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東京消防庁

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社会福祉施設において、1階居室内から
出火した火災に際し、初期消火並びに
適切に入居者の避難及び人員管理を行った事例

用途等 (6)項ロ(社会福祉施設)耐火造2/0 出火場所 1階 居室
焼損程度
けが人等
ぼや

なし

出火時間帯
出火原因 不明
自衛消防活動の状況※
発   見

1階で休憩中だった職員Aは、自動火災報知設備のベルが聞こえたので現場確認に向かった。現場付近へ来ると煙が部屋から出ており、居室内には誰もいなかったため、大きな声で「消火器!」と叫び、1階湯沸室内にある消火器を持って再度現場へ駆けつけた。

また、同様に1階事務室にいた職員Bは現場で煙を確認後、事務室へ戻り消火器を持って再度現場へ向かい、1階食堂にいた職員Cも事務室にある自動火災報知設備受信機を確認後、廊下に設置されている消火器を持ち、現場へ駆けつけた。

通   報 自動火災報知設備と連動している火災通報装置により119番通報が行われた。
初期消火

現場へ駆けつけた職員A及びBは、室内に黒い煙を認め、さらにベッドを囲んでいるカーテン越しに炎が上がるのが見えたため、2名で消火器による消火を行った。その後、職員Cも駆けつけ、3名で消火器による消火中にスプリンクラーが作動し、消火に成功した。

避難誘導

職員Bは、消火確認後に事務室に戻り館内放送を使って全館避難を呼び掛け、2階の避難誘導を行った。その後、スプリンクラー設備の制御弁を閉鎖し、水損(消火水による2次被害のこと)防止を図っている。

職員A及びCは、現場に集まってきた施設利用者を屋外へ避難誘導した。その後、1階・2階の避難誘導を行った。

その後、施設利用者の部屋割り表を活用して点呼を実施し、施設利用者の逃げ遅れた者がいないか確認した。

防火管理上の推奨点
  1. 火災を発見してすぐ「消火器!」と叫んでおり、職員と施設利用者に対して火災が発生したことを周知したこと。
  2. 職員3名が消火器の位置を把握しており、迅速に消火器を持って現場へ駆けつけたこと。
  3. 消火後も万が一に備えて速やかに避難誘導に移行し、役割分担することで複数の活動を同時に進行したこと。
  4. 屋外へ避難完了後、施設利用者の部屋割り表を活用し、逃げ遅れた者がいないか確認したこと。
  5. 消火完了後、速やかにスプリンクラー設備の制御弁を閉鎖し、水損防止を図ったこと。
防火管理上のポイント
  1. 火災発生時は危険側に立ち、火災の延焼拡大を考慮して早期に火災発生を在館者及び利用者等に知らせ、いち早い避難を考慮します。
  2. 日頃から自衛消防訓練や防火防災教育を実施し、火災発生時に適正に自衛消防活動が行われるようにしましょう。

※自衛消防活動の状況は、関係者からの聞き取りによるものです。

建物の略図と火災発生時の職員の動き(イメージ)

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