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消防科学セーフティレポート

■ 45号(平成20年)
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高圧水駆動カッターに関する検証(第1報) エンジンカッターは、金属切断時に多量の火花が飛散するため、ガソリン等の可燃性ガスが発生している現場、また、酸欠現場や水中等の現場では使用できない場合がある。このような災害現場でも活用できる資器材として開発している高圧水駆動カッターの有効性について、試作機により検証した。(総務省消防庁主管「消防防災科学技術研究推進制度」の助成資金で民間企業と共同検証)
ガンタイプノズルとフォグガンの粒子径の測定について レーザーを用いた位相ドップラー粒子測定装置を使用して、ガンタイプノズル及びフォグガンの噴霧粒子径(ザウター平均粒子径)を測定した検証を行った。
ガンタイプノズルとフォグガンの同一水量による消火特性の検証 本検証はガンタイプノズルとフォグガンの消火特性の比較を行ったものである。
ガンタイプノズル運用時の各種放水隊形に関する検証 ホース4線延長隊形でガンタイプノズルを使用した場合及びその他のノズルと併用した場合などにおいて、有効な放水が可能か否かを検証した。
ガンタイプノズルのノズル圧力と放水量の関係について(ガンタイプノズル送水基準板の作成) 5段階の流量設定が行えるガンタイプノズルの圧力及び放水量の関係を把握し、ポンプ車の送水圧力算出の補助となる送水基準板を作成した。
ガンタイプノズルの流量制御及び噴霧放水に関する放水特性の検証 ポンプ送水圧力を一定に保った状態でガンタイプノズルの流量を切替えた場合の実験結果、流量切替えダイヤル及び放水展開角度を変えたときの射程距離及び放水半径等を測定した。
圧縮空気泡消火システムの消火効果の検証 消火活動における圧縮空気泡消火システムによる泡放射の有効性について、実際の建物を使用した消火実験を行った。
CAFSによる延焼阻止効果の検証 本検証は、圧縮空気泡消火システム(以下CAFSという)によるドライ泡の延焼阻止効果を把握するため、常温および受熱時における泡の付着性、耐熱性について検証した
感温性ポリマー水を消火剤とする背負い式消火器具の消火能力の検証 消火器の消火能力単位を求める試験方法を参考に行った。感温性ポリマー水を消火剤として使用する専用背負い式消火器具の消火能力の検証を行った。
防火衣の熱防護性能に関する検証 火災による甚大な火炎にばく露された場合を想定して防火衣の熱防護性能を把握し、消防活動中の火炎ばく露に伴う危険性と火炎ばく露を予期した対応策について検証した。
最適な排煙手法の検証 開口部2箇所の高さや位置関係を変化させた区画モデル4種に対し、各開口部からの給気排煙、排気排煙及び自然排煙について考慮した計16種類に検証種類をモデル化し、それぞれの区画内における煙濃度を比較検証した。
救急車走行時におけるメーンストレッチャー上の振動特性に関する検証 新たなメーンストレッチャーの使用を想定して走行中におけるメーンストレッチャーの防振効果、及び近年の救急車内における防振架台の有効性を検証した。
発光機能を持たせた航空救助員用装備品の安全性及び作業性に関する検証 夜間の航空救助活動における航空救助員の安全性及び作業性の向上を目的として、航空救助員用発光ベストを試作し検証した。
消防活動時における水分摂取が熱中症予防に及ぼす効果の検証 防火衣の性能向上に伴い、体熱放出が抑制され、消防隊員の熱中症発生の危険が高まっている。そこで、熱中症予防対策の一つとして、消防活動時におけるこまめな水分摂取が隊員の熱中症予防等に及ぼす効果を確認することを目的とした検証を行った。
火災室内の検索救助活動時における消防隊員の生理的・心理的変化に係る検証 熱環境下において活動する消防隊員の安全管理対策の拡充を図ることを目的として「20、50、60、65、70」℃の環境温度下で実際の検索救助活動を行い、火災室内進入時における隊員の生理的・心理的変化を検証した。
山岳地における救急活動に従事する救急隊員の負担軽減に関する検証 山岳地における救急活動は、急勾配で狭隘の環境下、長時間に渡る活動になることが多いため、現行の救急バッグでは隊員の身体負担が大きく、安全管理上にも問題がある。そこで、山岳地で活動に従事する救急隊からの意見・要望をもとに、安全性・身体負担の軽減・活動効率を考慮した、山岳地専用の救急ザックと背負子を試作し検証した。
心理的要因及び環境・状況に関する要因からみた消防活動及び訓練・演習時における受傷事故の原因に関する検証 消防活動時等において発生した受傷事故について、平成15年5月に「心理的要因報告」が受傷事故報告書に加えられた。その後4年間蓄積された受傷事故報告書を分析することにより、受傷事故の発生傾向を分析した。
地中等に漏えいした危険物の特定方法の確立 漏えい危険物を特定する今までの手法は、多量の試料採取を行った後、抽出や分離といった前処理が必要であった。加熱脱着装置付きガスクロマトグラフ質量分析装置を用いた新たな手法について検証を行った結果、採取する試料が微量でも早期に危険物を特定できることが可能となった。
泡消火薬剤が消火設備用配管に与える腐食の影響に関する検証 平成17年より、屋外タンク貯蔵所の固定泡消火設備(第3種)の点検方法に、泡消火設備を起動させる方法が加えられた。
そこで本検証では、泡消火薬剤が配管へ与える腐食の影響を検証し、@配管材質による腐食の受け方の違いA洗浄による腐食の抑制効果を明らかにした。
竪穴区画内における煙感知の有効性に関する検証 立体駐車場の複雑な内部構造により炎の光が遮られ、炎感知器では有効な感知ができない可能性がある場所において、レーザー光で煙を感知する方式を検討した。
光電式・定温式住宅用火災警報器の比較検証 煙式住宅用火災警報器及び熱式住宅用火災警報器を設置した室内で、比較的発煙量の多い食材を調理した場合の住宅用火災警報器の作動状況を確認した。
実大火災実験における住宅用火災警報器の有効性に関する検証結果 住宅用火災警報器を設置基準に基づき取り付けることの有効性について検証するため、実際の建物を使用した検証を行った。
自然発火機構に対する湿度の影響に関する検証(第2報) 油脂の発熱による自然発火危険性を評価する一手法として、油脂の自然発火性に対する温度と湿度の影響を検証した。その結果、不飽和脂肪酸含浸セルロース粉の酸化発熱は、温度20℃〜60℃、湿度25%〜100%の範囲では、最大発熱速度は温度よりも湿度の影響を強く受ける傾向にあることが明らかとなった。
火災調査現場において採取する微量ガス成分の分析による助燃剤検出方法の確立 低濃度の気体成分から助燃剤を特定する手法として、火災調査現場における新たな試料採取方法及び分析方法を開発した。これは、火災調査現場の大気中に拡散している助燃剤成分を特殊な容器に採取し、分析阻害成分を除去した後に質量分析計で測定するという方法である。
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消防科学セーフティレポート

■ 46号(平成21年)
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高圧水駆動カッターに関する検証(第2報) 「消防ポンプ車等からの送水圧力で駆動する新たな切断器具」として、前年度開発した試作機を更に改良・改善した「改良機」を製作し、その有効性を確認するために検証を実施した。
ガンタイプノズルによる泡放射に関する検証 21型改ノズルと同様にラインプロポーショナーを用いてガンタイプノズルによる泡放射を行うことができれば、より柔軟な消火活動が可能になる。このことから、ガンタイプノズル用のラインプロポーショナーを使用し、ガンタイプノズルで泡放射を行った場合の発泡倍率及び射程等の測定を行った。
圧縮空気泡消火システムの小規模油火災に対する消火能力の検証 圧縮空気泡消火システム(Compressed Air Form System)の小規模油火災に対する消火能力を確認するため、4uの燃焼火皿に50Lのガソリンを燃焼させ、車載用CAFSを使用し、ガンタイプノズルとCAFS専用ノズルの2種類を用い、水分量の多いウェット泡と空気含有量の多いドライ泡の2種類を設定して検証を実施した。
ICTを活用した救急活動の強化に関する検証 情報通信技術を活用し、傷病者情報の迅速かつ確実な伝送により救急活動時間の短縮と活動の効率化を図ることを目的として、市販の映像伝送装置を用い救急活動訓練を実施し、救急活動時に要求される装置の基本性能等を確認した。
大型ブロアー車の換気・防煙能力の検証 大型ブロアー車を大規模建築物の排煙活動に使用した場合の排煙能力を見積もるため、地上14階、地下2階、建築面積1,321u、延べ床面積15,840uの建物において大型ブロアー車による送風実験を行い、階段室及び通路等における風速を測定し、測定データを基に、BRI2002及びFDS(Fire Dynamics Simulator Version 5)を用いて換気・防煙能力の評価を行った。
放水技能の実態把握と有効な訓練手法の検証 警防経験年数の異なる消防隊員10名を被験者として、放水技能の実態把握を行った。8畳程度の火災実験室を模擬火災室に見立て、実際にクリブ等を燃焼させ、被験者が筒先担当員として消火活動を行った際の使用水量、燃焼物体の温度変化等の測定並びに状況判断に関する聞き取り調査を行った。
延長されたホースの状態が筒先の挙動に及ぼす影響について 消火活動では、管そうに続くホースの接地状況、筒先保持者の力など種々の力が釣り合った状態で放水が行われており、筒先の保持に要する力は接続されたホースの状態によって大きく変わることから、延長されたホースの状態により放水時の筒先がどのような影響を受けるかを放水実験により確認した。
胸骨圧迫が困難な状況下での適切な処置継続のための方策についての検証 救急活動中の適切な胸骨圧迫の継続を実現させるため、救急現場で一般的に行われている用手による方法と、近年登場したベルト式自動式心マッサージ器による方法の、それぞれの胸骨圧迫の有効性を検証した。
消防職員用ウォーミングアップ及びクーリングダウンに係る検証 消防活動訓練時における消防作業能力の向上及び受傷事故の未然防止のため、筋活動量の多い身体部位や受傷しやすい身体部位に配慮したウォーミングアップとクーリングダウンの方法を考案した。
受傷しにくい身体づくりを図るための効果的なトレーニングに関する検証(消防インナーマッスル・エクササイズの考案) 消防活動及び訓練・演習時において、受傷事故が毎年多数発生していることから、3部制勤務の職員が受傷しにくい身体づくりを行うための一方策として、消防インナーマッスル・エクササイズを考案した。
惨事ストレスケアにおけるデブリーフィングの調査検証 当庁における惨事ストレスケアは、デフュージング及びデブリーフィングというグループミーティングを中心として実施している。平成17年度の検証では、デフュージングの有効性は認められたが、デブリーフィングの有効性は認められなかった。今回は、デブリーフィングの有効性を、デブリーフィングの参加者群と未参加群とで比較検証した。
流出油処理剤に関する検証 交通事故で車両からガソリンや軽油が流出した災害現場で使用している流出油処理剤には、粒状及びマット状のものがあるが、可燃性蒸気の抑制や作業性の向上が望まれている。そこで、現在当庁で使用している粒状の流出油処理剤及び市販されている粒状の油処理剤について、油を吸収する量や可燃性蒸気の抑制効果等を検証した。
残火処理活動現場等に存在する粉塵等の検証と防護方策 残火処理活動現場及び火災原因調査現場などの消防に特有の作業環境においては、健康を害する粉塵や有毒ガスが存在するかどうか充分に明らかとなっていない。このことから、前記各現場における粉塵及び有毒ガスの濃度を測定するとともに、防塵マスクの粉塵捕集効果を検証した。
金属粉に関連する火災の消火方法に関する検証 家電製品の部材には、マグネシウム合金等の金属部品が多用されている。その部品の切削加工時に、発生した火花によって周囲に飛散していた金属粉に着火する火災事例がある。本検証では、マグネシウム合金の主成分であるマグネシウム粉について、その燃焼性状及び乾燥砂や市販されている金属粉火災用消火剤散布器を用いた場合の消火効果等を検証した。
奏功事例分析から見た住宅用火災警報器の効果 平成18年から20年にかけて発生した住宅用火災警報器に係る奏功事例について、焼損程度、出火箇所、警報音の認知位置等の観点から分析し、そこから住宅用火災警報器の設置効果について考察した。
厨房排気ダクト内に設置される消臭フィルタに関する検証 厨房等のダクトに設置される脱臭フィルタに使用されている活性炭について、油脂類と混合した場合の個々の熱分解開始温度に対する相互作用や自然発火危険性を把握し、その熱的安全性について検証した。
瞬間的に燃焼する火災に対する熱量等測定方法に関する検証 舞台演出の特殊効果として、可燃性気体等を瞬間的に大気に放出し、これを燃焼して発生させる、いわゆるファイアーボールが多く用いられている。これに対し、熱電対及び熱流束計を用いて、温度または受熱量が測定できるか否かを検証した。
エアゾール缶使用時に潜在する危険性の検証 一般的なエアゾール缶の使用時又は廃棄時において、潜在する危険性を把握するために、噴射量の測定と、噴射物の拡散・滞留性状の観察や引火検証を行った。
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消防科学セーフティレポート

■ 47号(平成22年)
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高圧水駆動カッターに関する検証(第3報) 平成19・20年度に総務省消防庁が所管する「消防防災科学技術研究推進制度」を活用し、開発した高圧水駆動カッターを更に改良した実用初号機について、消防活動における有効性を確認するための実地検証を行うとともに、鋼板切断時の火花発生を抑制するダイヤモンド切断刃に関する実験を実施した。
40oホース及び50oホースを併用してガンタイプノズルで放水した場合のノズル元圧及び放水流量の関係 40oホース及び50oホースを同一のポンプ車からそれぞれ1線ずつ延長し、2線共にガンタイプノズルで放水した場合のノズル根元圧力、放水流量、及び筒先への影響について検証を行った。
空気呼吸器用バンドの耐熱性向上に関する検証 300型空気呼吸器の各種バンドの耐熱性能向上を目的として、火炎暴露後の強度等について検証した。
その結果、フラッシュオーバー相当の火炎(80kW/u)に10秒以上暴露させた場合、現行のナイロン製バンドよりアラミド製バンドが有効であることを確認した。
航空救助用担架の改良 多様化する災害から都民の安全・安心を確保するための航空救助体制の強化を図るため、航空救助員からの要望に基づき、現行の航空救助用担架を改良した。
担架本体を現行の2つ折りから3つ折りにしてコンパクト化をするとともに、スクープ担架と併用を可能とし、フレームの長さの調節機能、担架の吊上げ傾斜角度の調節機能等、新たな機能を備えた航空救助用担架を試作した。
 航空救助員用発光ベストに関する検証 夜間の航空救助活動における航空救助員の安全性及び作業性の向上を目的として、平成19年度に航空救助員用発光ベストを試作し検証を行った。
火災現場周辺にある有毒ガスを測定する方策に関する検証 消防隊員及び住民の有毒ガスへの安全対策に資することを目的として火災現場の周辺に存在する有毒ガスを連続的に把握できる測定器の性能について検証した。
検証には、携帯式で、複数のガス種を測定でき、各種のセンサーに交換可能な測定器を用い、実際の災害現場において耐久性及び操作性を検証するとともにガス測定を行った。
消防活動における効果的な暑熱順化の方策に関する検証 熱中症予防対策のひとつとして、人間の身体を暑熱(高温)環境に順応させる「暑熱順化」について、消防隊員にとって効果的な方法を検証した。
はしご車のてい上放水等による開口部からの噴出熱気流等に関する検証 放水時における熱気噴出の機構を解明するために模型実験を行い、その支配的要因が放水に伴う巻き込み空気であることを確認した。さらに実大規模の火災実験で放水前後の開口部周囲の受熱量分布等を測定し、放水が及ぼす火災抑制作用と放水に起因する噴出火炎、熱気流がもたらす危険性との関係について明らかにした。
ICTを活用した救急活動の強化に関する検証(第2報) 救急隊指導医のより的確な傷病者の状況把握に資することを目的に、救急車内に収容された傷病者の映像を災害救急情報センターの指導医へ伝送することを想定した実験を行った。高品質な映像を伝送する汎用及びバイタルデータと映像を併せて伝送する救急専用の2種類の映像伝送システムを使用し、傷病者の状況把握に対する有効性について検証を行った。
援護放水による隊員の安全性に関する検証 突発的な熱気流にさらされた消防隊員に対する援護放水の効果の確認実験を行った。実験は、通常の消防活動で使用しているガンタイプノズルと21型改ノズルの2種類を使用し、ガンタイプノズルは4種類の流量切替ダイヤル値に設定して実験を行った
危険物流出等の事故原因に関する検証 消防法の一部改正に伴い、市町村長等は製造所等における危険物流出等の事故原因調査ができることとなった。このことから、過去の危険物流出事故調査結果及び流出事故調査の現場で得られた問題点や課題を整理し、危険物流出等の事故原因調査に必要な科学的分析方法について検証を実施した。
定温倉庫に用いる断熱材の燃焼実験 定温倉庫で広く使われている各種硬質ウレタンフォームを使用した断熱材の燃焼実験を行い、以下の燃焼性状を確認した
消防職員による火災シュミレータの使用を支援するシステムに係る検証 消防職員による火災シュミレータの使用を支援するシステムを提案する。支援システムは次の2部から構成される。(パラメータ入力支援インターフェース、カラーヒストグラムを用いた類似画像検索)の有効性を評価するため、消防職員による使用実験を実施した。
住宅用火災警報器の警報音の聞こえ方に関する検証 平成18年から20年の間に当庁管内で発生した住宅用火災警報器に係る奏功事例では、警報音に気づいた人の約40%が、出火住戸以外の場所にいたことから、本検証では、出火住戸以外の場所でも有効に認知される警報音について、アンケート調査及び耐火造共同住宅の実験棟を用いた騒音レベルの測定等を行った。
不飽和脂肪酸の酸化発熱に伴う出火危険性の解明(第1報) 油脂に係る自然発火火災は、不飽和脂肪酸の酸化発熱に起因することが多い。様々な油脂製品について自然発火の可能性を判断する目安を示すとともに、出火防止対策の資料提供を目的に、油脂の自然発火火災に関する因子として最大発熱速度及びヨウ素価を測定し、酸化発熱の性状及び特性を検証した。
低延焼性たばこの有効性に関する検証 北米等で法制化されている、点火したまま放置すると自然に消火する「低延焼性たばこ」について、当庁管内で発生したたばこ火災着火物の上位を占める「布団等」・「ごみくず・紙くず」・「衣類」に対する燃焼性に関する検証を、日本国内で市販されているたばこと比較しながら行った。
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消防科学セーフティレポート

■ 48号(平成23年)
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21型改噴霧ノズルとガンタイプノズルを併用できる定流量器の検証 21型改噴霧ノズルとガンタイプノズルを同一のポンプ車で併用する場合において、21型改噴霧ノズル側の流量制御を前提に、21型改噴霧ノズルの一人保持限界内における双方のノズルの放水性能を最大限に発揮し、効果的な消火活動に資するために有効な定流量器の仕様について検証を行った。
布担架の改良検証 現在、当庁の救急車に積載されている布担架に対する要望や機器考案の概要等を踏まえ、傷病者への負担を軽減するとともに搬送時の安定性を向上させることを目的とした改良型布担架を用いて実験・検証を行い、その特徴及び問題点を明らかにし、今後の改良策を提案した。
小屋裏火災等に対する各種槍型噴霧ノズルの有効性について 市販の各種槍型噴霧ノズルを用い、天井面を破壊して小屋裏等に放水する場合の、放水特性及び天井破壊の可否について検証を行った。
消防活動に適した手袋に関する検証 災害現場用の手袋について、より消防活動に適した姿の提案を目的として、当庁で採用している現行の手袋に求められている諸性能及び消防隊員の要望を踏まえた上で手袋を試作した。この試作品と北米企画(NFPA規格)及び欧州規格(EN規格)に適合した製品を操作性の面から現行品と比較した。
救急隊員用ヘルメットの改良に関する検証 救急隊の現行型ヘルメットと改良型ヘルメットについて、救急隊員の身体に及ぼす生理的負担等を測定・評価した。その結果、改良型は救急隊員の筋の負担が小さく、ヘルメット内の温湿度の上昇が抑制された。長時間着用時の快適性の経時的変化についても改良型の方がより快適な水準で推移することが確認された。
ICTを活用した救急活動の強化に関する検証(第3報) 複数の救急隊から送信された映像を、災害救急情報センターで受信する場合を想定したもので、映像の受信側から操作可能なカメラを救急車内に設置し、災害救急情報センターを想定した室内において、救急隊指導医、指令管制員及び救急隊との連携を想定して検証を実施した。
実火災体験型訓練施設の熱環境の測定 当庁の実火災体験型訓練施設における訓練時の安全管理に資することを目的に、訓練中の熱環境を測定した。その結果、折り膝姿勢の活動隊員のほぼ頭部の位置となる床から高さ1.14m付近の最高温度は300℃であった。また、コンテナ訓練施設設置の温度計は、設置個所の影響により本検証での測定温度よりも低い値を示した。
小屋裏等への放水による消火効果の検証 小屋裏や壁体内部を延焼経路とする目視しづらく狭隘な箇所に対して有効な放水方法を確認するために小屋裏や壁体を造作し、当庁で使用している放水器具を使用し放水条件を変えて放水した時の散水分布を計測し消火効果を検証した。
最適な排煙手法の検証(その2)
(数値シミュレーションによる区画火災実験との比較)
開口部のある区画火災において、効果的な排煙手法の確立を主眼とした区画開口部と送風機の位置の関係について前検証の燃焼実験に対応する数値シミュレーションを行った。実験検証との比較考察を行った結果、前検証で課題の一つであった火災室内部の可視化を行い、さらに排煙手法ごとに煙と熱の分布等の詳細な知見を得た。
可燃物の燃え広がり現象に関するデータベース構築 様々な物品について燃え方を示す資料を提供してほしいとの現場からの要望に応えるため、統一的な手法の下で各種可燃物の燃焼データを測定、記録した。また、得られたデータについて結果の解釈を行うとともに、材質やキーワードから映像やグラフ等の情報をすぐに取り出せるような検索システムを作成した。
消防活動における効果的な暑熱順化の方策に関する検証
(暑熱順化トレーニングの具体的方策について)
2パターンの暑熱順化トレーニング(消防活動訓練及び業務用雨外とう着装ランニング)の前後に、夏場を想定した運動負荷テストを実施し、これらトレーニングの結果を相対的に判断した。
交通事故防止に有効なコミュニケーション醸成方策に関する検証 航空宇宙産業界で実施されている事故防止策等を参考に、交通事故防止に有効なコミュニケーション醸成方策について検証した。
消防隊員のための効果的な栄養摂取に関する検証について 消防隊員は、当務中の間食(3度の食事以外で摂取する食物。以下「補職」という。)を機能や効果を期待せずに漫然と摂取してしまう事が多い。本検証では交替制勤務員が摂取する補食について実態調査を実施した。
残火処理活動現場等に存在する粉塵等の検証と防護方策(その2) 災害現場で活動する消防隊員や消防団員の安全を確保するため、平成20年度の検証に引き続き居住用途以外の部分が延焼した火災現場において、粉塵及び有毒ガスの分析測定をするとともに、防塵マスクの捕集効率効果を検証した。
水面上を漂う微量油分の分析方法の検証 河川等への油流出事故は全国で発生しており、その事故処理及び安全管理の面で迅速な油種の特定が必要となる。そこで本検証では、河川、海及び消火水等の水面上に流出し漂う微量の油分について、最適な分析手法等を検証した。
住宅用火災警報器に係る火災事例分析に関する検証 平成22年6月に実施した世論調査によると当庁管内の住宅用火災警報器の既設置率は79.4%となっている。本検証では、さらなる設置率向上に有効な情報を提供することを目的として、当庁が所有する膨大な住宅火災事例に対して分析を行った結果、住宅用火災警報器に関する設置効果等を見出すことができた。
防炎製品の有効性に関する検証 消防機関は、寝たばこ火災等の延焼防止策として防炎製品の普及に努めてきたが、価格が高い等の理由から普及率は低迷している。しかし、部分的に防炎製品を使用することで効果があれば、より安価に延焼防止策が図れることから、防炎製品の普及の一助となると思われる。そこで本検証では、シーツやカバーのみを防炎製品とした寝具類に対する燃焼実験を実施した。
不飽和脂肪酸の酸化発熱に伴う出火危険性の解明(第二報) 油脂に係る自然発火火災は、不飽和脂肪酸の酸化発熱に起因することが多い。様々な油脂に対して自然発火の危険性を明確にするため、平成21年度の検証結果を基に自然発火実験を行い、「油脂の種類」、「油脂量」、「温度」及び「湿度」等の因子による影響を確認することで、自然発火の危険性の総合的な評価を行った。
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[お問合せ先] 安全推進部安全技術課 東京都渋谷区幡ヶ谷一丁目13番20号 <地図>
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