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「低圧進相コンデンサ」の火災にに注意

「低圧進相コンデンサ」から出火する火災は例年、梅雨の季節から暑さが続く9月にかけて多発し、出火原因のほとんどが長期使用に伴う絶縁劣化により発熱、出火しています。

これから先も暑さが続き、コンデンサ本体の温度もさらに上昇して絶縁劣化が進み、火災が多発する危険性があります。

1.「低圧進相コンデンサ」とは

「低圧進相コンデンサ」は、電圧200V〜600Vで受電している工場や飲食店等で、モータで稼働する設備や店舗の業務用冷蔵庫等の消費電力を抑える機器として1940年(昭和15年)頃から配電盤等に設置されています。

配電盤の低圧進相コンデンサ設置例

出火したコンデンサ

出火したコンデンサ

炭化したコンデンサ素子

炭化したコンデンサ素子

2.「低圧進相コンデンサ」の火災を防ぐために

  1. 機器を使用しない時はメインブレーカーを切り、「低圧進相コンデンサ」に電圧がかからないようにしましょう。
  2. 特に、昭和50年(1975年)以前に製造された製品には保安装置が内蔵されていないため被害が拡大する危険性があるので使用の停止や交換することが必要です。
  3. 設置から概ね10年以上経過したものは、専門業者による点検を受け、計画的に交換することが推奨されます。

3.最近5年間の火災発生状況等

(1)年別の火災発生状況

年別 合計 建物 その他 焼損床面積
(m2)
焼損表面積
(m2)
死者
(人)
負傷者
(人)
小計 全焼 半焼 部分焼 ぼや
合計 52 50 3 2 14 31 2 700 161 1 10
平成30年 19 17 1 1 5 10 2 170 37 - 3
令和元年 4 4 - - 2 2 - - 6 - -
令和2年 13 13 1 1 3 8 - 167 68 1 5
令和3年 5 5 - - 2 3 - 5 15 - -
令和4年 11 11 1 - 2 8 - 358 35 - 2
  1. ※合計欄の数値は、平成30年から令和4年の合計値です。(以下同じ。)

(2)月別の火災件数

年別 合計 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
合計 52 2 - 1 1 3 13 13 14 5 - 2 1
平成30年 19 - - - 1 1 4 6 4 1 - 2 -
令和元年 4 - - - - - 1 1 2 - - - -
令和2年 13 - - - - - 3 1 6 3 - - -
令和3年 5 - - - - 1 1 2 1 - - - -
令和4年 11 2 - 1 - 1 4 3 1 1 - - 1

(3)使用年数別の火災件数

年別 合計 10年未満 10年〜19年 20年〜29年 30年〜39年 40年以上 不明
合計 52 - - 4 4 31 13
平成30年 19 - - 3 2 11 3
令和元年 4 - - - - 4 -
令和2年 13 - - 1 1 6 5
令和3年 5 - - - - 4 1
令和4年 11 - - - 1 6 4

「一般社団法人 日本電機工業会」では、長年使用した「低圧進相コンデンサ」は発火の危険 があるとして、古い低圧進相コンデンサの使用の停止と取換えをお願いしています。

なお、低圧進相コンデンサの更新推奨期間は10年です。

問合わせ先
一般社団法人 日本電機工業会
技術戦略推進部 重電・産業技術課
03-3556-5884
http://jema-net.or.jp/Japanese/pis/condenser.html


このページ関するお問合せ
予防部予防課火気電気係
電話:03-3212-2111(代)内線4785