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東京消防庁

大掃除の機会に室内の安全対策を実施しよう

大掃除の機会に室内の安全対策を実施しよう

年末となり自宅の大掃除を検討している方が多いかと思います。大掃除は住宅用火災警報器の点検や、普段は動かさない家具・家電の裏を掃除する良い機会です。この機会を捉え、「住宅用火災警報器の点検・交換」、「家具類の転倒・落下・移動防止対策」(以下、「家具転対策」という。)及び「トラッキング火災の防止」について考え、室内の安全対策を実施しましょう!

≪住宅用火災警報器の点検・本体交換≫

(1) 住宅用火災警報器を設置しましょう

令和3年中、住宅用火災警報器(以下「住警器」という。)の作動により火災の被害軽減につながった奏功事例は284件でした。

住警器は、煙や熱を感知して、警報音などで火災の発生を知らせてくれる機器です。住警器を設置することで火災を早期に発見でき、速やかな通報や消火・避難が可能となるため、火災の被害を防止・軽減することができます。

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(2) 定期的な点検をしましょう

設置した住警器は定期的に点検をしましょう。点検は、本体のボタンを押すか、付属のひもを引いて行います。正常な場合は、正常であることを知らせる音声や警報音が鳴ります。一般的に、点検の際の警報音などは自動で止まります。

点検方法は「ボタンを押す」または「ひもを引く」です

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(3) 大掃除の機会に住警器のお手入れを!

住警器にホコリなどの汚れが付くと火災を感知しにくくなります。汚れは乾いた布で定期的にふき取りましょう。台所に設置してある住警器で油汚れがひどいものは、家庭用中性洗剤を浸して十分絞った布で軽くふき取ってください。

ボタンを押す
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(4) 住警器設置から10年で本体交換!

設置後10年を経過した住警器は電子部品の劣化や電池切れなどにより火災を感知しなくなるおそれがあります。この機会に住警器の点検を行うとともに、設置から10年を経過している場合は本体を交換しましょう。

図2 集中収納
図3 収納方法

(5) ご存じですか?付加機能付き住警器

住警器には火災を早期に知らせるための更なる機能が付いた付加機能付き住警器があります。火災から大切な生命と財産を守るため、本体交換を機に付加機能付き住警器を設置するとより安心です。

連動型住宅用火災警報器
連動型住宅用火災警報器

火元で作動した住警器と連動して、別の部屋の住警器も鳴動します。

火災・ガス・CO警報器
火災・ガス・CO警報器

都市ガスや一酸化炭素(CO)も感知して、あらゆる側面から火災等の発生を知らせる複合型の警報器です。

屋外警報装置
屋外警報装置

インターホンなどを通じて屋外にも火災の発生を知らせます。近隣住民などの協力が期待できます。

補助警報装置
補助警報装置

火災の発生を警報音だけでなく、光や振動等で知らせます。高齢者や耳の不自由な方などに推奨されます。

〜住警器奏効事例〜

火災の早期発見、被害の軽減につながりました

  • 居住者は仏壇のろうそくにマッチで点火し、マッチを廃棄した後、居室でテレビを見ていた。その後、仏間から住警器の鳴動音が聞こえたので、確認したところ、仏壇付近から炎が上がっているのを発見した。すぐに台所へ行き、ボウルに水道水を入れ、初期消火を実施した。その後、119番通報した。
  • 居住者は2階寝室で電気ストーブのスイッチを入れたまま就寝してしまい、掛け布団が電気ストーブに接触して火災になった。寝室に設置してある住警器の鳴動音で目が覚めると同時に、1階リビングにいた同居家族も連動式住警器の鳴動音で駆けつけることができた。浴室に掛け布団を運びシャワーで消火後、119番通報した。
  • 居住者は、たばこの吸い殻を灰皿に捨て外出したところ、たばこが布団に落下して火災となり、住警器が鳴動した。自宅にいた隣人は、住警器の鳴動音に気づき、玄関から外を確認すると、煙は見えなかったが、焦げ臭さを感じたため、自宅の固定電話から119番通報した。
kyuta

火災を未然に防ぎました

  • 居住者は鍋を火にかけたまま放置し、居室でテレビを見ていた。しばらくすると鍋から煙が上がり、住警器が鳴動した。鳴動音を聞いた隣人が、廊下に出たところ煙が充満していたことから、玄関ドアをノックし居住者に知らせた。居住者はすぐに火を止め、火災には至らなかった。
  • 居住者は深夜に帰宅後、調理を開始したが、鍋を火にかけたまま寝てしまった。しばらくすると鍋から煙が上がり、住警器が鳴動した。鳴動音で目が覚めた居住者が、慌ててガスこんろの火を消したため、火災には至らなかった。
kyuta

≪年末の大掃除で家具転対策を見直しましょう≫

今年5月、東京都は「首都直下地震等による東京の被害想定」を10年ぶりに見直しました。この10年で様々な対策が進められてきましたが、未だ大きな被害の発生が懸念されています

一方で、家具転対策の実施が被害を軽減させることが示されました。

いつ起こるか分からない地震に備えて、大掃除の機会に家具転対策を見直しましょう。

イメージ:ケガ

1 家具類の転倒・落下・移動がもたらす「3つの危険」

(1) ケガ

地震の揺れにより、家具類が倒れたりすることで、家具類の下敷きになったり、割れたガラスや破片が飛び散りケガをすることがあります。

また、近年発生した地震でケガをした要因を調べると、約30%〜50%が家具類の転倒・落下・移動によるものでした。(図1)。

イメージ:ケガ
図1 近年発生した大きな地震時の家具類の転倒・落下・移動によるけが人の割合
図1 近年発生した大きな地震時の家具類の転倒・落下・移動によるけが人の割合
(2) 火災

転倒・落下した家具などが電気ストーブなどの電源スイッチを押し、付近の燃えやすいものに着火するなどして火災が発生することがあります。

イメージ:火災
(3) 避難障害

避難通路や出入口周辺に転倒・移動しやすい家具類を置くと、を塞いだり、引き出しが飛び出すことで、つまずいてケガをしたりと、避難の妨げになることがあります。

イメージ:避難障害

2 対策方法

(1) 集中収納

納戸やクローゼット、据え付け収納家具への集中収納により、努めて生活空間に家具を置かないようにしましょう(図2)。

また、棚などの家具に物を収納する場合は、重いものを下に収納し、重心を低くすることで倒れにくくしましょう(図3)。

図2 集中収納
図2 集中収納
図3 収納方法
図3 収納方法
(2) レイアウトの工夫

避難通路、出入口周辺に転倒・移動しやすい家具類を置かないようにしましょう。倒れた家具類により、ドアが開かなくなったり、つまずいてケガをしたり、避難の妨げになることがあります。家具類の位置や置く方向に注意することで、ケガのリスクを減らすことができます(図4)。

図4 家具の配置・家具の位置
図4 家具の配置・家具の位置
(3) 対策器具の設置

それぞれの家具類の大きさや形に合わせて、適した対策器具を設置しましょう。対策器具は、L型金具のようにネジやボルトで家具類と壁面を固定するタイプの効果が高くなっています。

また、ポール式とストッパー式を併用することで、L型金具と同等の効果を得ることができます(図5、6)。

図5 対策器具の設置例
図5 対策器具の設置例
図6 対策器具の効果
図6 対策器具の効果

家具転対策の必要性や実施方法をまとめた『家具類の転倒・落下・移動防止対策ハンドブック』を東京消防庁のホームページに掲載していますので、ぜひご活用ください。

QRコード
ハンドブック

≪トラッキング火災の防止≫

令和3年中、東京消防庁管内では、延長コードの差込みプラグや電気機器の電源プラグのトラッキング現象による火災が39件発生(前年比18件増加)しています。

トラッキング現象による火災は、長期間コンセントに差し込まれているプラグ部分に埃や湿気が溜まることで発生し、発見が遅れると思わぬ被害に繋がる場合があります。

大掃除の機会にコンセントやプラグ周りなどを確認してみましょう。

1 トラッキング現象とは

コンセントに差し込んだプラグの差し刃間に付着した綿埃等が、湿気を帯びて微小なスパークの繰り返しにより差込みプラグの絶縁が破壊され、やがて差し刃間に電気回路が形成され出火する現象をいいます(図7・写真1)。

図7 トラッキング現象図解
図7 トラッキング現象図解
写真1 トラッキング火災(再現実験)
写真1 トラッキング火災(再現実験)

2 注意するポイント

トラッキング現象による火災を防ぐため、差込みプラグは、使用時以外はコンセントから抜くようにしましょう。長期間差したままのプラグなどは、定期的な点検と乾いた布などで清掃し、もし異常がある場合は、使用するのをやめましょう。特に、家具の裏側や水回りなどのコンセントを確認しましょう。

また、大掃除中に「コードが家具などの下敷きや押しつけ、ねじれなどで傷ついていないか」、「コードを束ねたり、許容電力を超えて使ったりしていないか」、「プラグに変形やこげ跡がないか」も併せて確認すると電気火災の予防に繋がりますので、ぜひ実施しましょう。

3 トラッキング火災の火災事例

身近な所でトラッキング火災が起こっています

  • ソファーの後ろ側の壁付コンセントに差し込まれていたテーブルタップの差込みプラグの間に、埃や湿気などが溜まったことで、トラッキング現象により出火した。
  • (部分焼 けが人2名)

  • 猫カフェの床に置かれていたテーブルタップ内部に動物の毛や動物の尿が浸透し、トラッキング現象により出火した。
  • (ぼ や けが人なし)

  • 水槽付近に設置されていたテーブルタップ内部に水槽の水が浸透し、トラッキング現象により出火した。
  • (部分焼 けが人なし)

補助警報装置

3 トラッキング火災の火災事例

電気製品のこげ跡を見つけた場合は、119番通報をお願いします。小さなこげ跡でも、偶然に消えただけで大きな火災になるかもしれません。東京消防庁では、こげ跡の原因を調べることで、火災予防につなげています。

※119番通報するべきか迷った際は、お近くの消防署へご相談いただくか、電気製品火災相談ガイドをご活用ください。

電気製品火災相談ガイド

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