バイスタンダー応急手当救命実例
~助けてくれてありがとう Part4~
尊い命を救うためには、「救命の連鎖」(心停止の予防・早い119番通報・早い心肺蘇生と除細動・救急隊、病院での処置)がとても重要です。
ここでは、バイスタンダー(救急現場に居合わせた人)として応急手当をしてくださった方の活躍の一部をご紹介します。
バイスタンダーの勇気と情熱ある救護活動に対し、深く感謝申し上げます。
応急手当を行う上での注意点
1 心肺蘇生を行う場合、次の項目に該当した時は、人工呼吸を省略し、胸骨圧迫だけを実施してください。
- 口対口の人工呼吸がためらわれる場合
- 血液や吐物などがある場合
- 人工呼吸用マウスピース等の準備に時間が掛かったりする場合

(一方向弁付き人工呼吸用具)
2 倒れている人の感染症の有無が不明な場合は、血液や吐物等には、直接触れないでください。
止血実施時は、ビニール手袋やビニール袋を使用します。


応急手当を行ったあとは、流水による手洗いやうがいを必ず行ってください。
★事例1
駅の改札前で…
会社に戻るため、駅改札を歩いていた男性が突然倒れました。通行人(主婦)がAEDを使用し、除細動※を1回実施し、騒ぎを聞き駆け付けた同僚と通行人(女性)が胸骨圧迫を行いました。他の通行人(女性)が気道確保を、通行人(看護師)が人工呼吸を実施したところ、救急隊が到着した時には呼吸と脈が回復し、目を開けるまでに意識が戻りました。
★事例2
フィットネスクラブで…
ランニングマシーンを使って走っていた男性が、突然倒れました。駆けつけたインストラクターがAEDを使用して除細動を1回実施し、ともに駆け付けた別のインストラクターが胸骨圧迫を行いました。
救急隊が引き継ぎ救急処置を継続したところ、病院に到着したころには呼吸と脈が回復しました。
★事例3
電車の中で…
走行中の電車内で胸の痛みを我慢していた男性が、意識障害を起こしました。乗客(医師と女性3名)が、停車した駅のホームに搬出し、乗客(医師)が心肺蘇生を行ったのち、AEDを使用して除細動を1回実施しました。
その結果、救急隊が到着した時には、話ができるまでに回復しました。
★事例4
中学校の玄関で…
中学校校舎入口に生徒が倒れているのを学校関係者(用務員)が発見しました。駆け付けた校長がAEDを使用して除細動を2回実施し、ともに駆け付けた教諭が心肺蘇生を行ったところ、救急隊が到着した時には呼吸と脈拍が回復し、病院に到着するころには手足を動かすようになりました。
★事例5
サッカーグラウンドで…
サッカーの試合中に男性が突然倒れケイレンを起こしました。連絡を受けたスポーツセンター職員がAEDを搬送し、居合わせたインストラクターが心肺蘇生を行った後、AEDを使用して除細動を1回実施しました。
その結果、脈拍が回復、救急隊が引き継ぎ救急処置を継続したところ、病院に到着するころには呼吸も回復しました。
★事例6
テニスコートで…
テニスプレー中の女性が、「気持ちが悪い」と訴えたのち倒れました。一緒にプレーをしていた友人が人工呼吸を実施、駆け付けたインストラクターが心肺蘇生を行ったのちAEDを使用し除細動を1回実施したところ、脈拍が回復しました。
その後、到着した救急隊が引継ぎ処置を継続した結果、呼吸も回復しました。
★事例7
コンビニエンスストアで…
店内で買い物中の男性が、突然倒れました。居合わせた買い物客(女性)が胸骨圧迫を行うなか、連絡を受けて駆けつけたビル警備員が、AEDを使用し除細動を3回実施したのち心肺蘇生を行いました。
その結果、救急隊到着時には声が出せるまでに回復しました。
除細動とは・・・
心臓がケイレンしたように細かくふるえて血液が拍出できない致死的不整脈(心室細動)に対し、電気ショックをかけることにより心臓のリズムを正常な状態に戻すための処置。
以前ご紹介した事例についてはこちらをご覧下さい。
また、関連ページもご覧下さい。
問合せ先
- 救急指導課