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東京消防庁

転居を機に室内の安全対策を実施しよう

転居を機に室内の安全対策を実施しよう タイトル

春は、就職・転勤・入学など、新しい生活が始まる季節です。

家具などを動かす引っ越しや模様替え、テレワーク環境の整備のタイミングに、家具類の転倒・落下・移動防止対策(以下「家具転対策」という。)の見直しをしませんか。

新型コロナウイルス感染症の影響による在宅時間を上手く活用して、首都直下地震等に備えるようにしましょう。

家具類の転倒・落下・移動防止対策ポスター 家具類の転倒・落下・移動防止対策ポスター

≪家具類の転倒・落下・移動がもたらす『3つの危険』≫

大きな地震が発生すると、部屋の中では『3つの危険』が発生するのを知っていますか?

1 「けが」の危険

大きな地震が発生すると、家具などが倒れて下敷きになったり、上から落ちてきたものがぶつかったり、割れた食器やガラスの破片を踏んだりして、けがをすることがあります。

近年、日本で発生した大きな地震でけがをした人のうち、約30%〜50%が、家具類の転倒・落下・移動が原因によるものでした(図1)。

図1 家具類の転倒・落下・移動が原因のケガ人の割合
図1 家具類の転倒・落下・移動が原因のケガ人の割合

2 「火災」の危険

過去に発生した大きな地震では、家具類の転倒・落下・移動によって火災が発生した事例がありました。

地震で家具類の収容物(本棚の本など)が落下したり、家具が倒れたりすることで、ストーブの電源スイッチが押され、近くにあった燃えやすいものに火が付き火災が発生することがあります。

3 「避難障害」の危険

出入口付近に家具転対策を実施していない家具を配置してしまうと、地震により転倒するなどした家具が扉や窓を塞ぎ、逃げられなくなること(=「避難障害」)があります。

安全・確実に避難するためには、出入口付近や避難経路に家具を置かないことや、家具を置く向きを工夫する等のレイアウトを考えることが非常に大切です。

≪家具転対策の方法≫

一言で家具転対策といっても、その対策方法は様々です。家具転対策は、大きく3つのステップに分けることができます(図2)。

図2 家具転対策の3つのステップ 図2 家具転対策の3つのステップ

1 集中収納、収納方法の工夫

納戸やクローゼット、備え付けの収納家具などに荷物を集中的に収納して、リビングや寝室などの普段過ごすことが多い場所に家具を置かないようにしましょう。

また、棚などに物を収納する時は、重たいものを下に収納し、重心を低くして揺れにくくしましょう。

  • 集中収納 集中収納
  • 収納方法の工夫収納方法の工夫

2 レイアウトの工夫

家具を置く場合は、倒れたときのことを考えて、レイアウトを工夫しましょう。

普段寝ているベッドの方に家具が倒れてこないように置いたり、家具が移動などして部屋の出入口など避難通路を塞いだりしないよう、ベッドや出入口の近くを避けて家具を配置しましょう。

レイアウトの工夫

3 家具転対策器具で固定

器具を使った家具転対策で、最も効果の高い方法は、L型金具などの器具を使用し、家具と壁をネジ留めする方法です。

壁に穴を開けられない場合は、ネジ留めが不要な対策器具を組み合わせて固定する方法もあります。例えば、本棚などの場合は、ポール式器具とストッパー式器具を組み合わせて設置することで、L型金具と同等の効果が得られます(図3)。

この他にも、ホームセンターなどには、穴を開けたりすることなく設置し、固定できる器具が多く販売されています。対策を行う家具や器具の形状や重さに合った器具を選び、器具の効果が十分に発揮できるよう、正しく設置することが重要です。

図1 家具類の転倒・落下・移動が原因のケガ人の割合
図3 家具類の転倒・落下防止対策の例

≪東日本大震災から10年≫

平成23年3月11日に発生した東日本大震災では、震源地から遠く離れた地域の高層ビル等で長周期地震動の被害が多くありました。また、平成28年4月に発生した熊本地震では、最大震度7の地震が発生し、気象庁による観測史上初めて長周期地震動階級4を観測しました。

長周期地震動とは、揺れが1往復するのにかかる時間が長い、ゆっくりとした揺れのことです。短い周期の地震動に比べ、海の波のように遠くまで伝わる特性があり、地震動が終息した後も、高い建物の高層階(おおむね10階以上)では数分にわたって揺れが継続することがあり、室内では家具類の転倒・落下・移動により大きな被害が発生することがあります。

東日本大震災後、東京都内で実施したアンケート調査によると、高層マンションでは家具の転倒などによる室内被害が高層階ほど多く発生しており、長周期地震動の影響によるものと考えられます。

また、調査した建物のうち、免震構造の建物でも家具類の移動等がみられたことから、「免震構造だから大丈夫」と思わずに、必ず家具転対策を行いましょう。

東日本大震災から10年が経過しますが、過去の地震から得た教訓を忘れることなく、家具転対策をはじめ、今一度ご自宅の震災対策を見直してみてください。

【長周期地震動階級とは】

固有周期が1〜2秒から7〜8秒程度の揺れが生じる高層ビル内における、地震時の人の行動の困難さの程度や、家具や什器の移動・転倒などの被害の程度から4つの段階に区分した揺れの大きさの指標です。

≪家具転対策についてもっと知りたい≫

さらに詳しい家具転対策については、東京消防庁ホームページに掲載中の「家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック」をご覧ください。

家具転対策ホームページでは、家具転ハンドブック以外にも、家具転啓発プロモーションビデオや、過去の地震の調査資料なども公開していますので、ぜひ一度ご覧ください。

図1 家具類の転倒・落下・移動が原因のケガ人の割合 図1 家具類の転倒・落下・移動が原因のケガ人の割合 図1 家具類の転倒・落下・移動が原因のケガ人の割合

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