重複選任に関する留意事項
2025年02月05日 更新
基本事項
重複選任とは、複数の防火対象物において同一の防火管理者を重複して選任することをいいます。
消防法施行令第3条の規定により防火管理者は「防火管理上必要な業務を適切に遂行することができる管理的又は監督的な地位にあるもの」である必要があり、重複選任の場合、管理すべき対象物が多数となることによる管理の困難性、管理すべき対象物に勤務していないことによる初期対応の困難性等により、防火管理上必要な業務を適切に遂行できない可能性が高いことから、東京消防庁では、極力これを避け防火対象物ごとに当該事業所に勤務する従業員から防火管理者を選任するよう指導しています。
重複選任の取扱い
防火管理者としての要件を満たし得る者が当該事業所に勤務していない等の理由により、上記基本事項によることができない場合は、以下の基準に従い、例外的に重複選任して差し支えないものとして取り扱う場合があります。
ただし、その場合であっても防火管理の最終責任者である管理権原者及び防火管理者はその責任において防火管理上必要な業務を適正に遂行しなければならないことに変わりはありません。
重複選任の基準
① 建物の用途や管理形態が要因となるもの
(1) 2以上の建物を持つ貸ビル業者等の防火対象物で、貸ビル業者等が管理する拠点が当庁管内に存するもの※ 「貸ビル業者等」とは、次に掲げるものをいう。 ➢ 防火対象物を所有し、防火対象物又はその部分を第三者に貸す者又は事業者 ➢ 防火対象物の所有者からマスターリース・サブリース形態等の契約で防火対象物を借り上げ、さらに第三者に 防火対象物又はその部分を貸す者又は事業者 |
(2) 同一管理権原者の管理する区域内に存する公共機関の庁舎及び鉄道駅舎等
(3) 一の防火対象物において、外部選任される防火管理者が、他の防火管理義務対象物の防火管理者として外部選任される場合
(4) 同一団地内において、一の共同住宅等又は政令別表第一(16)項に掲げる防火対象物の共同住宅の用途に供する部分で内部選任される防火管理者が、他の棟の共同住宅等又は政令別表第一(16)項に掲げる防火対象物の共同住宅等の用途に供する部分で外部選任される場合
(5) 共同住宅等(賃貸用に限る。)の所有者が、自らを防火管理者として選任する場合
(6) 事業所の防火管理者として選任されている者が、自己が居住する共同住宅等の防火管理者として選任される場合又は自己の居住する共同住宅等の防火管理者に選任されている者が事業所の防火管理者として選任される場合
(7) 公営住宅等又は社宅で、次に掲げる適用範囲を満たすもの
適用範囲 次のア又はイに該当するもの ア 主要構造部が耐火構造であり、かつ、次の形態を有する施設以外 (ア) 高齢者が入居するシルバーマンション等の施設 (イ) 住戸を週単位等極めて短期間の賃貸に供するウィークリーマンション等の施設 (ウ) 観光地等に存し、住戸の多くが所有者等により通年居住されず、多数の宿泊に供されるリゾートマンション等の施設以外 (エ) 防災センターにおいて防災センター要員による消防用設備等の監視・操作等が必要な防火対象物 (オ) その他防火管理上、重複せずに防火管理者を選任することが適当と思われる施設 イ 耐火構造以外の構造で、他の住戸への延焼危険及び階数、規模等を勘案して適用することが可能な共同住宅等 |
(8) 近接地に存する場合等、社会通念上、一体的な防火管理体制により防火管理上必要な業務が適正に遂行できると認められる場合
② ①以外の対象物で防火管理者が選任できないもの
対象物を管轄する消防署へご相談ください。なお、対象物の所在地が複数署の管轄に渡る場合は防火管理課へご相談ください。
重複選任する場合の要件
①に該当する対象物
(1) 防火管理者は甲種防火管理者とすること。
(2) 防火管理義務対象物ごとに必ず防火担当責任者を定めること。
(3) 防火担当責任者が日常的に行う業務や管理する内容を、定期的に防火管理者に報告する内部事務手続きの要領を決め、防火管理に係る消防計画に定めること。
②に該当する対象物
対象物を管轄する消防署の指導に従ってください。
(1) 防火管理者は甲種防火管理者とすること。
(2) 防火管理義務対象物ごとに必ず防火担当責任者を定めること。
(3) 防火担当責任者が日常的に行う業務や管理する内容を、定期的に防火管理者に報告する内部事務手続きの要領を決め、防火管理に係る消防計画に定めること。
②に該当する対象物
対象物を管轄する消防署の指導に従ってください。
問合せ先
- 予防部
- 防火管理課
- 指導係
- 03-3212-2111 内線5127