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東京消防庁大井消防署災害状況

勝島倉庫爆発火災

概要

 勝島倉庫爆発火災とは、1964年7月14日21時55分に大井消防署管内の品川区勝島1丁目の危険物保管倉庫で発生した爆発火災です。倉庫内の空き地に無許可で野積みにされていた硝化綿(ニトロセルロース)(※1)入りのドラム缶(約1,200本)が夏の炎天下により自然発火し、敷地内に保管されていたアルコール類等の大量の危険物に次々と引火し、爆発火災になりました。さらに火災発生から1時間後に、無許可貯蔵のメチルエチルケトンパーオキサイド(※2)に引火して大爆発を起こしました。この爆発により直近の建物が崩壊し、その場で活動していた消防隊が瓦礫の下敷きになり、19名の消防隊員(うち消防団員1名)が殉職しました。



※1 硝化綿(ニトロセルロース)
 危険物第5類自己反応性物質に分類され、自然発火性が強く、製造過程の不具合などで過去に何度も自然発火事故が世界中で発生しており、着火すると激しく燃焼する危険物である。主な用途はラッカー塗料、接着剤、火薬などである。

※2 メチルエチルケトンパーオキサイド
 危険物第5類自己反応性物質に分類され、自然発火性が強く、強い衝撃や日光に当たると分解し、発火することがあり、通気の良い冷暗所に貯蔵する必要がある。主に、FRP(繊維強化プラスチック)やポリエステル樹脂の硬化剤として利用される。   

被害

建物被害:計25棟(全焼15、半焼2、部分焼8)、7,563u焼損
人的被害:殉職者 19名(消防職員18名、消防団員1名)
        負傷者 114名(消防職員80名、消防団員9名、警察職員2名、一般人23名)

出場規模

消防職団員数:1,576名(消防職員1,195名、消防団員381名)
出場車両数:173台(ポンプ車102台、その他71台)

その後の取組

昭和40年5月
危険物の規制強化を図るため、消防法の一部が改正されました。具体的には、立入検査の対象範囲の拡大、消防吏員による措置命令権の付与などで、予防・査察体制の強化が図られました。

昭和41年7月
殉職者等20名(心労で亡くなった事業所の社員1名を含む)の御霊を「二十神霊」とし、類似災害発生防止と安全を祈願し、勝島攘災招福堂が建立されました。

 大井消防署では、本災害の風化を防ぎ、現在及び将来にわたって教訓を伝承するため、毎月14日を「大井消防署安全の日」と定め、安全管理の徹底と安全意識の醸成に取り組み事故の絶無を図っています。 また現在でも、毎年7月14日には多くの消防関係者等が勝島攘災招福堂を訪れ、消防の使命に殉じた御霊「二十神霊」に対し、哀悼の意を表するとともに、安全への誓いを新たにしています。

※ご注意!!
勝島攘災招福堂は一事業所の敷地内にございますので、一般の方の参拝は固くお断り致します。ご了承ください。

               
                             勝島攘災招福堂

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