このページは、新 消防雑学事典 二訂版(平成13年2月28日(財)東京連合防火協会発行)を引用しています。
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当時ロンドン・タイムスの東京支局長であったフランク・ホーレー氏は 「法隆寺は外国人にとっても非常に興味を持たれ、こんどの戦争中もフランスではパリ大学のオーボァイエという若い婦人が“金堂の研究”を発表、アメリカでも最近ワシントン博物館のアッカー氏が、日本での金堂研究を翻訳して出版したところ、大変売れ行きが良かったというほどで、こうした人たちが法隆寺が焼けてしまったと聞いたらどんなに悲しむことか。 ・・・日本人はこうした“貴重なもの”の取扱いが全く下手でデタラメだ」と語っています。(1月27日の朝日新聞より) 法隆寺金堂の火災があって間もなく、国家消防庁長官(現総務省消防庁長官)は文部次官にあてて「国宝建造物等の防火態勢強化について」という通達を送り、その前文で「先般の法隆寺金堂の出火については、当庁においても早速係員を派遣し、現地調査すると共に、現存するこの種国宝の一部について検討せしめた所、その防火態勢はいずれも憂慮すべき状態にあり、今後大いに改善を図る必要が痛感された次第である」と述べています。 このような背景から、文化財防火デーが、昭和30(1955)年1月26日に定められ、これに関する文書が、国家消防本部(現総務省消防庁)と文化財保護委員会の連名で出されました。
ところで文化財には、有形文化財、無形文化財、民俗文化財、記念物および伝統的建造物群(文化財保護法第二条)がありますが、国宝とされるものは、有形文化財のうち重要なものとして重要文化財に指定され(指定者は文部大臣)、かつ、世界文化の見地から価値が高く、類ない国民の宝たるものに限られています。 平成5年12月、法隆寺が、世界文化遺産として登録されました。これは、法隆寺が世界最古の木造建築物であることに由来しています。 また、平成6年11月1日から、法隆寺の焼損壁面が、45年ぶりに一般公開されましたが、これは、法隆寺が世界文化遺産に登録されたことや、金堂修復40周年を記念してのものだといわれています。 |