お酒を飲みながら、同僚や友人と語り合うのは楽しいですよね。しかし、お酒の飲み方によっては、楽しいはずの時間が一転することも少なくありません。特に年末は、急性アルコール中毒が原因で救急搬送される人が激増します。「私は大丈夫!」と自信を持っていても、体調や環境により急性アルコール中毒の症状に陥ることもあります。
ここでは、令和5年中の東京消防庁管内での、急性アルコール中毒にまつわる救急活動の傾向とともに、安全で楽しいお酒を飲むための注意点や、万が一の事態に遭遇した時の応急処置方法などをご紹介します。
下のグラフは、東京消防庁管内で発生した、過去5年間の急性アルコール中毒による救急搬送人員の推移を表したものです。 令和5年は13,906人であり、新型コロナウイルスの感染拡大前の令和元年と比較すると約2/3となっています。
令和元年 | 令和2年 | 令和3年 | 令和4年 | 令和5年 | |
---|---|---|---|---|---|
男性 | 11,351人 | 6,801人 | 5,321人 | 6,645人 | 8,096人 |
女性 | 6,861人 | 4,490人 | 3,630人 | 4,909人 | 5,810人 |
合計 | 18,212人 | 11,291人 | 8,951人 | 11,554人 | 13,906人 |
令和5年の月別の推移を見てみると、気温が高く発汗作用が働く時期や冬の忘年会シーズンに救急搬送人員が多くなっています。その他の月は横ばいになっていることがわかります。
急性アルコール中毒で搬送された人を年代別に見てみると、男女ともに20歳代の人数が抜きんでて多いことが分かります(表2)。理由として、経験の浅さから自分の適量が分からず、過度の飲酒をしてしまうことなどが考えられます。一緒に飲んでいる周りの人も、節度ある飲酒について注意を払うことが重要です。
アルコールは、摂取量によっては死亡することもあります。たかがお酒、されどお酒です。昨年は、36人の方が重症(生命の危険が強いと認められるもの)以上でした(表3)。
重症以上 | 中等症 | 軽症 | |
---|---|---|---|
搬送人員 | 36 | 3,227 | 10,643 |
アルコール中毒にならないためには、どのようなことを注意すればよいでしょうか。
過度の飲酒による事故を予防することが第一ですが、
もし身近で事故が起こってしまった場合には・・・
倒れている人をみたら(応急手当の手順) |