車両火災において近接するマンション居住者が屋内消火栓設備を活用し、初期消火を実施した事例

用途等 住宅 耐火 6/0 出火場所 路上の車両
焼損程度
けが人等
トラック荷台、オートライナー各若干焼損
なし
出火時間帯
出火原因 走行中のトラックの荷台に積載した稼働中のオートライナー(道路舗装施工機器)の加熱部分に紙製の型紙が接触し、出火したもの。
自衛消防活動の状況※
発見

 道路舗装施工業作業員Aは、作業現場に向かうためトラックを運転していると、車内のミラーでトラック荷台から火が上がっていることを確認した。Aは、路上に車両を停車、下車し、積載したオートライナー等が燃えていることを発見し、初期消火するとともに、付近住民に助けを求めた。
 Aの助けを求める声を聞いたマンションの居住者4名は、当該車両に駆け付けたところ、荷台が燃えていることを確認した。

通報  付近にいた通行人Bは、トラック荷台から炎が上がっていることを確認し、自身の携帯電話から119番通報をした。
初期消火

 下車したAは、荷台のオートライナーに取り付けられているガスボンベの閉鎖状況を確認し、離脱するとともに、積載していた危険物(ガソリン携行缶1缶及びLPガスボンベ3本)を路肩に降ろした後、荷台に積載されているほうきを使用し消火しようとしたが、消火に至らなかった。
 現場に駆付けたマンションの居住者4名は、当該マンションに設置されている屋内消火栓設備(易操作性1号)を活用し、1階消火栓箱から約20mホースを延長し初期消火を行った。
 また、路肩に置かれた危険物を路肩の安全な場所に搬送し、二次災害を未然に防いだ。

避難誘導

 なし

防火管理上の推奨点
  1.  当該防火対象物外での災害にも関わらず、屋内消火栓設備を活用して、初期消火を行い、操作方法も適正であったこと。
  2.  居住者の連携により、スムーズかつ効果的な消火活動が行われたこと。
  3.  ガソリン携行缶及びLPガスボンベを危険物だと判断し、運転手と居住者が協力して、安全な場所まで搬送し二次的被害を未然に防いだこと。
防火管理上のポイント
  1.  自分の建物でなくても火災を発見したら、この事例のようにできる範囲で自衛消防活動を実施するようにしましょう。
  2.  消火器のみでは消火できないと判断した場合は、屋内消火栓等を活用した初期消火活動を行いましょう。 この場合、起動ボタン及び開閉バルブの操作を忘れがちであるので注意しましょう。
  3.  屋内消火栓による放水は、過剰注水による水損に留意するとともに、避難時期を失しないよう常に退路を確保しておきましょう。
    なお、屋内消火栓のポンプ停止は、起動ボタンを戻し、機械室等にあるポンプ制御盤の停止ボタンにより行いましょう。
     

自衛消防活動の状況は、関係者からの聞き取りによるものです。

【車両と近接マンションの略図と火災発生時の動き(イメージ)】

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問合せ先

  • 防火管理課