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東京消防庁

東京消防庁 > 安全・安心情報 > 事業所向けアドバイス > 自衛消防活動の事例 > 事例詳細

研究所で発生した火災において、
隊長を中心に
組織的な自衛消防活動が的確に行われ、
約90名の従業員が迅速に避難した事例

用途等 事務所(15項) 地上3階地下1階 出火場所 地下1階 分析室
焼損程度 建物ぼや 出火時間帯
けが人等 なし
出火原因 実験台と壁の間に挟み込まれた延長コードが短絡して出火したもの
自衛消防活動の状況※
発見 地下1階で勤務中だった従業員Aは、分析室の中から炎が上がっているのをドア越しに発見し、従業員Bと従業員Cに火災を知らせた。
初期消火 従業員Bと従業員Cは粉末消火器2本を現場へ搬送し、そのうちの1本を従業員Bが使用して初期消火を行ったところ、炎は収まった。
通報 騒ぎを聞きつけて現場へ駆け付けた従業員Dは、途中で出会ったセンター長(自衛消防隊長)Eから通報するように指示を受け、事務室に戻り固定電話を使用して119番通報を行った。
避難誘導 1階事務室内の受信機で発報箇所を確認し、現場確認に向かったセンター長(自衛消防隊長)Eは、同様に現場近くへ駆け付けた従業員Fに館内の従業員に避難を呼びかけるよう指示した。
 指示を受けた従業員Fは放送設備を使用して避難を呼びかけた。
 消防隊到着時には全従業員(約90名)の避難が完了していた。
防火管理上の問題点
延長コードが長期間にわたって実験台と壁の間に挟み込まれており、本状況を確認することなく、使用を継続していました。
防火管理上の推奨点
火災発見から、現場確認、消火器による初期消火、119番通報、社内放送による避難誘導、消防隊到着時における消防隊への情報提供まで一連の行動が消防計画に定められたとおり的確であり、自衛消防隊長を中心に組織的な自衛消防活動が行われました。
防火管理上のポイント
  • 1 電気器具の配線の劣化、損傷等のほか、圧迫等の使用状況についても自主検査チェック表を用いて定期的に確認してください。
  • 2 防火管理者の皆さんは、電気コード等からの出火危険を従業員等に周知し、日頃から電気器具の使用状況の確認や配線等の点検を実施するよう教育してください。
  • 3 災害時、自衛消防隊が組織的に活動するためには、日頃の防火・防災教育や自衛消防訓練を通じて、各従業員(自衛消防隊員)が自己の任務とその活動内容について熟知することが大切です。
    特に自衛消防隊長は、組織的な災害対応のために、隊員等に具体的な指示・命令を行い、自衛消防隊を統率する重要な役割を担っていることを十分認識し、隊員の教育のみならず自身の知識・技術の研磨に努めてください。

※自衛消防活動の状況は、関係者からの聞き取りによるものです。




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