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東京消防庁

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ホテル客室の天井・内壁が焼損した
火災において、4名の従業員により
65名の利用客を避難誘導した事例

用途等 ホテル(5項イ) 地上8階 出火場所 5階 客室内サウナ室
焼損程度 建物部分焼 出火時間帯 深夜
けが人等 1名(気道熱傷、軽症)
出火原因 客室内のサウナで、利用客が電源を入れずに防護格子にバスタオルを干していたが、後から入室した別の利用客が電源を入れたことにより、サウナヒーターに接触していたバスタオルから出火したもの
自衛消防活動の状況※
発見 フロント従業員Aは、自動火災報知設備のベルが鳴動し、1階フロント内の受信機が「5階客室」を表示していたため内線で客室に連絡した。
 同室の利用客のBとCは、たばこの煙による誤報であると思い、その旨を告げ電話を切った。その後、不安に思った利用客Cがサウナ室を確認すると、サウナ室から煙と炎が出ているのを発見した。
通報 フロント従業員Aは、利用客Cから内線でサウナ室から火が出ていると連絡を受け、ホテルの固定電話から119番通報をした。
初期消火 従業員Dは、2階従業員室で休憩中にフロント従業員Aから火災を知らされたため、従業員室に置いてある消火器1本を持ち5階客室の確認に行ったところ、サウナ室の通気口から火が出ていた。
 1度通気口に向けて噴射し、その後、サウナ室の扉を開けて内部へ向けて数回噴射し、消火器1本で消火した。
避難誘導 出火時、ホテルには33室69名(従業員4名、利用客65名)が在室しており、フロント従業員Aは、内線で各部屋に連絡しそれぞれ避難を呼び掛けた。
従業員D、E、Fは、応答のない部屋のロックを強制開錠し直接避難を呼び掛けた。
利用客は、従業員の指示に従い、屋外階段を利用して避難した。
 6階の利用客の女性1名が、避難の際に煙を吸って受傷した(気道熱傷、軽症)。
 消防隊到着時には、道路及びロビーに多数の利用客が避難完了していた。
防火管理上の推奨点
フロント従業員が中心となってその他の従業員に指示を出し、通報、消火、避難誘導等を適切に任務分担して迅速に行った結果、初期消火に成功し、多数の利用客を避難誘導しました。
防火管理上のポイント
防火管理者の皆さんは、従業員が常に消防計画に基づいた通報、消火、避難誘導等の活動を適切に行えるように、その内容を周知徹底するため、防火・防災教育や自衛消防訓練を定期的に実施し、災害発生時の対応に関する知識や技術の維持及び向上に努めてください。

※自衛消防活動の状況は、関係者からの聞き取りによるものです。




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