知っていますか?こんな場所での火気使用規制 禁止行為と解除承認
解除承認とは?

火気の使用などを全面的に禁止してしまうと、社会生活に支障をきたすので、事前に申請を行い、消防署長が、消防総監が定める基準(以下「解除の基準」という。)に適合していると認められた場合に限り、例外としてこれらの行為を必要最小限の範囲で行うことができます。これを解除承認といいます。
指定場所の用途と禁止行為および解除承認の可否
解除承認は、指定場所ごとに解除承認が受けられる行為と受けられない行為があります。
指定場所の用途と禁止行為および解除承認の可否は次のとおりです。
凡例 |
― |
:規制無 |
△ |
:規制有・解除承認可 |
|
☓ |
:規制有・解除承認不可 |
禁止行為 |
喫煙 | 裸火使用 | 危険物品 持込み |
|
---|---|---|---|---|
百貨店,マーケット, 物品販売店舗※1 |
売場 |
☓※4 | △ | △ |
通常顧客の出入りする部分 |
☓※4 | △ | △ | |
劇場,映画館,演芸場, |
舞台 |
△ | △ | △ |
客席 |
☓※5 | △ | △ | |
公衆の出入りする部分 |
- | - | △ | |
屋内展示場 |
公衆の出入りする部分 |
☓ | △ | △ |
映画スタジオ,テレビスタジオ |
撮影用セットを設ける部分 |
△ | △ | △ |
地下街 |
売場 |
☓ | △ | △ |
地下道 |
☓ | ☓ | ☓ | |
キャバレー,バー,ナイトクラブ, |
舞台(バーは除く) |
△ | △ | △ |
公衆の出入りする部分※3 |
- | - | △ | |
旅館,ホテル,宿泊所 |
催物の行われる部分 |
使用実態による |
||
車両の停車場, |
旅客が利用する部分 |
- | - | △ |
自動車車庫,駐車場※2 |
駐車の用に供する部分 |
☓ | ☓ | - |
高さ100m以上の建築物 |
公衆の通行の用に供する部分 |
☓ | ☓ | ☓ |
重要文化財等 |
建造物の内部 |
△ | △ | △ |
建造物の周囲 |
△ | △ | △ |
- 百貨店等の用途として使用される部分(事務所や従業員食堂なども含みます。)の床面積の合計が、一定規模(1,000平方メートル)未満のものを除く。
- 駐車の用に供する部分の床面積が、地階又は2階以上の階で200平方メートル以上、1階で500平方メートル以上、屋上部分で300平方メートル以上、昇降機等の機械装置により車両を駐車させる構造のもので、車両の収容台数が10以上のもののみ。
- 飲食店等の公衆の出入りする部分の床面積の合計が、一定規模(100平方メートル)未満のものを除く。
- 喫煙設備のある場所を除く。
- 観覧場の屋外の客席及びすべての床が不燃材料で造られた客席、公会堂又は集会場の喫煙設備のある客席を除く。
解除の基準とは?

解除の基準は、「火災予防条例に基づき消防総監が定める基準及び消防総監が火災予防上必要と認める措置(平成16年東京消防庁告示第7号)」(PDF:1,368KB)に示されています。
解除の基準には、禁止されている用途ごとに、解除承認が受けられる範囲(設備、器具の種別、数量など)、実施する位置、実施にあたっての必要な措置などが定められています。
なお、申請された内容が解除の基準に適合している場合でも、申請の内容やそれを行う場所の状況が消防法及び他の防火に関する規定に適合していない場合には、解除承認が受けられないことがあります。
解除承認の審査事項は?

解除承認は、次の内容について審査し、火災予防上支障ないと認められた場合に限り承認されます。
- 解除の基準に適合しているか?
- 代替行為がなく、社会的に妥当性があるか?
- 必要最小限であるか?
- 行為や機器の明確な特性、性能、安全性が確認できるか?
- 消防法令、他の防火に関する法令等に違反していないか?
- 建築物の構造及び消防設備等の設置状況等が適正であるか?
- 申請内容を適正に行うことができるか? など
なお、解除承認は、審査事項を様々な角度から総合的に審査し承認するものであるので、審査基準に適合しているから、他の建物では承認されたからといって、解除承認されるものとは限りません。
解除承認の申請手続きの方法は?
解除承認の申請手続きの方法は? 企画の立案・消防署への相談

計画、立案する上で、禁止される行為が発生した場合には、事前に消防署に下記内容を確認しなければなりません。
- 行おうとする行為が、禁止される行為となるか。
- 行為を行おうとする場所が、禁止される場所となるか。
- 解除承認を受けられる範囲の行為か。
- 解除承認を受けるときの条件はなにか。
行為の内容により、行おうとする場所に防火区画が必要な場合や、出入口や階段等との距離が必要となる場合など、様々な条件があります。
申請内容に詳しい人が早めに資料を持参して相談しましょう。
申請書類の提出

必要書類を作成し、消防署に提出します。
必要書類は下記のとおりです。
書類は正本と副本の2部を作成し提出してください。
添付する必要書類については、各解除承認申請の内容ごとに異なります。
「申請書」は消防署に用意されているほか、東京消防庁ホームページからも出力できます。
申請は、禁止される行為を行おうとする場所を管轄する消防署に、おおむね10日前までに申請してください。
書類審査と現地調査

提出された書類の内容について、解除承認ができる範囲の内容かどうか、火災予防上安全な行為かどうかを「書類審査」と「現地調査」で審査します。
書類審査と現地調査の結果、解除承認が受けられるかどうかを決定します。
解除承認

- 解除承認を受けられる場合は、消防署から「禁止行為解除承認書」と「禁止行為解除承認証」が交付されます。「喫煙」には解除承認証は交付されません。
- 禁止行為解除承認証は書面交付と電子交付のどちらかを選択できます。
- 電子交付された解除承認証を印刷して掲出する場合は、縦148mm以上×横100mm以上の大きさで印刷してください。電子機器でデータを掲出する場合は、表示される解除承認証が縦148mm以上×横100mm以上の大きさになるように設定してください。
![写真:恒常的な行為の承認証[裸火使用]](/content/000030513.gif)
![写真:[裸火使用]](/content/000030514.jpg)
[裸火使用]
![写真:[危険物品持込み]](/content/000030515.jpg)
[危険物品持込み]
- 禁止行為解除承認証は、承認期間中、解除承認された行為を行う見やすい位置に掲出します。
解除承認された行為を安全に行う

解除承認された行為を行う際には、次の事項を遵守しなければなりません。
- 解除承認の要件を厳守する。
- 解除承認内容を厳守しなければならないことを行為者や従業員等に周知徹底する。
- 解除承認内容に変更を生じる場合は、速やかに消防署に連絡する。
- 防火管理者や解除承認された行為を行う場所の責任者は、解除承認が厳守されているかを定期的に確認し、出火防止に努める。
解除承認が取り消される場合

解除承認期間中であっても、次に掲げる場合、解除承認が取り消されることとなります。
- 解除の基準を遵守しない場合
- 解除承認された行為を行っている場所から火災を発生させた場合
問合せ先
当内容については東京消防庁管内において適用されるものです。