第6章 日常生活の事故防止
基本科目
防火・防災
達成目標
- 日常生活事故について最新の情報を知っており、事故防止対策について説明できる。
- 東京消防庁では、日常生活の中で起きる様々な事故により救急搬送された事案を分析し、その特徴と予防のポイントについて、都民に注意喚起をしています。
- ここでは、みなさんに注意して欲しい日常生活事故を3点あげました。これまで、学んできた日常生活の事故防止に加えて、注意をしていきましょう。
最新の情報については、東京消防庁のホームページで調べましょう。
1 スポーツ時のケガ
中学・高校生は、比較的日常生活の事故の発生が少ない世代です。しかし、人に接触する、ボールにぶつかる等、スポーツ時にケガをすることが多い傾向にあります。
(1)こんな事故が起きています
転落した事例
- 少年野球の練習中、建物の屋根(約3m)に上がったボールを取りに行き、誤って転落した。(重篤)
ぶつかった事例
- サッカーの試合中に右大腿部が相手選手の膝とぶつかり、 動けなくなった。(中等症)
(2)事故を防ぐために
- ウォーミングアップやストレッチは入念に。
- お互いに、普段の練習や競技の前には事故防止の注意喚起を行うとともに、不測の事態に備え、応急手当、AED(自動体外式除細動器)の使用方法等を確実に身に付けましょう。
2 歩きスマホは危険です!!
駅、道路などで、歩きながらや自転車に乗りながら、携帯電話、スマートフォンやタブレット端末などを操作していて、事故にあい、救急搬送されています。
人や物に「ぶつかる」、「転ぶ」、階段やホーム等から「落ちる」などの事故が発生し、中には重症を負った方もいます。
(1)こんな事故が起きています
ぶつかった事例
- 携帯電話で通話しながら路上を歩行中、電柱にぶつかり右眉部を受傷した。【中等症】
- 歩行中に携帯電話を見ていたところ自動ドアに前額部をぶつけ受傷した。【軽症】
- 飲酒後に携帯電話を操作しながら自転車に乗って帰宅途中、誤って電柱に衝突し受傷した。【軽症】
- 携帯電話でメールを打ちながら自転車を運転中、路上に停車中の乗用車後部に追突、転倒し受傷した。【軽症】
転んだ事例
- 携帯電話でメールをしながら歩行中、歩道上の柵についているチェーンに引っかかり転倒し受傷した。【軽症】
- 携帯電話を操作しながら階段を上っていたところ、つまづいて転倒し、前額部を受傷した。【中等症】
- 自転車で走行中、出勤時間に間に合わないと焦り、携帯電話で時間を確認した際、前方不注意になり、歩道にある花壇の石につまずき転倒し受傷した。【軽症】
駅ホームから転落した事例
- 駅のホームで携帯電話を操作しながら歩行中、線路上へ誤って転落し受傷したもの。なお、接触はしなかったが、直後に電車の進入があった。【重症】
- 駅のホームで携帯電話を見ながら歩行中に誤って線路に転落し受傷した。【中等症】

(2)事故を防ぐために
- 歩行中や自転車で走行中に携帯電話やスマートフォン等を操作したり、画面を見ることは、周りが見えなくなり大変危険です。また、通話時にも事故は発生しています。立ち止まって安全な場所で行いましょう。
- 携帯電話やスマートフォン等を使用しながら運転している自転車と接触し受傷する事故も発生しています。歩行中や自転車で走行中は、自分自身がケガをするだけでなく、周囲の人にケガをさせたりする等、迷惑をかけているということを認識しましょう。
- また自転車を運転中の携帯電話やスマートフォン等の使用は禁止されています。
3 エアゾール缶使用時の引火事故に注意
エアゾール缶を使用した際に何らかの火源に引火した事故により、救急搬送される事案が発生しています。
エアゾール製品は、ヘアスプレー、ムース、デオドラント、シェービングクリーム、冷却スプレー、殺虫剤などに広く使用されています。
(1)こんな事故が起きています
ガスに引火した事故
- 密閉された自家用車内で冷却スプレーを自身の体に噴射しその後、車内でたばこに火をつけようとしたところ、ライターの火が滞留した可燃性ガスに引火し受傷した。(重症)
- 自宅2階の居室内で身体用冷感スプレーを使用直後、たばこを吸うためにライターの火をつけた際にライターの火が急に大きくなって受傷した。(重症)
- 台所で調理中、ゴキブリを駆除するため、ゴキブリ退治用エアゾール缶を噴射したところ、噴射したガスにコンロの火が引火し、受傷した。(軽症)
(2)事故を防ぐために
エアゾール缶には、LPGなどの可燃性ガスが噴射剤として使われている製品が多い。
- 使用する際は、炎に向けたり、炎や火気の近くで使用してはいけません。
- 直接火に向けてスプレーをしなくても、服に残ったガスなどに引火する可能性があります。
- 火気を使用している室内で大量に使用してはいけません。
- 製品に書かれた注意事項に従い正しく使いましょう。
火のそばで、エアゾール缶に穴を開けるのは、
とても危険です!!

問合せ先
- 防災安全課