飛沫防止用ビニールシートの火災予防

飛沫防止用ビニールシートの火災予防 3つのポイント

新型コロナウイルス感染症の飛沫感染防止対策として、店舗や受付窓口などに透明の「ビニールシート」等を設置する場合は、次の3つのポイントに注意しましょう。

飛沫防止用ビニールシートの火災予防 イラスト

1 火気や熱をもつ照明器具の近くを避ける。

コンロや白熱灯のような熱をもつ照明器具から距離をとって設置しましょう。

2 消防用設備等に影響がないか確認する。

スプリンクラーヘッドなどの消防用設備等の近くに設置すると、火災が発生した際に、有効に作動しないおそれがあります。設置の際は十分に注意しましょう。

3 防炎性能を有するビニールシートを選ぶ。

ビニールシートによる火災の被害を軽減するためには、以下の燃焼実験結果のとおり防炎性能を有するものが有効です。特に、コンロを使用する場所や照明器具の付近に設置する場合は、防炎性能を有するものを選びましょう。

飛沫用ビニールシートの燃焼比較実験

東京消防庁消防技術安全所において、防炎性能を有するビニールシートと防炎性能を有しないビニールシートの燃焼比較実験を実施しました。
厚さ0.3mm及び0.5mmのものにライターで約10秒間接炎させると、防炎性能を有しないものは着火し燃え広がるのに対し、防炎性能を有するビニールシートは黒く炭化溶融するのみで着火しませんでした。
なお、今回の実験では6種類のビニールシートを使用しました。それぞれの実験結果の概要は下の「燃焼比較実験の結果一覧表」のとおりです。

燃焼比較実験の写真(厚さ0.5mm着火後約30秒の状況) イメージ
燃焼比較実験の写真(厚さ0.5mm着火後約30秒の状況)
飛沫防止用ビニールシート(厚さ0.5mm)の燃焼比較実験映像(2分22秒)(燃焼実験開始は 0分45秒から)
飛沫防止用ビニールシート(厚さ0.5mm)の燃焼比較実験映像(2分22秒)(燃焼実験開始は0分45秒から)

燃焼比較実験の結果一覧表(消防技術安全所)
ビニールシートの大きさ 幅90㎝×長さ110㎝

厚さ 防炎性能 着火方法 結果
(1) 0.3mm 下端にライターで10秒間接炎
  • 着火しない
  • 接炎させた部分が、黒く炭化し溶融するのみ
(2) 0.3mm 同上
  • 約10秒で着火した
  • その後、約20秒で上端まで燃え上がった
(3) 0.5mm 同上
  • 着火しない
  • 接炎させた部分が、黒く炭化し溶融するのみ
(4) 0.5mm 同上
  • 約10秒で着火した
  • その後、約20秒で上端まで燃え上がった
(5) 1.0mm
  1. 下端にライターで10秒間接炎
  2. 一旦離し再度10秒間接炎
  3. 着火するまで接炎
  • 10秒間接炎させても着火しない。
  • 約20秒間接炎し続けると着火した。
  • その後、約1分30秒で上端まで燃え上がった。
  • 燃え続けている滴下物が厚さ0.3mmや0.5mmのものより多い
(6) 2.0mm
  • 10秒間接炎しても着火しない。
  • 約20秒間接炎し続けると、着火した。
  • その後、約3分で上端まで燃え上がった。
  • 燃え続けている滴下物が他のものより多い

問合せ先

  • 防炎品に関するお問い合わせ
    建物住所を管轄する消防署の予防課または 公益財団法人日本防炎協会まで