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東京消防庁

火災から尊い生命を守ろう

火災から尊い生命を守ろう

≪令和2年秋の火災予防運動≫

令和2年秋の火災予防運動

1 火災予防運動の目的

都民の皆様に防火防災に関する意識や防災行動力を高めていただくことにより、火災の発生を防ぎ、万一発生した場合にも被害を最小限にとどめ、火災から尊い命と貴重な財産を守ることを目的としています。

2 実施期間

119日(月)から1115日(日)まで

令和2年秋の火災予防運動ポスター 令和2年秋の火災予防運動ポスター

≪令和2年上半期の火災状況(東京消防庁管内)≫

1 火災件数

令和2年上半期に発生した火災は、前年同期と比べて331件減の1,910件となり、現行の統計記録が始まった昭和35年以来、最少となりました。
 火災種別ごとの件数では、「建物火災」は1,388件(前年同期比141件減少)、「その他の火災」は419件(同181件減少)、「車両火災」は103件(同3件減少)、「林野火災」は0件(同5件減少)、「船舶火災」は0件(同1件減少)、「航空機火災」は0件(増減なし)となっています。
 焼損床面積は7,787uで、前年同期と比べて4,846u減少しています。

2 火災による死傷者

火災による死者は54人(自損含む。)で、前年同期と比べて18人減少しています。このうち自損等による死者を除いた死者は49人で、前年同期と比べて13人減少しています。
 また、火災による負傷者は364人で、前年同期と比べて50人減少しています。

3 主な出火原因

出火原因の上位5位をみてみると、第1位は「放火(疑い含む)」で346件、第2位は「たばこ」で275件、第3位は「ガステーブル等」で213件、第4位は「電気ストーブ」で44件、第5位は「大型ガスこんろ」で37件となっています。

4 住宅火災による死者発生状況(前年同時期の住宅火災による死者数との比較)

令和2年上半期の住宅火災による死者は45人と、令和元年上半期と比べ11人減少しています。
 なお、月別に比較すると、前年1月が19人と突出した月となっています(図1)。
 また、出火原因別の死者数は、たばこが最も多く9人、次いでストーブが8人となっており、死者に占める高齢者の割合が8割と高い水準となっています。

図1 前年同時期の住宅火災による月別死者数との比較(自損を除く。)
図1 前年同時期の住宅火災による月別死者数との比較(自損を除く。)

5 緊急事態宣言前後における火災件数の推移

緊急事態宣言が発令されていた4・5月の建物火災の発生状況を分析すると、事業所の火災は81件減少しましたが、住宅火災は20件の増加となりました。
 住宅火災は、たばこ火災が減少した一方、ガスこんろの火災が増加しました(図2・図3)。これは、ステイホーム期間中に自宅で調理する機会が増えたことが要因と推測されます。
 今後も新型コロナウイルスの感染拡大により、自宅での調理の機会が増えることが予想されることから、ガスこんろの取扱いに注意が必要です。

図2 住宅のたばこ火災の推移
図2 住宅のたばこ火災の推移
図3 住宅のガスこんろ火災の推移
図3 住宅のガスこんろ火災の推移

注1 令和2年中の数値は速報値です。
 注2 火災件数合計は治外法権火災を除いています。

≪令和元年中の住宅火災の概要(東京消防庁管内)≫

1 住宅火災の発生状況

令和元年中に発生した住宅火災は1,543件で、前年に比べ59件増加しています(図4)。

図4 最近10年間の住宅火災件数等の推移
図4 最近10年間の住宅火災件数等の推移

2 住宅火災による死者発生状況

令和元年中の住宅火災による死者は83人(以下、住宅火災による死者・負傷者はすべて自損を除く。)で前年に比べ17人増加しています。また、火災による死者の約9割は住宅火災によって発生しています(図5)。

図5 最近10年間の住宅火災による死者数等
図5 最近10年間の住宅火災による死者数等

高齢者の死者は53人となっており、前年に比べ4人増加し、住宅火災による死者の63.9%を占めています。過去5年間の住宅火災による死者に占める高齢者の割合は、約7割となっています(図6)。

図6 過去5年間の住宅火災による死者数と高齢者の割合
図6 過去5年間の住宅火災による死者数と高齢者の割合

高齢者と高齢者以外の住宅火災による死者発生率をそれぞれ比較すると、65歳未満の死者は10万人あたり0.28人発生しているのに対し、65歳以上75歳未満の死者は10万人あたり1.68人と約6倍に、さらに75歳以上の死者は10万人あたり1.77人と約6.3倍となります(図7)。
 高齢者は火災による被害を受けるリスクが高いことから、高齢者へのより積極的な被害軽減対策を行う必要があります。

図7 住宅火災による人口10万人あたりの住宅火災による死者発生数の内訳
図7 住宅火災による人口10万人あたりの住宅火災による死者発生数の内訳

令和元年中の住宅火災による死者の家族構成を、一人暮らし、高齢者を含む家族、高齢者夫婦のみ、高齢者一人暮らしに分類すると、高齢者のみの世帯の割合が全体の約4割を占めています。高齢者は、火災が発生した際、身体状況等により火災の発見や避難が遅れてしまい、生命の危険が増すと考えられます(図8)。

図8 過去5年間の住宅火災における死者の世帯状況別
図8 過去5年間の住宅火災における死者の世帯状況別

≪住宅火災の主な出火原因と防ぐポイント≫

たばこ

令和元年中に死者が発生した住宅火災で一番多い出火原因は、「たばこ」です(図9)。
 「火源の落下」、「寝たばこ」、「火種の残ったたばこを吸い殻でいっぱいの灰皿等へ捨てることや、ごみ箱やごみ袋へ捨てる際の不始末」が大半を占めています。適切な方法で喫煙し、始末をしていれば、火災の発生を未然に防止できたものが大半であることから、喫煙者の防火意識の高揚や正しい吸い殻の処理が重要になります。
 死者が発生したたばこ火災の着火物は、布団類が多くなっており、喫煙習慣のある方には、「寝たばこを絶対にしない」ということを徹底することはもちろんですが、防炎品のシーツや掛け布団カバーの使用を勧めることが重要です。

図9 令和元年中の住宅火災における出火原因別死者数
図9 令和元年中の住宅火災における出火原因別死者数

★ポイント★

  • ・寝たばこは、絶対にやめましょう。
  • ・飲酒→喫煙→うたた寝に、注意しましょう。
  • ・吸い殻を灰皿にためないように、
     吸い殻を灰皿にためないように、こまめに捨てましょう。
  • ・吸い殻は水で完全に消してから捨てましょう。

ストーブ

令和元年中に「ストーブ」を原因として発生した住宅火災は103件で、9人の死者が発生しています。また、9人の死者のうち5人が、「電気ストーブ」で亡くなっています(図10)。
 死者が発生した要因をみると、最も多いのがストーブに可燃物が接触することによるものです(図11)。
 就寝時に何らかの弾みで寝具が使用中のストーブに触れたり、ストーブで洗濯物の乾燥や調理をするなど暖房以外の目的で使用したことが原因で火災になる場合もあります。ストーブのまわりには、衣類や寝具類、紙等の可燃物を置かないようにしましょう。過去にストーブを使用中に、近くに置いてあったエアゾール缶(スプレー缶)が高温になり破裂して、漏れたLPガスに着火するといった火災も発生しています。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、手指の消毒等のため、消毒用アルコールを使用する機会が増えています。消毒用アルコールを直射日光やストーブ等の暖房器具の熱気が当たる場所など高温になる場所に保管すると、熱せられることで、可燃性蒸気が発生し、火災を引き起こすおそれがあります。高温になる場所での保管は避けましょう。

  • 図10 令和元年中の住宅火災における死者が発生したストーブ火災の内訳 図10 令和元年中の住宅火災における死者が発生したストーブ火災の内訳
  • 図11 令和元年中の住宅火災における死者が発生したストーブ火災の要因 図11 令和元年中の住宅火災における死者が発生したストーブ火災の要因

★ポイント★

  • ・就寝時や外出時は必ずストーブを消しましょう。
  • ・ストーブのまわりに可燃物を置かないようにしましょう。
  • ・ストーブの近くで洗濯物を乾かさないようにしましょう。
  • ・給油は必ず火を消してから行いましょう。
  • ・ストーブを布団やカーテンの近くに置かないようにしましょう。

こんろ

令和元年中の住宅火災の出火原因と負傷者の発生原因で一番多いのは「こんろ」です(図12、図13)。
 また、令和2年上半期の住宅火災の発生状況として、たばこ火災が減少した一方、「こんろ」の火災が増加しました。これは、ステイホーム期間中に自宅で調理する機会が増えたことが要因と推測されます。
 今後も新型コロナウイルスの感染拡大により、自宅での調理の機会が増えることが予想されることから、「こんろ」の取扱いに注意が必要です。
 「こんろ」による火災の一例として、揚げ物の調理の際に、火をつけたままその場を離れてしまうことで油が過熱され発火し、火災となること等が挙げられます。
 また、最近ではIHクッキングヒーターを利用する人も増えてきましたが、IH専用鍋などを使用しなかったために過熱し火災になるケースや、少量の油しか入れずに揚げ物をしようとしたため急激に加熱されて火災になるケース等、不適切な使用により火災になることがあります。
 「こんろ」による死者や負傷者は、「こんろ」の周囲にある可燃物に着火し出火した火災、調理中に着衣に着火した火災、エアゾール缶のガスに引火した火災等で発生しています。「こんろ」の周囲は整理整頓し、可燃物は置かないようにしましょう。また、着衣着火の予防には、調理中に身につけるエプロンやアームカバーを防炎品にする等の対策も効果的です。

  • 図12  令和元年中の住宅火災における出火原因別件数 図12 令和元年中の住宅火災における出火原因別件数
  • 図13 令和元年中の住宅火災における出火原因別負傷者数 図13 令和元年中の住宅火災における出火原因別負傷者数

★ポイント★

  • ・調理中は、こんろから離れないようにしましょう。
  • ・周囲に燃えやすいものを置かないようにしましょう。
  • ・防炎製品のエプロンやアームカバーを使用しましょう。
  • ・火が鍋底からはみ出さないように調節しましょう。
  • ・安全機能(Siセンサー)付きこんろを使用しましょう。

電気コード等

電気火災のうち漏電・電線の短絡(ショート)・スパーク・半断線・トラッキング※等を原因とした発熱によって起こる火災(以下「電気コード火災等」という。)は、火の気のない場所から出火するため注意が必要です。電気コード火災等は、令和元年中は288件発生し、死者が3人発生しています(図14)。
 死者が発生した「電気コード火災等」の主な出火原因についてまとめると、「コード」、「屋内線」、「差し込みプラグ」で多く発生しています(図15)。 
 火災に至った理由をみると、「電線が短絡する」、「金属の接触部が過熱する」、「トラッキング」の順に多く発生しています(図16)。 
 コード等は物に踏まれたり折れ曲がった状態で使用されていたためにコードの被覆が損傷したり、長年使用したことによる経年劣化により、短絡や半断線が発生して火災に至るケースがあります。差し込みプラグは、差し刃間のトラッキング現象による火災が多く発生しています。

※ トラッキングとは、コンセントに差し込んだプラグの差し刃間に付着した綿ぼこり等が湿気を帯びて微小なスパークを繰り返し、やがて差し刃間に電気回路が形成され出火することを言います。

図14 過去5年間の住宅火災における「電気コード火災等」の件数・死者数
図14 過去5年間の住宅火災における「電気コード火災等」の件数・死者数
図15 過去5年間の主な「電気コード火災等」による死者数
図15 過去5年間の主な「電気コード火災等」による死者数
図16 過去5年間の「電気コード火災等」における主な経過
図16 過去5年間の「電気コード火災等」における主な経過

★ポイント★

  • ・ほこりがたまらないように、特に隠れているところに注意し定期的に掃除しましょう。
  • ・差し込みプラグを抜くときは、コードではなくプラグ本体を持って抜きましょう。
  • ・コードの折れ曲がり、家具等の下敷きに注意しましょう。
  • ・コードを束ねて使用しないようにしましょう。
  • ・テーブルタップは、決められた容量内で使用しましょう。
  • ・外出時や就寝時などは、使わないプラグはコンセントから抜いておきましょう。

≪住宅用防災機器の普及促進≫

住宅用火災警報器

1 住宅用火災警報器の設置効果

住宅用火災警報器は、火災や煙などを感知して、音声や警報音で知らせてくれるので、火災の早期発見に大変有効です。
 令和元年中の住宅火災による死傷者545人の死傷程度を、住警器等(住宅用火災警報器と自動火災報知設備等を言います。以下同じ。)の設置有無別に比較すると、設置なしの方が重症以上の割合は高くなっています(図17)。

  • 図17 令和元年中 住宅火災による死傷者の死傷程度1
  • 図17 令和元年中 住宅火災による死傷者の死傷程度2
図17 令和元年中 住宅火災による死傷者の死傷程度

また、令和元年中における住宅用火災警報器の奏効事例は196件で、このうち火災に至らなかった事例が82件(41.8%)あり、住宅用火災警報器による早期発見の効果が見られます。火災になってしまった事例の中でも、ぼやが93件(47.4%)と約半数を占めており、被害が大きくなる前に消し止められています(図18)。
 住宅用火災警報器の奏効事例を発生箇所別でみると、台所が129件(65.8%)と6割以上を占め、次いで居室となっています。

  • 図18 令和元年中 住宅用火災警報器の奏効事例1
  • 図18 令和元年中 住宅用火災警報器の奏効事例2
図18 令和元年中 住宅用火災警報器の奏効事例

2 住宅用火災警報器の設置と維持管理について

(1) 火災予防条例に適合した設置

住宅用火災警報器は、全ての居室、台所、階段に設置しましょう。
 東京消防庁管内では、平成16年10月1日から新築の住宅に住宅用火災警報器の設置が義務付けられ、既存の住宅には、平成22年4月1日から義務付けられています。

(2) 適切な維持管理・点検・お手入れについて

住宅用火災警報器は適切に作動するか定期的に作動確認しましょう。
 作動確認は、本体の点検ボタンを押すか、ひも付きのものは、ひもを引くことで行うことができます。
 音が鳴らない場合は、電池切れか機器の故障が考えられます。詳しくは製品の取扱説明書をご覧ください。
 住宅用火災警報器にホコリ等の汚れがつくと、火災を感知しなくなる危険性があります。
 汚れは乾いた布でふき取りましょう。台所に設置してある住宅用火災警報器で油汚れがひどいものは、せっけん水に浸した布を十分絞ってからふき取りましょう。

(3) 交換時期について

住宅用火災警報器の耐用年数は概ね10年といわれています。平成22年の既存住宅への設置義務化からも10年が経過していることから、いざという時に鳴らない住宅用火災警報器が多く存在していることが予想されます。10年を過ぎているものは、電子部品の寿命等による故障や電池切れにより、火災を感知できなくなる可能性が高まるため、ご自宅の住宅用火災警報器の設置年月を確認して、機器本体の交換をしましょう。

〜住宅用火災警報器のポイント〜

  • ・全ての居室、台所、階段に設置しましょう。
  • ・定期的に作動状態の確認、機器本体の清掃をしましょう。
  • ・設置から10年を経過したものは本体の交換をしましょう。

防炎品

焼損面積が少ない火災でけがをされた方の中には、「調理中、衣服に火が触れて着火した」、「仏壇のろうそくに衣服の袖が触れて着火した」事例などが多くあります。
 「着衣」に着火した場合は重症化することが多いですが、エプロンやアームカバーを燃えにくい「防炎品」にすることにより、着衣着火による被害は軽減されます。
 また、寝具がストーブに触れることで火災となる場合もあります。万が一に備え、シーツやまくらカバー、掛け布団カバーなどを防炎品にすることによって、火災の被害を軽減することができます。
 家庭の身近にある防炎品の品目は、カーテン、寝具類、エプロン、アームカバー、テント・シート・幕類、非常持出袋、防災頭巾、衣服、布張家具、自動車・オートバイ等のボディカバー、障子紙、防護用ネットなどがあります。インターネットやホームセンターで購入することができます。基準を満たした商品には、防炎物品ラベル又は防炎製品ラベルが貼付されています。

  • エプロン アームカバーエプロン アームカバー
  • 防炎品認定マーク(例)防炎品認定マーク(例)

消火器

消火器による初期消火は、火災による被害の抑制に非常に効果的です。もしもの火災に備えて、火を使う場所には消火器を備えましょう。
 また、一般住宅向けの小型で軽量な住宅用消火器や、片手でも使用できるエアゾール式簡易消火具もあります。
 いざという時のために、地域の防火防災訓練などに参加し、適切な消火器の使い方を覚えましょう。

消火器・住宅用消火器・エアゾール式簡易消火具(例)

★注意★

  • ・消火器は使用期限を守り、劣化に注意しましょう。
  • ・悪質な訪問販売、点検に注意しましょう。

リモート防災訓練 キュータと学ぼう!消火器の使い方

  • キュータ
  • (YouTube 東京消防庁公式チャンネル)(YouTube 東京消防庁公式チャンネル)

≪広報用素材の追加≫

1 たばこ・ストーブ・こんろ火災のジオラマ画像

新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止に伴い、対面しての広報や都民指導が実施しづらい状況です。動画を活用した広報や都民指導、東京消防庁公式アプリを活用した情報の発信などを進めているところですが、今回、多くの死者が発生している住宅火災の原因である、たばこ・ストーブ・こんろ火災のジオラマを製作しました。ジオラマを撮影した画像を広報用素材として提供しますので、広報紙の紙面や「新しい日常」に応じた広報活動としてデジタルデータを活用した広報媒体にご活用ください。

※ 8月13日(木)、フジテレビ系列「めざましテレビ」の「キラビト!」のコーナーにおいて、ジオラマの製作者である広報課・菊池防災指導員が取り上げられました。消防博物館には現在、菊池防災指導員の特設コーナー(菊池ワールド)を設けており、消防関連の模型やジオラマが展示されています。

2 秋の火災予防運動ポスターと連動した住宅用火災警報器の点検促進動画

令和2年秋の火災予防運動ポスターのモデルである城田優さんに協力していただき、住宅用火災警報器の点検・本体交換についてのPR動画を制作しました。本動画は、YouTube東京消防庁公式チャンネルにて動画を公開しています。


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