- 他機関との連携による救急活動
他機関との連携による救急活動
● 東京DMATとの連携
[東京DMAT創設の背景]
阪神淡路大震災においては、救助活動と平行して点滴等を実施すれば、防ぎえた死(Preventable Death)があったと指摘されています。また、震災で多くの医療機関が機能を失い、「医療の空白」が生まれたという教訓を踏まえ、東京都では災害現場における医療不在の空白時間を解消し、一人でも多くの負傷者を救うため、消防機関との連携を含めた専門的なトレーニングを受けた医師や看護師が医療器材を携えて現場に急行し、その場で救命処置等を行う災害医療派遣チーム「東京DMAT(Disaster Medical Assistance Team)」を平成16年8月に創設しました。
[東京DMAT指定病院及び隊員数]
令和5年4月1日現在、東京DMATを編成する医療機関(東京DMAT指定病院)は27施設です。
東京DMAT登録隊員数は、医師291名、看護師・救急救命士562名、事務203名、計1,056名となっています。
[東京DMATの運用形態]
- (ア)編成
- @ 東京DMAT(東京DMAT指定病院)
東京DMATは、1チームあたり医師1名、看護師等2名(必要に応じて事務員1名が加わる。)を基準として構成されます。 - A 東京消防庁東京DMAT連携隊
東京消防庁東京DMAT連携隊(以下「DMAT連携隊」という。)は、原則として2名で構成されます。
DMAT連携隊は、査察広報車等で東京DMAT指定病院に出場し、東京DMATを同乗させ災害現場へ出場します。DMAT連携隊は、東京DMATが円滑に医療救護活動を実施できるように東京DMATの活動支援・安全管理を行います。
- @ 東京DMAT(東京DMAT指定病院)
- (イ)出場要請
東京DMATの出場要請は、東京都知事の代行として、東京消防庁(指令室)が東京DMAT指定病院に対して行います。 - (ウ)要請基準
- @ 負傷者等がおおむね20名以上発生した場合又は救急隊がおおむね10隊以上運用される場合
- A 重症が2名以上又は中等症が10名以上の負傷者等が発生し、迅速に医療機関に搬送できない場合又はその可能性がある場合
- B 負傷者等が1名以上発生し、救助に時間を要するなど迅速に医療機関に搬送できない可能性がある場合
- C 東京DMATが出場し対応することが効果的であると警防本部又は指揮本部長(最先着の中小隊長を含む。)が判断した場合
● 救急現場への医師要請
[運用基準]
- (ア)救急現場に到着した救急隊長が、次の判断に基づき医師要請するもの
- @ 傷病者の状態から、搬送することが生命に危険があると認められる場合
- A 傷病者の状態からみて搬送可否の判断が困難な場合
- B 傷病者の救助にあたり医療を必要とする場合
- (イ)119番通報の内容から、警防本部が医師を要請し対応することが効果的であると判断するもの
[出場の形態]
東京消防庁の救急自動車が医療機関に医師を迎えに行き、医師が同乗して救急現場に出場します。また、医療機関によっては、独自に保有しているドクターカー(病院救急車)等により、医師が出場する体制をとっています。
1 | 日本大学病院 | 15 | 順天堂大学医学部附属練馬病院 |
---|---|---|---|
2 | 聖路加国際病院 | 16 | 東京女子医科大学附属足立医療センター |
3 | 昭和大学病院 | 17 | 東京都立墨東病院 |
4 | 東邦大学医療センター大森病院 | 18 | 東京曳舟病院 |
5 | 国立病院機構東京医療センター | 19 | 国立病院機構災害医療センター |
6 | 東京都立広尾病院 | 20 | 公立昭和病院 |
7 | 日本赤十字社医療センター | 21 | 杏林大学医学部付属病院 |
8 | 東京女子医科大学病院 | 22 | 武蔵野赤十字病院 |
9 | 国立国際医療研究センター病院 | 23 | 東京都立多摩総合医療センター |
10 | 東京医科大学病院 | 24 | 東京医科大学八王子医療センター |
11 | 日本医科大学付属病院 | 25 | 東海大学医学部付属八王子病院 |
12 | 東京医科歯科大学病院 | 26 | 市立青梅総合医療センター |
13 | 日本大学医学部附属板橋病院 | 27 | 日本医科大学多摩永山病院 |
14 | 帝京大学医学部附属病院 |
令和6年4月1日現在
● 東京都ドクターヘリ
[東京都ドクターヘリの概要]
東京都において、救急医療に必要な機器や医薬品等を搭載し、医師及び看護師等が搭乗する回転翼航空機(以下「ドクターヘリ」という。)により、救急現場等から傷病者に救命医療を行いながら医療機関に搬送する事業であり、令和4年3月31日から運航が開始されています。
- (ア)基地病院(ドクターヘリ事業を運営する医療機関)
杏林大学医学部付属病院 - (イ)協力病院(基地病院が行うドクターヘリ事業の協力医療機関)
東京医科大学八王子医療センター、東京都立多摩総合医療センター - (ウ)発進基地
航空隊多摩航空センター内(運航管理、駐機、燃料補給等) - (エ)運航時間
曜日、祝日等にかかわらず午前8時45分から日没まで
[対象救急事案]
- (ア)警防本部が119番通報受信時に重症度、緊急度が高いと判断したもの
- (イ)救急現場において、救急小隊長が傷病者等の状況聴取及び現場での容態観察の結果からドク
[要請方法]
- (ア)警防本部は、専用電話により運航管理室※へ要請
- (イ)救急小隊は、警防本部を介し運航管理室※へ要請
- ※ 運航管理室・・・ドクターヘリの運航管理や、消防機関や医療機関等の関係機関との調整を行います。航空隊多摩航空センター内に設置され、運航スタッフ、医師及び看護師等が待機しています。