掃除中の事故に注意!

東京消防庁管内※1では、令和4年中に掃除中の事故※2により、860人が救急搬送されています。

掃除中の事故は、大掃除をすることが多い12月に多く発生しています。また、救急搬送される方の多くは、60歳以上となっています。
事故防止のポイントを守って、安全な作業を心がけましょう。

※1 東京都のうち稲城市、島しょ地区を除く地域

※2 労働中の事故も含みます。

イメージ

事故防止のポイント

  1. 高い所を掃除する際は、安定した足場を選びましょう。また、降りる際はバランスを崩したり、足を踏み外さないよう十分注意しましょう。
  2. 滑りやすい場所で掃除をする際には転倒に注意し、足場が濡れている場合は事前に拭き取りましょう。
  3. 年齢や個々の体力を勘案し、無理な作業は控えましょう。
  4. 機器類を掃除、メンテナンスする際には怪我を防止するために手袋を着用しましょう。
  5. 洗剤の混合使用による有毒ガス事故も発生しています。洗剤を使用する際は、以下の点に注意しましょう。
  • 洗剤を専用容器以外に移し替えしない。
    アルミ缶など金属製の容器は、洗剤と容器が化学反応を起こし容器が破裂したり、溶けることがあります。
  • 種類の違う洗剤を一緒に使わない。
    塩素系洗剤と酸性洗剤を一緒に使用すると有毒なガスが発生することがあります。また、違う洗剤が混ざらないよう、前に使用した洗剤をしっかりと洗い流してください。
  • 使う前に容器に書かれている注意事項を確認する。
    洗剤の容器に書かれている、注意事項などを必ず確認しましょう。

1 年別の救急搬送状況

過去5年間に、4,067人が掃除中の事故により救急搬送されており、毎年700人以上が救急搬送されています(図1)。

図1 年別救急搬送人員
イメージ

2 月別の救急搬状況

過去5年間の月別の救急搬送人員では、大掃除をすることが多い12月に多くの人が救急搬送されています(図2)。

図2 月別救急搬送人員(平成30年~令和4年)

3 過去5年間の初診時程度別救急搬送人員

医療機関搬送時の初診時程度では、約4割が入院の必要があるとされる中等症以上と診断されています。また、87人が生命の危険がある重症以上と診断されています(図3)。

軽 症:入院の必要がないもの
中等症:生命の危険はないが、入院の必要があるもの
重 症:生命の危険が強いと認められたもの
重 篤:生命の危険が切迫しているもの
死 亡:初診時に死亡が確認されたもの

図3 初診時程度別救急搬送人員(平成30年~令和4年)

4 過去5年間における年代別の救急搬送人員

過去5年間における年代別の救急搬送人員では、60歳代から80歳代が多く、2,351人と全体の約6割を占めています(図4)。

図4 年代別の救急搬送人員(平成30年~令和4年)

5 過去5年間における事故種別ごとの救急搬送人員

過去5年間に、掃除中の事故により救急搬送された4,067人がどのような事故により救急搬送されているのかをみると、「ころぶ」事故が最も多く4割以上で、次いで「落ちる」事故が2割以上となっています。この2つの事故が全体の約7割を占めています(図5)。

図5 事故種別ごとの割合(平成30年~令和4年)

「ころぶ」事故の発生場所をみると、「居室・寝室」での転倒が多く発生しています(図6)。

図6 「ころぶ」事故の発生場所上位10か所(平成30年~令和4年)

「落ちる」事故の関連器物をみると「階段」や「脚立・踏み台・足場」、「椅子」からの転落事故が多く発生しています(図7)。

※ その他の家具とは、靴箱、タンス、傘立て等 図7 「落ちる」事故の関連器物上位10個(平成30年~令和4年)
※ その他の家具とは、靴箱、タンス、傘立て等
図7 「落ちる」事故の関連器物上位10個(平成30年~令和4年)

6 掃除中の事故事例

掃除中に使用した塩素系洗剤と酢酸系洗剤が混ざり、発生した気体を吸引してめまいを起こした(20歳代 中等症)。

自宅の庭で脚立に乗って窓を清掃していたところ、バランスを崩して脚立から墜落し、腰部を受傷した(60歳代 重症)。

浴室内で脚立を使用し天井の掃除をしていた。片足を浴槽のふちに置いたところぬれており、滑って転倒し受傷した(70歳代 中等症)。

自宅で掃除中、レールから外して壁に立てかけていた引き戸が倒れてきて転倒し、背中をぶつけて受傷した (80歳代 重症)

問合せ先

  • 防災安全課