日常生活における火災や事故を防止しよう
子どもの火遊びを防止しよう
平成30年から令和4年まで※1の5年間で、東京消防庁管内※2では、12歳以下の子どもの火遊びに起因する火災が87件発生しました(図1)。
1 令和4年中の数値は速報値
2 東京都のうち稲城市、島しょ地区を除く。
1 火遊びに起因する火災を防ぐために
- ライター等は、子どもの目に触れない場所、かつ手の届かない場所で厳重に管理する。
- 子どもには幼児期から火災の怖さや火遊びの危険性を教える。
- 幼い子どもだけを残して外出しない。
- 子どもの安全を守るため、子どもが簡単に操作できないチャイルド・レジスタンス・ライター(CRライター)を使用する。
- 小学生になると、公園など屋外で火遊びをする子どもが増えることから、保護者、学校、地域が連携して、子どもの火遊びに起因する火災を防ぐ。
- ライターを廃棄する際は、中のガスを使い切ってから、各自治体が定める分別方法に従い廃棄する。
2 事故の事例(火災の実態より引用)
事例1 ライターで火遊びし、出火した火災
出火時 16時頃
出火場所 公園
被害状況 枯草5㎡
この火災は、公園で出火したものです。
出火原因は、公園で遊んでいた小学生の少年が落ちていたライターを使用して、足元の枯れ草に火をつけて遊んでいたため、出火したものです。
帰宅途上に公園付近を通りがかった女性は、公園内で枯草が燃えているのを発見し、自身の携帯電話から110番通報をしています。
初期消火は、付近に居住する人が自宅にあったバケツに水を入れて、初期消火を行いました。
事例2 マッチで火遊びし、出火した火災
出火時 14時頃
出火場所 共同住宅
被害状況 建物部分焼1棟 1階30㎡、外壁5㎡等焼損
この火災は、共同住宅1階ダイニングキッチンから出火したものです。
火元住戸は3人家族で、出火時は子どもが一人で留守番をしていました。
出火原因は、子どもが学校の帰り道に拾ったマッチ箱を家に持ち帰り火を点けたところどうやって消していいか分からず、ごみ箱の中に捨てたため箱内のごみくずに着火し出火したものです。
子どもがごみ箱に火のついたマッチを捨てる際に手に火傷を負いました。
子どもは出火建物に配達に来た郵便局員に火災であることを知らせ、郵便局員は出火室内に煙と炎を確認した後に自分の携帯電話から119番通報しました。
3 年齢別・男女別の行為者状況
火遊びの行為者を年齢別にみると、87件のうち10歳が28件と最も多くなっています(図2)。
また、行為者が男児であった火災件数は75件、女児が12件で性別では男児が大部分を占めています。
4 どこで火遊びをしているのか
出火場所は、屋外が最も多く48件(55.2%)、次いで自宅が27件(31.0%)となっています(図3)。
屋外では、公園、河川敷などで発生しており、自宅では居室内、台所、ベランダなど様々な場所で発生しています。
※建物(その他の部分)とは、廊下、ごみ捨て場など
※建物(事業用の部分)とは、店舗、廃品置き場など
5 1日の中で発生の多い時間帯
就学年齢にあたる6歳以上の子どもの火遊びに起因する火災は、15時台から16時台に多く発生しています(図4)。
6 火遊びに使用した発火源
火遊びに使用した発火源で、最も多いのはライターの49件で全体の約6割を占めています(図5)。
また、マッチによる火遊びもライターに次いで多くなっています。マッチはライターのようにスイッチから指を離せば消えるものではありませんので、自分で消すことができない子どももいます。
7 ライターが発火源となった火災件数
ライターが発火源となった件数は、6歳から12歳までが全体の93.9%を占めています(図6)。
ライターの規制導入について
消費生活用製品安全法施行令の一部が改正され、規制対象製品にライターが追加されました(平成22年11月10日公布)。
平成22年12月27日に施行され、施行後9ヶ月間の経過措置を経て平成23年9月27日からCR(チャイルド・レジスタンス)機能を施した安全対策済みライターなどが市場で販売されています。販売できるライターは、以下の3つの要件を備えたものです。
- ライターの基本性能の要件を定めたJIS規格を採用したもの
- 子供が簡単に操作できないCR機能を備えたもの
- 子供が興味を持ちやすい玩具(ノベルティー)型でないもの
なお、規制対象になることにより、製造または輸入事業に係る国への届出、技術基準適合義務、PSCマークの表示が義務付けられます。
規制の対象外となるライターもあります(例:燃料タンクが金属製のもの)。
主なCRライター
問合せ先
- 防災安全課