
東京消防庁管内では1)、平成30年から令和4年2)までの5年間に、5歳以下の乳幼児が歯みがき中に歯ブラシで受傷した事故により、182人が救急搬送されています。
毎年6月4日から同月10日までの「歯と口の健康週間」を前に、乳幼児の歯みがき中における事故の実態をお知らせし、注意喚起を行っています。
- 1) 東京都のうち稲城市、島しょ地区を除く地域
- 2) 令和4年の数値は速報値。
歯みがき中の事故防止ポイント
歯ブラシが口腔内に刺さり、入院の必要がある事故も発生していることから、保護者等は乳幼児の歯ブラシの使用に際して、十分な注意が必要です。
毎年発生する歯みがき中の事故を防止するため、以下のことに注意しましょう。
- (1) 歯ブラシを口に入れたまま歩いたり走ったりさせず、床に座って歯みがきをさせましょう。
- (2) ソファなどの不安定な場所で歯みがきをしていて、転落したケースもあることから、椅子、踏み台等に乗った状態で歯みがきをさせないようにしましょう。
- (3) 歯みがき中に人や物と接触し、受傷するケースもあるため、歯みがき中は保護者の目が届く範囲で見守り、周囲にも注意を払いましょう。

1 年別救急搬送人員
平成30年から令和4年までの5年間で、182人が救急搬送されています(図1)。

2 年齢別・受傷要因別救急搬送人員
(1)
図2 年齢別救急搬送人員
年齢別救急搬送人員
1歳が最も多く73人、次いで2歳が54人となっています(図2)。

(2)
図3 受傷要因別救急搬送人員
受傷要因別救急搬送人員
歯みがき中に「歩いたり、走ったりして転倒」が75.8%で、最も多くを占めています (図3) 。このことから、歯みがき中には『歩かせない!走らせない!』ように保護者がそばに付き添い注意を払うことで、多くの歯みがき中の事故を未然に防止することができます。

3 初診時程度別救急搬送人員
救急搬送時の初診時程度をみると、軽症が最も多く153人(84.1%)を占めています。
また、入院の必要がある中等症以上が29人(15.9%)を占めています(図4)。

重 症: | 生命の危険が強いと認められたもの |
---|---|
中等症: | 生命の危険はないが入院を要するもの |
軽 症: | 軽易で入院を要しないもの |
4 事故事例
1 | 椅子に座りながら歯をみがいていたところ、バランスを崩して前方へ転倒し、口腔内を受傷した(1歳 軽症)。 |
---|---|
2 | 歯ブラシをくわえたまま階段から転落し、口腔内を受傷した(1歳 中等症)。 |
3 | 歯みがき中に歩いていたところ、居室のドアが開いて歯ブラシを持っていた腕に当たり、歯ブラシが口腔内に刺さり受傷した(2歳 軽症)。 |
4 | 歯ブラシをくわえたまま走り回っていたところ、転倒し歯ブラシが口腔内に刺さり受傷した(4歳 中等症)。 |
5 その他
東京都生活文化スポーツ局から、乳幼児の歯ブラシによる喉突き事故の事例をまとめたリーフレットが発行されています。
問合せ先:防災部防災安全課生活安全係