
東京消防庁管内で、窒息や誤飲の事故により、毎年1,000人前後の子ども(0歳〜5歳)が救急搬送されています。特に0歳児と1歳児で多く発生しています。
子どもは、生後6ヵ月頃から「物をつかむ」、つかんだら「口に入れる」行動が見られ、トイレットペーパーの芯(39ミリ)を通る大きさのものなら、口の中に入れてしまい飲み込む恐れがあります。
危険性が高いものは何かを知っておきましょう。
窒息や誤飲するものは、食品が最も多く、玩具、タバコ、薬品と続いています。なかでもボタン電池や灯油、キャンドル・オイルは、体の組織を壊したり肺炎を起こす危険があります。日頃から家の中の危険をチェックしましょう。

自宅で子どもが食パンを食べている最中につまらせ、白目をむき苦しがっていたため、救急要請しました。(1歳男児・中等症)

灰皿に入っていた水を1歳の男の子が飲んでしまったようだったため救急要請しました。(1歳男児・中等症)

自宅で、ボタン電池2個を飲み込んだため救急要請しました。(0歳男児・中等症)
成長段階に応じ、食べ物は適切な大きさに切る、つぶすなどして食べさせましょう。また、食事中は大きな声で呼ぶ等、子どもをびっくりさせるようなことはやめましょう。
歩きながらや寝ながら食べさせることもやめましょう。

子どもがゴミや玩具などを飲み込まないよう、日頃から部屋の整理整頓を心掛けましょう。
家の中は、子どもの目の高さで危険がないかチェックしましょう。

傷病の程度について | ||
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中等症 | : | 生命に危険はないが、入院の必要があるもの |
重症 | : | 生命に危険があるもの |
重篤 | : | 生命の危険が切迫しているもの |


「おぼれる」事故は、救急搬送された子ども(0歳〜5歳)の半数以上が入院の必要な中等症以上で、生命を脅かす事故の可能性が高く、十分な注意が必要です。
5歳以下の子どもがおぼれる事故の多くは、浴室でおきています。
海やプールだけでなく家庭内でも「おぼれる」事故は多く、特に浴室での事故が多く発生しています。子どもは10cmの深さの水でもおぼれることがあります。なにより子どもから目を離さない事が大切です。

おぼれて救急搬送された子どもの10人に1人は、重症以上です!周囲の大人の注意で事故の多くは、防げます!

父親が子どもと入浴していたが、いつもより長く入浴していたので、母親が見に行くと父親が浴槽で居眠りしていて、一緒に入っていた子どもがおぼれていた。(9か月女児・重篤)

母親が子ども2人と共に入浴していて、下の子どもを先にお風呂からあがらせ、5分後に浴室に戻ってくると、上の子が浴槽でおぼれていた。(4歳男児・重症)
親がシャンプーをしている間に、子どもがおぼれる事故等も発生しています。子どもをお風呂に入れる時は、わずかな時間でも決して目を離さないでください。

お風呂に水を張っている家庭では、子どもがお風呂に近づけないような環境づくりをしましょう。蓋をしていても、のぞいたり、蓋の上に乗るなどして、落ちてしまう事があります。
事故の未然防止に努めましょう。