2 法令改正の概要
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主な改正点 |
防火管理が義務付けられる防火対象物のうち一定のものの管理権原者に以下の事項が義務付けられます。
- 統括管理者、班長等で構成された自衛消防組織を設置し、火災、地震等の災害が発生した場合の活動を行わせること。
- 防災管理者を選任し、防災管理上必要な業務を行わせること。
- 防災管理者に防災管理に係る消防計画を作成させ、地震等の災害に備えた避難訓練を年1回以上実施すること。
- 防災管理者に防火管理者の行う防火管理上必要な業務を行わせること。
- 防災管理点検資格者に防災管理上必要な業務が適正に行われているか、毎年点検を行わせ、消防署に報告すること(特例認定を受けた場合を除く。)。
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施行日は、平成21年6月1日となります。
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消防法第8条が該当となる防火対象物で、以下の用途、規模に該当するものが自衛消防組織の設置及び防災管理の対象(以下「防災管理対象物」という。)となります。
- 令別表第1(1)項から(4)項まで、(5)項イ、(6)項から(12)項まで、(13)項イ、(15)項及び(17)項(以下「対象用途」という。)に掲げる防火対象物(共同住宅、倉庫、格納庫は含まれません。)で以下のいずれかに該当するもの
- 地階を除く階数が11以上で、延べ面積1万平方メートル以上
- 地階を除く階数が5以上10以下で、延べ面積2万平方メートル以上
- 地階を除く階数が4以下で、延べ面積5万平方メートル以上
- 令別表第1(16)項に掲げる防火対象物で、対象用途を含むもので以下のいずれかに該当するもの
- 対象用途が11階以上にあり、対象用途の床面積の合計が1万平方メートル以上
- 対象用途が5階以上10階以下にあり、対象用途の床面積の合計が2万平方メートル以上
- 対象用途が4階以下にあり、対象用途の床面積の合計が5万平方メートル以上
- 令別表第1(16の2)項に掲げる防火対象物で、延べ面積が1,000平方メートル以上のもの
(注)
- 同一敷地内に管理権原が同一の建物が複数ある場合には、それらの建物を一の建物として義務を判断します。
- 建物内の事業所等の規模ではなく、防火対象物全体で、義務の判断を行います。
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法令改正の対象となる防火対象物
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対 象 用 途 |
劇場等 (1)項 |
風俗営業店舗 (2)項 |
飲食店等 (3)項 |
百貨店等 (4)項 |
ホテル等 (5)項イ |
病院・社会福祉施設等 (6)項 |
学校等 (7)項 |
図書館・博物館等 (8)項 |
公衆浴場等 (9)項 |
車両の停車場等 (10)項 |
神社・寺院等 (11)項 |
工場等 (12)項 |
駐車場等 (13)項イ |
その他の事業場 (15)項 |
文化財 (17)項 |
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+ |
規 模 |
@階数が11以上の防火対象物
延べ面積1万平方メートル以上 |
A階数が5以上10以下の防火対象物
延べ面積2万平方メートル以上 |
B階数が4以下の防火対象物
延べ面積5万平方メートル以上 |
(階数は、地階を除く)
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地下街(16の2)項
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+
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延べ面積1千平方メートル以上
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複合用途防火対象物(16)項の場合 |
対象用途に供する部分が・・・ |
→ |
防火対象物の対象用途に供される部分の 床面積の合計が・・・ |
@11階以上の階にある防火対象物 |
→ |
1万平方メートル以上 |
A5階以上10階以下の階にある防火対象物 (=11階以上にはない) |
→ |
2万平方メートル以上 |
B4階以下の階にある防火対象物 (=5階以上にはない) |
→ |
5万平方メートル以上 |

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(2) 自衛消防組織(法第8条の2の5)
- 自衛消防組織の設置
防災管理対象物の中で、対象用途の管理について権原を有する者に、火災、地震等の災害時における消火活動、消防機関への通報、避難誘導等の業務を行う自衛消防組織の設置が義務付けられました。この自衛消防組織は、組織を統括する統括管理者と自衛消防業務を行う自衛消防要員で構成します。なお、自衛消防組織の業務ごとに「班」と「班長」などを設ける場合があります。
防災管理対象物に対象用途の管理権原者が複数あるときは、共同して一の自衛消防組織を設置します。
- 自衛消防組織の要員の基準
自衛消防組織には統括管理者及び次に掲げる業務ごとに、それぞれおおむね2人以上の自衛消防要員を置かなければなりません。
ア 火災の初期の段階における消火活動に関する業務(初期消火班)
イ 情報の収集及び伝達並びに消防用設備等その他の設備の監視に関する業務(通報連絡(情報)班)
ウ 在館者が避難する際の誘導に関する業務(避難誘導班)
エ 在館者の救出及び救護に関する業務(応急救護班)
統括管理者は、自衛消防組織を統括します。統括管理者には、自衛消防業務講習修了者その他一定の資格や必要な学識経験を有する者とする必要があります。なお、防災センター要員講習修了者は、追加講習を受講することで、自衛消防業務講習修了者と同等の資格を得ることができます。
→ 自衛消防業務講習についてはこちら
自衛消防組織に内部組織を編成する場合は、各内部組織の業務の内容及び活動の範囲を明確にするとともに、内部組織を統括する者(班長)を置く必要があります。この内部組織を本部隊に置く場合に、アからエに掲げる業務を分掌する班の班長(告示班長)には統括管理者と同様の、自衛消防業務講習修了者等の有資格者である必要があります。
また、自衛消防業務講習修了者は、講習を修了した日以後における最初の4月1日から5年以内ごとに自衛消防業務再講習を受講する必要があります。
自衛消防組織の編成例
- 自衛消防組織の業務
自衛消防組織の業務としておおむね以下の事項を消防計画(防火管理に係る消防計画と防災管理に係る消防計画)に定め、火災の初期段階における消火活動、消防機関への通報、在館者が避難する際の誘導その他の火災その他の災害の被害の軽減のために必要な業務を行います。
- 防火管理に係る消防計画に定める事項
- 共通事項
- 火災の初期の段階における消火活動、消防機関への通報、在館者が避難する際の誘導その他の火災の被害の軽減ために必要な業務として自衛消防組織が行う業務に係る活動要領に関すること。
- 自衛消防組織の要員に対する教育及び訓練に関すること。
- その他自衛消防組織の業務に関し必要な事項
- 共同して置く自衛消防組織に関する事項
- 自衛消防組織に関する協議会の設置及び運営に関すること。
- 自衛消防組織の統括管理者の選任に関すること。
- 自衛消防組織が業務を行う防火対象物の範囲に関すること。
- その他自衛消防組織の運営に関し必要な事項
- 防災管理に係る消防計画に定める事項
- 共通事項
- 関係機関への通報、在館者が避難する際の誘導その他の火災以外の災害の被害の軽減のために必要な業務として自衛消防組織が行う業務に係る活動要領に関すること。
- 自衛消防組織の要員に対する教育及び訓練に関すること。
- その他自衛消防組織の業務に関し必要な事項
- 共同して置く自衛消防組織に関する事項
- 自衛消防組織に関する協議会の設置及び運営に関すること。
- 自衛消防組織の統括管理者の選任に関すること。
- 自衛消防組織が業務を行う防火対象物の範囲に関すること。
- その他自衛消防組織の運営に関し必要な事項
- 自衛消防組織の設置の届出
防災管理対象物の対象用途の管理権原者は、自衛消防組織を設置したとき及び変更したときは、遅滞なく自衛消防組織の要員の現況等を、自衛消防組織設置(変更)届出として管轄の消防署に届け出る必要があります。届出はすべての管理権原者に義務付けられますが、防災管理対象物全体で一の自衛消防組織を設置することから、届出者は連名又は代表者とすることも可能です。
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