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東京消防庁

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工場の敷地内で火災が発生し、迅速な通報、初期消火、避難誘導を行った事例

用途等 工場(12項イ) 耐火造2/0 出火場所 1階 外壁のそば
焼損程度
けが人等
建物部分焼

なし

出火時間帯
出火原因 ガストーチバーナで作業後、残った火種に気付かず事務室内へ戻ったため、火種がくすぶり続け、積み重ねられていた樹脂製パレットに着火したもの。
自衛消防活動の状況※
発   見 工場B棟(出火建物)の南側の別敷地で行われていた新築工事現場の誘導員Aは、工場B棟の敷地で炎が上がっているのを発見した。

工場へ施設メンテナンスに訪れていた業者の作業員Bは、誘導員Aの「火事だ」の声に気付き、工場A棟の事務室の従業員に火災を知らせた。

工場A棟の事務室で勤務していた工場長Cは、事務室の消火器を持ち現場へ駆けつけた。

通   報 従業員Dは、屋外から誘導員Aの声が聞こえたため外に出ると、工場脇に積み重ねられていた樹脂製パレットから炎が出ているのを確認したので、工場A棟の事務室に戻り固定電話から119番通報をした。
初期消火 工場長Cと従業員E、FがA棟から粉末消火器3本を、誘導員Aが新築工事現場から粉末消火器1本を搬送して初期消火を行った。

また、従業員G(防火管理者)、H、Iの3名は工場B棟に設置されている屋外消火栓設備を活用して初期消火を実施した。

避難誘導 従業員G(防火管理者)は、屋外消火栓設備の起動時に自動火災報知設備の発信機を押下し、工場内のベルを鳴動させ、火災の発生を知らせている。

従業員Dは、119番通報を実施後、工場A棟の従業員(10人)に避難を呼びかけた。

防火管理上の推奨点
  1. 迅速な119番通報を行い、従業員が協力し消火器3本による初期消火、及び、屋外消火栓による迅速な放水活動を行い、建物内への延焼を阻止したこと。
  2. 屋外に従業員を避難誘導し、人員の確認、けが人がいないかを確認したこと。
  3. 日頃の自衛消防訓練の成果が発揮され、屋外消火栓を活用し、被害の拡大防止を図った。
防火管理上のポイント
  1. 火災を発見した場合には、自動火災報知設備を活用する等、速やかに建物内の在館者に対して、火災の発生を知らせましょう。
  2. 従業員に、ガス機器を使う際には、周辺の可燃物の有無の確認や消火用具の準備を行いましょう。
  3. 自衛消防訓練は、従業員がそれぞれの任務をしっかりと行えるように、消防用設備等の使用方法の確認や、避難経路の確認をしたりして有事の際に備えましょう。消防計画の見直しも一緒に行い、実態に応じた消防計画を維持しましょう。

※自衛消防活動の状況は、関係者からの聞き取りによるものです。

1階略図と火災発生時の従業員の動き(イメージ)

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