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東京消防庁

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駐車場の屋上で発生した車両火災において、屋内消火栓設備3基、粉末消火設備(移動式)1基を使用して初期消火を行った事例

用途等 駐車場(13項イ) 耐火8/0 出火場所 6階 屋上
焼損程度
けが人等
車両3台

男性6名、女性1名…(軽症)

出火時間帯
出火原因 トラッキング現象
自衛消防活動の状況※
発   見 2人組の通行人A及びBが、駐車場の屋上で、駐車中の車から煙が上がっているのを発見した。
現場駆付け 通行人Aが、非常電話(※自動火災報知設備の発信機を兼ねている。)により防災センターへ連絡したことにより、連動して、自動火災報知設備が作動した。

通行人Aからの連絡を受けて、駐車場管理室勤務員Cは、現場確認に向かった。

通   報 通行人A及びBは、屋上に来た駐車場管理室勤務員Cに、火災状況等を伝えた。

駐車場管理室勤務員Cが確認すると車両から火炎が上がっていた。

駐車場管理室勤務員Cは、防災センターで待機している防災センター要員Dに無線により連絡し、119番通報を依頼した。

依頼を受けた防災センター要員Dは、防災センター備え付けの電話で119番通報した。

初期消火 防災センター要員Dは、施設職員に無線により火災発生を伝達し、可能な限りの対応人員の招集と初期消火を指示した。

指示を受けて、施設職員(警備員やビル職員等)総勢20名が駆け付け、屋上にある屋内消火栓設備3基、粉末消火設備(移動式)1基を使用して初期消火を実施した。

避難誘導 防災センターからの館内放送や警備員による拡声により、火災の発生を周知するとともに、駐車場への新たな車両の入場を規制し、火災発生現場周辺に、人や車両が近づくことを防いだ。
防火管理上の問題点
初期消火活動により、煙を吸い込み受傷した者が7名(いずれも軽傷)発生したこと。
防火管理上の推奨点
  1. 無線機を活用して、施設職員全員に火災発生と応援要請を周知し、現場に駐車場管理室勤務員、防災センター要員、警備員、ビル職員等20名以上の職員が駆け付け、各人の職位は違うがそれぞれが連携して、通報から初期消火、避難誘導、消防隊への情報提供、消防隊への引き継ぎに至るまで一連の自衛消防活動を迅速に行ったこと。
  2. 隣接する4つの事業所が連携し、屋上に設置されている消防用設備等(屋内消火栓設備・粉末消火設備(移動式))を有効に活用した消火活動を行うなど、協力して火災対応を行ったこと。
防火管理上のポイント
  1. 火災発生時には、在館する全従業員が適切な任務分担を行い、連携して、通報、消火、避難誘導等の活動を行ってください。
  2. 消防用設備等は火災から生命、身体、財産を守る重要な設備機器であり、火災発生時において安全かつ確実に機能するよう適正に維持管理するとともに、建物に設置されている消防用設備等の性能や機能を把握しておくことはもちろん、自衛消防訓練を通じて実際にこれらの消防用設備等を操作し、取扱い方法等を習得しておいてください。

※自衛消防活動の状況は、関係者からの聞き取りによるものです。

6階略図と火災発生時の在館者の動き(イメージ)

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