第9章 通報
- 火事になったら……キッズ団員
- 第9章 通報……ジュニア団員
- 第3章 通報……リーダー団員
この章の趣旨
- いざというときに正確な通報ができるように、通報要領を団員区分に応じて段階的に習得する。通報の仕組みを理解する。
基本科目 | 指導内容 | 達成目標 |
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通報 |
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キッズ団員用カリキュラム
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ジュニア団員用カリキュラム
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リーダー団員用カリキュラム
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1 火災を発見したら
火災を発見したり、万が一火災を起こしてしまったりしたら、最初にすることは、大声を出して『火事だー』と周囲の人に知らせることです。一人で火を消そうとしたり、怖くなって黙って逃げたりすると、火災の被害が増大する恐れがあります。周囲の人と協力して、通報、初期消火、避難誘導などの役割分担をし、火災に立ち向かうことが必要です。
もし、声が出なかったら、手近にある洗面器や鍋などをカンカンとたたいて大きな音を出すことも有効な手段です。
火災の他に、救急、救助等も「119番」で通報します。
2 119番通報の仕組み
(1)東京消防庁の119番通報
東京消防庁の災害救急情報センターで1年間に受付する119番通報の件数は103万件を超えています。1日にすると、約2,840件、およそ30秒に1件で誰かが通報していることになります。
東京消防庁の管轄区域内で119番通報をすると、23区では千代田区、多摩地域では立川市の災害救急情報センターにつながり、そこから災害現場に近い消防署の消防隊や救急隊に出場指令が出されます。
消防隊や救急隊が迅速に災害現場に到着するためには、住所や災害の内容などの正しい通報が必要です。
火災の通報義務
火災を発見した人は、消防に通報する義務があります。このことは、消防法第24条で火災発見者の通報義務として次のように定められています。
消防法第24条
火災を発見した者は、遅滞なくこれを消防署又は市町村長の指定した場所に通報しなければならない。
すべての人は、前項の通報が最も迅速に到達するように協力しなければならない。
なお、火災が発生していないにもかかわらず、虚偽の通報を行った場合には、「30万円以下の罰金又は拘留」が罰則として定められています(消防法第44条)。
火災が発生した場合には、その被害を最小限にくい止めるため、消防機関が早くその火災を知り、初期の段階で消火することが重要です。そこで、消防法では、火災の発見者に通報の義務を課しているのです。
119通報の仕組み


119番通報

119番の通報を受け、消防車や救急車などに出場の命令をしたり、コントロールするところです。
出場の命令

出場


(2)電話からの通報の仕方
いざという時に備えて、電話のそばに「自宅の住所、電話番号、名前、目標となる建物等」を書いたメモを準備しておくと安心です。自分の目の前で火災や事故が起きると、あわててしまって住所や電話番号などがわからなくなることがよくあります。落ち着いて、通報ができるように訓練を重ねましょう。
火災の場合の通報方法
災害救急情報センター | 通報者 |
---|---|
消防庁、火事ですか、救急ですか。 | 火事です。 |
消防車が向かう住所を教えて下さい。 | 千代田区大手町一丁目3番5号です。 |
何が燃えていますか。 | (例)居間のカーテンが燃えています。 (何が燃えているか具体的に伝えてください。) |
救急の場合の通報方法
災害救急情報センター | 通報者 |
---|---|
消防庁、火事ですか、救急ですか。 | 救急です。 |
救急車が向かう住所を教えて下さい。 | 千代田区大手町一丁目3番5号です。 |
どうしましたか。 | (例)父が突然倒れて、意識がありません。 (誰が、どうしたのかを伝えてください。) |
名前を教えてください。 (場合によって、電話番号をききます。) |
消防太郎です。 (電話は○○○○-○○○○です。) |
年間100万件を超える119番通報の中には、いたずら通報もあります。
本当に困っている人のところに消防隊や救急隊が素早く到着できるように、いたずら通報の根絶にご協力ください。

(3)携帯電話やPHSからの通報
携帯電話やPHSからも、119番通報をすることができます。
出かけているときに、携帯電話やPHSで通報するときは、目標となる建物や、住居表示等から住所を調べて119番通報をしましょう。消防隊や救急隊は、災害が発生した場所が正確にわからないと到着するまでに時間がかかってしまうことがあります。場所を特定するために、消防隊や救急隊から通報した人に電話をすることもあります。
(4)公衆電話からの119番通報のかけ方
公衆電話には、2つのタイプがあります。1つ目は、受話器を上げて発信音「ツー」という音が聞こえたら、そのまま119番をダイヤルするタイプです(デジタル公衆電話)。お金は、必要ありません。
2つ目は、受話器を上げて、10円または100円を投入すると発信音「ツー」という音が聞こえ、119番をダイヤルするタイプです(アナログ公衆電話)。アナログ公衆電話で、119番通報に使用したお金は通話が終わった時に戻ってきます。


3 ファクシミリからの通報の仕方
119番ファクシミリ通報は、ファクシミリから「119」をダイヤルし、送信することで緊急通報を行うものです。事前に登録する必要はなく、電話での119番通報が困難な場合などに利用できます。近くに電話(119番通報)ができる方がいる場合は、その方に通報をお願いしましょう。
ファクシミリの送り方
- 用紙をセットする。
- 局番なし119番をダイヤルする。
- 送信ボタンを押す。
救急車を呼んでいる場合は、東京消防庁から折り返し確認のファクシミリを送信します。ただし、火災通報の場合は、折り返しの連絡はしません。
ファクシミリ通報に記入すること
- 火災・救急の別
- 住所・建物名称
- 氏名
- 年齢
- どうしたのか?どこが痛いのか?
何が燃えているのか?具体的に説明しましょう。
どんな用紙でも、119番通報できます。
東京消防庁では、通報用紙のダウンロードができます。

4 緊急ネット通報

東京消防庁管内に在住または在勤・在学している方で音声(肉声)による119番通報が困難な方が、携帯電話、PHS、スマートフォンのウェブ機能を利用して、消防車や救急車の要請ができるものです。利用には、事前の登録が必要です。
5 自動通報制度
自動通報制度は、住宅用火災警報器の作動信号やペンダントを押すこと等で送信される信号によって、自動的に119番通報を行うことを承認する制度です。
この通報は、利用しようとする建物の状況などに応じて異なる仕組みのものがいくつか用意されていますが、それぞれに利用するための条件があり、住宅を対象とした主なものは、次のとおりです。
(1)救急直接通報
寝たきり、一人暮らしの高齢者や障害者などを対象に実施しているものです。このシステムは、家の中でケガや急病などにより、助けが必要になった場合、ペンダントなどのボタンを押すと直接東京消防庁に通報され、救急車などが出場するとともに、地域の協力員(近隣に住むボランティア)がかけつけ、救護にあたるというものです。
利用できる人
- おおむね65歳以上の一人暮らし又はお年寄りどうしの世帯の方で、慢性的な病気があり、日常生活を営む上で常に注意を必要とする方
- 18歳以上の一人暮らしなどの状況で、重度の身体障害者又は難病患者など

(2)住宅火災直接通報
お年寄りや身体の不自由な人などの家に設置してある住宅用火災警報器が火災を感知すると、直接東京消防庁に通報され、消防車が出場します。消防隊は必要に応じて、居住管理協力者(近隣に住むボランティア)を要請できます。
利用できる人
- おおむね65歳以上の一人暮らし又はお年寄りどうしの世帯の方で、心身機能の低下や居住環境などから、防火的配慮が必要な方
- 18歳以上の身体障害や知的障害をお持ちの方で、障害の程度が重く、緊急時の対応が困難な方

問合せ先
- 防災安全課