷病者の意思に沿うことができない。
可能な限り傷病者の意思を尊重できるように、東京消防庁救急業務懇話会や東京都メディカルコントロール協議会等での検討結果を踏まえて対応体制を整理。
2 運用の要件
- ACPが行われている成人で心肺停止状態であること
- 傷病者が人生の最終段階にあること
- 傷病者本人が「心肺蘇生の実施を望まない」こと
- 傷病者本人の意思決定に際し想定された症状と現在の症状とが合致すること
救急隊から「かかりつけ医等」に連絡し、これらの項目を確認できた場合、心肺蘇生を中断し「かかりつけ医等」又は「家族等」に傷病者を引き継ぐ。
3 運用の細部
①心肺停止の確認
②心肺蘇生の実施と情報聴取
初動の対応
- 家族等から、傷病者本人に「心肺蘇生の実施を望まない意思」があることを示されるまでは、通常の活動を続ける。
③家族等から、傷病者本人が「心肺蘇生の実施を望んでいない」ことを示される。
意思確認の方法
- 書面に限らず口頭の情報提供も含む
- 伝えられる方法によらず、傷病者本人の「心肺蘇生の実施を望まない意思 」 の確認は必ずかかりつけ医等に行う。
④かかりつけ医等に「直接」又は「訪問看護師等を経由して」連絡し、傷病者の意思を確認する。
かかりつけ医等への確認項目
- 傷病者が人生の最終段階にあること
- 傷病者本人が「心肺蘇生の実施を望んでいない」こと
- 傷病者本人の意思決定に際し想定された症状と現在の症状とが合致していること
⑤かかりつけ医等が到着するまでの時間を確認する。
⑥引き継げる場合に限り、かかりつけ医等からの指示を受けて心肺蘇生を中止する。
かかりつけ医等又は家族等への引継ぎ
- おおよそ45分以内にかかりつけ医等が到着できる場合、かかりつけ医等の到着まで救急隊は待機し、直接引き継ぐ。
- おおよそ12時間以内にかかりつけ医等が到着できる場合家族等に引き継ぎ、救急隊は引き揚げる。
⑦心肺蘇生を中止する場合は、家族等から「同意書」に署名をもらう。
4 運用の見直し
今後、「事案の集積」と「都民へのACPの周知状況」等を踏まえて、適宜運用要領の見直しを行う。
- 都民向けの資料はこちらからダウンロードできます。(PDF:339KB)
- 医療機関等向けの資料はこちらからダウンロードできます。(PDF:366KB)
問合せ先
- 救急指導課