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東京消防庁インフォメーション危険物安全週間>身近な危険物の事故を防ぐために

身近な危険物の事故を防ぐために

身近な危険物や、危険物を含む可能性のある製品ごとに、事故を防ぐためのポイントをご紹介します。


ガソリン、軽油、灯油

ガソリンと軽油は自動車や発電機の燃料として、灯油は石油ストーブの燃料として使われる、もっとも身近な危険物です。

これらから出る可燃性蒸気は空気より重く、低い所に滞留します。可燃性蒸気と空気が混合して一定の割合になったものは、火源があると引火して一気に燃え広がるおそれがあります。取り扱う際は可燃性蒸気が滞留しないよう換気を行うとともに、周りに火気がないか確認しましょう。
 特にガソリンは常温で蒸発し、静電気の火花でも火災になることがあります。法令に適合した容器を使用し、栓をしっかり締めて直射日光の当たらない場所で保管することが重要です。

一方、液体の状態では水に溶けにくく、水より軽いのが特徴です。そのため、火災になった場合に水をかけると、水に浮いて広がってしまうおそれがあります。火災の際は、油火災に対応する消火器を使用しましょう。

ガソリンの静電気による引火実験

ガソリンの引火実験

ガソリンを誤給油した石油ストーブの火災実験

ガソリン携行缶を用いたガソリン噴出実験


アルコール

消毒用エタノールや酒類などのうちアルコール濃度が高いものは、危険物に該当する場合があります。容易にアルコールを入手できることから、キャンプなどで使用するストーブ(バーナー)の燃料としても利用されています。

ガソリンなどと同様に蒸発しやすく低所に滞留し、その蒸気と空気が混合したものは火種があると引火するおそれがあります。
 また、アルコールの炎は青白く、燃えていても明るい場所では見えにくいのが特徴です。

【火災事例】アルコールストーブを使用中に給油して出火した事故

使用中のアルコールストーブの炎が小さくなってきたため、火を消さずに燃料用アルコールを継ぎ足したところ、火の点いたアルコールが周囲に飛散して出火しました。

写真:アルコールストーブの燃焼状況(明るい場所)
アルコールストーブの燃焼状況(明るい場所)
写真:アルコールストーブの燃焼状況(暗い場所)
アルコールストーブの燃焼状況(暗い場所)

ウォッカ等のアルコール濃度の高い酒類による火災の危険性

キュータの火災予防ワンポイント・消毒用アルコール

消毒用アルコールによる火災の危険性@

消毒用アルコールによる火災の危険性A


オイル類

動物の脂や植物の種子、果肉から抽出したオイル(動植物油)の中には、危険物に該当するものがあります。
 オイルに含まれる不飽和脂肪酸は、酸化することで発熱します。そのため、オイルが染み込んだ布や紙を丸めたり重ねたりして放置すると、熱が蓄積し、自然発火することがあります。

そのため、オイルが染み込んだタオルや衣類などを乾燥機で乾燥させたまま放置すると、熱が外部に逃げずに蓄積し、自然発火することがあります。オイルが付着した布類は洗濯後に自然乾燥させるか、乾燥機を使用した場合はすぐに取り出し、山積みのまま放置しないことが重要です。

また、オイルを布や紙で拭き取った場合は、水にしっかり浸してから捨てましょう。

【事故事例】オイルが染み込んだタオルを乾燥後に出火した火災

マッサージ店で使用したタオルを洗濯し、乾燥機で乾燥してそのまま約5時間放置したところ、タオルに染み込んでいたオイルの成分である不飽和脂肪酸が酸化発熱し、蓄熱した余熱により出火しました。

写真:事故事例イメージ1

アマニ油等を含んだタオルから起こる自然発火の危険性


スプレー缶(エアゾール製品)

殺虫剤やパーツクリーナーなどスプレー缶に入った製品をエアゾール製品といい、缶内には内容物と噴射剤が封入されています。
 内容物には様々な効果をもたらす物質が混合されており、アルコール類など危険物に該当する物質が使用されているものもあります。
 噴射剤にはLPG(液化石油ガス)やDME(ジメチルエーテル)などの可燃性ガスが多く使用されており、火気の近くで使用すると大変危険です。居室など屋内でスプレー缶を使用する場合は、コンロやストーブなど火気に十分注意しましょう。

また、スプレー缶を廃棄する際にも火災が発生しています。
 必ず中身を使い切り、自治体が指定するごみの分別を守って捨てましょう。やむを得ず使い切らずに捨てる場合は、火気のない通気性の良い屋外で中のガスがなくなるまで噴射してから廃棄してください。

【事故事例】スプレー缶のガス抜きをした際に出火した火災

自宅の台所のシンクでスプレー缶のガス抜きをした際、スプレーから抜けた可燃性ガスが使用していたガスこんろの火に引火し、立ち上がった炎がレンジフードフィルターに燃え移りました。

写真:事故事例イメージ2

冷却スプレー使用後の引火による火災の危険性

エアゾール缶の危険性


リチウムイオン電池

リチウムイオン電池は充電して繰り返し使えることから、パソコンやスマートフォンのバッテリーなど幅広い製品に使用されています。

電池内には危険物に該当する電解液が含まれており、強い衝撃を与えたり、誤った方法で充電したり、無理に分解したりすると火災になるおそれがあります。火災を防ぐため下記の事項に注意しましょう。

  1. 購入する際は、電気製品が安全性を満たしていることを示す「PSEマーク」が付いている製品を選びましょう。また、モバイル機器の安全性向上に取り組む団体が行う評価試験に合格した製品には「MCPCマーク」が表示され、安全な製品を見極める目安となります。
  2. 各機器を購入した時に付属されている充電器やメーカー指定の物を使用しましょう。
  3. 接続部が合致するからといって、充電電圧を確認せずに使用するのはやめましょう。
  4. 膨張、異音、異臭などの異常が生じたものを使用するのはやめましょう。
  5. 充電が最後までできない、使用時間が短くなった、充電中に熱くなるなどの異常があった際には使用をやめて、メーカーや販売店に相談してください。
  6. 容易に取り外せない場所にある小型充電式電池は、無理に取り外すのはやめましょう。
  7. お住いの地域のごみ回収方法をよく確認し、可燃ごみや不燃ごみなどに混ぜて廃棄するのは、絶対にやめましょう。

出典:広報テーマ7月号(調査課)

リチウムイオン電池の実験映像

画像:PSEマーク・MCPCマーク

花火

夏の風物詩として楽しまれている花火。手で持つ小型の花火から、夜空に打ち上がる大型の花火まで、その形や大きさはさまざまです。
 おもちゃ花火(がん具用煙火)はコンビニやホームセンターなどで購入できる身近なものですが、花火の原料は火薬です。そこに美しい色を出すための薬剤が配合されており、中には危険物に該当するものも含まれています。

花火に書いてある遊び方をよく読み、火災やケガを防ぐため下記の事項に注意しましょう。また、子どもだけで遊ばす、大人と一緒に遊びましょう。

  1. 周りに可燃物や建物がない場所を選び、風の強い日は花火をやらない。
  2. 水を入れたバケツを用意する。使い終わった花火はバケツの中に入れて、完全に消火する。
  3. 正しい点火位置にろうそくや線香で火をつける(マッチ、ライター、花火は使わない)。たくさんの花火に一度に火をつけず、1本ずつ遊ぶ。
  4. 火のついた花火を人に向けたり、振り回したりしない。風下の人に火花がかからないように風向きに注意する。
  5. 花火の筒先に手や顔を出さない。特に、点火する時や途中で火が消えた時は注意する。
  6. 絶対に花火をほぐしたり分解したりしない。

参考:おもちゃ花火パンフレット(日本煙火協会)

花火の危険性


危険物について知識を深めよう!



このページに関する問合せ先:予防部 危険物課

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