物品販売店舗の全焼火災において、アルバイト従業員が16名の客を無事に避難誘導した事例
用途等 | 物品販売店舗(4項) 地上2階 | 出火場所 | 1階 階段下倉庫 | ||
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焼損程度 | 建物全焼 | 出火時間帯 | 昼 | ||
けが人等 | なし | ||||
出火原因 | 不明 | ||||
自衛消防活動の状況※ | |||||
発見 | 従業員(アルバイト。以下同じ)Aは、1階で取引先の社員Bと話をしていたところ、1階階段下から白い煙が出ているのを発見したため、「火事だ」と叫んだ。 | ||||
通報 | 客Cは、1階のレジにいたところ、「火事だ」と叫ぶ声を聞き階段下を見ると煙が出ていたので、近隣の消防署に駆け付け「火事だ」と通報した。 | ||||
1階のレジにいた従業員Dも同消防署に駆け付け、客Cが先に駆け付けて通報しているのを確認した。 | |||||
初期消火 | 従業員Eは、1階で「火事だ」と叫ぶ声を聞き、1階階段下倉庫を確認すると炎を確認したため、現場に行き、消火器で消火を試みたが消火に至らなかった。 | ||||
1階売場奥にいた従業員Fは、「火事だ」と叫ぶ声を聞き、売場の消火器を搬送して、従業員Eに続いて消火を試みるも消火に至らなかった。 | |||||
避難誘導 | 従業員A、F、G、Hは、1階の客6名を、正面出入口から避難させた。 | ||||
従業員I、Jは、2階の客10名を、屋内階段を使用して正面出入口から避難させた。2階では、カーテンで仕切られた奧のコーナーにも確認に行き、中にいた客を避難させた。 | |||||
防火管理上の問題点 | |||||
施錠管理することなく、階段下の死角になりやすい場所に、商品やトイレットペーパー等を保管していました。 | |||||
防火管理上の推奨点 | |||||
火災発生時、防火管理者(店長)は不在であったにもかかわらず、店内にいた8名の従業員全員で連携を図り、通報、消火、避難誘導等の活動を行いました。 特に避難誘導に関しては、2階の客数名が避難した後、奥のコーナーにまだ客が残っていることを見逃さず、避難を呼びかけました。 |
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防火管理上のポイント | |||||
1 放火防止の観点から、階段下や建物外周部等の死角になりやすい場所には、可燃物等を置かない又は施錠管理等を行ってください。 | |||||
2 火災発生時には、在館する全従業員が適切な任務分担を行い、連携して、通報、消火、避難誘導等の活動を行ってください。 | |||||
3 防火管理者の皆さんは、自己の在・不在にかかわらず、従業員が常に消防計画に基づいた通報、消火、避難誘導等の活動を適切に行えるように、防火・防災教育や自衛消防訓練を定期的に実施し、災害発生時の対応に関する知識や技術の維持及び向上に努めてください。 |
自衛消防活動の状況は、関係者からの聞き取りによるものです。

問合せ先
- 防火管理課