消防計画に定める事項について

防火管理者の行う業務のうち、特に重要なものは、「防火管理に係る消防計画」の作成・届出です。
「防火管理に係る消防計画」とは、それぞれの防火対象物やテナントにおいて、火災が発生しないように、また、万一火災が発生した場合に被害を最小限にするため、実態にあった計画をあらかじめ定め、職場内の全員に守らせて、実行させるものです。
「防火管理に係る消防計画」に定める事項は、おおむね以下のとおりです。
消防計画の適用範囲
消防計画を作成する上での根拠法令を明示し、消防計画に定めた事項がその事業所に勤務等するすべての人に適用されることを明確にします。
管理権原者及び防火管理者の業務と権限
管理権原者には最終的な防火管理責任があること、防火管理者には実施する防火管理業務の内容及び業務を遂行する権限があることを明確にします。
管理権原の及ぶ範囲
管理権原が分かれている防火対象物については、管理権原の及ぶ範囲を文章又は平面図等により図示し、明確にします。
収容人員の適正管理
用途、規模に応じた収容能力を把握し、収容人員を適正に管理する措置を講じます。
防火・防災教育
教育の対象者の特性等を踏まえ、防火管理者が実施担当者、実施時期を判断し計画的に行います。
火気の使用又は取扱いの監督
事業所の規模や業態に応じた出火危険を把握した上で、火元責任者等を組織し、出火防止業務や対策について定めます。
火災予防上の自主検査・点検
火災等の災害の発生を未然に防止するために、防火管理者等が自ら行う自主検査・点検について定めます。

消防用設備等の点検・整備
消防用設備等の法定点検や自主点検について定めます。一定規模の建物の法定点検及び整備には、資格が必要となる場合があります。
法定点検の実施時期
- 機器点検 6ヶ月ごと
- 総合点検 年1回
特殊消防用設備は「設備等設置維持計画」に定める期間
避難施設の維持管理
避難口、廊下、階段、通路などの避難施設が有効に機能するような管理方法を定めます。
避難の障害になる物品は置かず、置かれていることを発見した場合は除去します。
防火上の構造の維持管理
防火戸、防火シャッター等の設備等が、有効に機能するような管理方法を定めます。
放火防止対策
地域特性や周辺の火災状況を踏まえ、放火防止対策について定めます。過去の火災事例から、トイレ、倉庫、階段室など、人が出入りしない場所を重点とした対策を講じます。
工事中の安全対策
工事を行う際の防火安全対策を樹立します。工事中の消防計画の届出や工事人に遵守させることなどを定めます
防火管理業務の一部委託
防火管理業務の一部を第三者に委託する場合、委託業務の範囲・方法などを明確にし、適切に業務が推進されるための業務管理方法等について定めます。
自衛消防の組織
自衛消防隊を編成し、災害発生時の行動要領等の対策を立て、万一の場合に適切な措置がとれるようにしておく必要があります。

営業時間外の防火管理体制
通常の防火管理体制 と異なるため、通常時とは別に計画を立て、任務を定めます。
火災発生等の連絡を受けた防火管理者等は、直ちに駆け付けられるようにします。

自衛消防訓練の定期的な実施
火災、地震その他の災害が発生した場合の初期消火、通報連絡、避難誘導、救出・救護、消防隊への情報提供その他の自衛消防活動を効果的に行うための訓練について定めます。
訓練種別 | 訓練回数 | ||
---|---|---|---|
特定用途の防火対象物(※1) | 地下駅舎(※3) | 非特定用途の防火対象物 | |
消火訓練 | 年2回以上 (事前に消防署への通知が義務付けられています。)※2 |
消防計画に 定めた回数 |
|
避難訓練 | |||
通報訓練 | 消防計画に定めた回数 |
1 消防法施行規則第3条第10項
2 消防法施行規則第3条第11項
3 火災予防条例第50条の3第4項


地震、大雨等の発生時の自衛消防対策
地震、大雨、強風等に伴う災害(風水害)、大規模テロ等に伴う災害、防火対象物内での受傷事故等が発生した場合に、人的、物的被害を最小限にとどめるための対策を講じます。
○風水害対策- 台風や局地的な大雨による浸水等の被害に備え、ハザードマップ等により危険実態を把握します。
- 浸水の危険がある場合は、止水板や土のう等を準備します。
- 大規模テロ等に係る警報等が発令された場合等の自衛消防活動要領を定めます。
- 受傷者又は急病人の救命処置を主眼とした活動を行います。


震災対策
東京都震災対策条例に基づき定めなければならない事業所防災計画を、消防計画の中に 盛り込みます。

職場の地震対策
問合せ先
- 防火管理課