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東京消防庁

リチウムイオン電池からの火災に注意しよう〜使わなくなった小型充電式電池はリサイクルを〜

リチウムイオン電池からの火災に注意しよう

電気は、私たちの日常生活において必要不可欠なエネルギーとして社会の隅々まで深く浸透しています。その一方、電気や電気製品にかかわる火災は、東京消防庁管内で毎年1,000件以上発生しており、全火災件数に対する割合は近年大きく増加しています。

増加傾向の内訳として、携帯端末などを外出先でも充電できるモバイルバッテリーなどが急速に普及し、これらに使用されているリチウムイオン電池からの火災が増えています。

このリチウムイオン電池などの二次電池(小型充電式電池)は、小型で大量の電力を必要とする製品に使用されています。一般的に使用されているニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池などと比べて大容量、高出力、軽量という特徴があります。

小型充電式電池が使用されている主な製品として、携帯電話、スマートフォン、モバイルバッテリー、パソコン、デジタルカメラ、携帯型ゲーム機などがあります。

≪電気火災の実態≫

令和2年中、東京消防庁管内では3,693件(治外法権火災1件を除く。)の火災が発生し、そのうち電気設備機器などによる火災(以下「電気火災」という。)は1,163件(前年比120件減少)と、全火災件数の31.5%を占めています。全火災件数に対する電気火災件数の割合は、年々増加しています。

表1 電気火災の状況(最近5年間)
年別 全火災件数 電気火災件数 全火災に対する割合
(%)
火災件数 損害状況
建物 航空機 車両 船舶 その他 焼損床面積
(u)
焼損表面積
(u)
死  者(人) 負 傷 者(人)
小計 全焼 半焼 部分焼 ぼや
28年 3,980 1,052 26.4 924 11 18 108 787 - 1 - 127 3,526 1,856 11 192
29年 4,204 1,152 27.4 1,019 22 17 118 861 - 1 - 133 4,447 1,819 13 171
30年 3,972 1,205 30.3 1,043 14 28 113 888 - - - 162 3,933 1,549 11 164
元年 4,085 1,283 31.4 1,143 15 21 103 1,003 - - - 140 5,173 1,663 13 159
2年 3,693 1,163 31.5 1,057 13 15 102 927 - - - 106 2,767 1,646 14 159
注1
全火災件数は、治外法権火災及び管外からの延焼火災を除いています。
 2
電気火災件数には、「放火(疑い含む)」、「火遊び」、「無意識放火」、「車両本体からの火災」を除いています。
 3
令和2年中の数値は速報値です。

≪リチウムイオン電池関連による火災≫

令和2年中のモバイルバッテリーなどに使用されているリチウムイオン電池関連から出火した火災は105件で、前年と比べて3件増加しており、最近5年間で最も多い件数となっています(表2)。

発生した105件を製品用途別でみると、モバイルバッテリーと携帯電話機が各20件で、モバイルバッテリーは前年の23件から3件の減少し、スマートフォンなどの携帯電話機は前年の11件から9件増加しています。次いで電動工具及び玩具(ラジコンや電動エアガンなど)が各7件、コードレス掃除機及びノートパソコンが各6件などとなっています(表3)。

また、発生した105件のうち、49件が「充電方法を誤った」、「非純正品のバッテリーを使用していた(充電器含む)」、「分解しようとして外部から衝撃を受けた」、「誤って穴を開けた」など、誤った使用方法により出火しています。

リチウムイオン電池関連の製品から出火する火災は、誤った使用方法により出火するのはもちろんのこと、通常の使用方法でも出火する場合もあるので注意が必要です。

表2 リチウムイオン電池関連火災状況(最近5年間)
年別 火災件数 損害状況
合計 建物 車両 その他 焼損床面積
(u)
焼損表面積
(u)
死者 負傷者
小計 全焼 半焼 部分焼 ぼや
28年 55 48 - - 6 42 2 5 77 40 - 22
29年 56 47 - - 5 42 7 2 32 41 - 4
30年 82 69 - 1 4 64 6 7 74 40 - 10
元年 102 95 1 1 11 82 2 5 400 257 - 12
2年 105 94 - 2 11 81 5 6 200 195 - 22
対前年比 3 ▼1 ▼1 1 - ▼1 3 1 ▼200 ▼62 - 10
5年平均 80 71 - 1 7 62 4 5 157 115 - 14
令和2年中の数値は速報値です。
表3 製品用途別火災状況(最近5年間)
年別 合計 モバイルバッテリー 携帯電話機 電動工具 玩具 コードレス掃除機 ノートパソコン タブレット LEDライト 電動スケートボード 電動アシスト自転車 ヘッドライト 携帯型DVD・BD
プレーヤー
携帯型ルーター その他
合 計 400 95 55 14 10 25 38 14 14 3 13 4 6 4 105
28年 55 15 6 - - 1 5 - 2 - 4 - 1 - 21
29年 56 11 8 - 1 4 9 2 1 - - - 2 - 18
30年 82 26 10 4 1 2 6 2 5 - 5 2 - 2 17
元年 102 23 11 3 1 12 12 7 3 - 2 - 1 - 27
2年 105 20 20 7 7 6 6 3 3 3 2 2 2 2 22
令和2年中の数値は速報値です。

≪火災を防ぐポイント≫

● 火災を防ぐためには

  1. 購入する際は、電気製品が安全性を満たしていることを示す「PSEマーク」が付いている製品にしましょう。
    また、モバイル機器の安全性向上に取り組む団体(MCPC)が取り組む評価試験に合格した製品には「MCPCマーク」が表示され、安全な製品を見極める目安となります。
  2. 各機器を購入した時に付属されている充電器やメーカー指定の物を使用しましょう。
  3. 接続部が合致するからといって、充電電圧を確認せずに使用するのはやめましょう。
  4. 膨張、異音、異臭などの異常が生じたものを使用するのはやめましょう。
  5. 充電が最後までできない、使用時間が短くなった、充電中に熱くなるなどの異常があった際には使用をやめて、メーカーや販売店に相談してください。
  6. 容易に取り外せない場所にある小型充電式電池は、無理に取り外すのはやめましょう。
  7. お住いの地域のごみ回収方法をよく確認し、可燃物ごみや不燃ごみなどに混ぜて廃棄するのは、絶対にやめましょう。
● PSEマークについて
PSEマーク

PSEマークは国の定める安全基準の検査に合格した電気製品に表示されます。電気用品安全法の規制対象となる電気製品は、PSEマークが表示された製品でなければ国内で販売できません。

モバイルバッテリーは平成30年2月1日から電気用品安全法の規制対象となり、1年間の経過措置期間を経て平成31年2月1日からPSEマークが表示された製品でなければ販売禁止となりました。新規に購入する際には、必ず確認しましょう。

● MCPCマークについて
MCPCマーク

MCPC(モバイルコンピューティング推進コンソーシアム)は、スマートフォンなどモバイル機器の安全性向上に取り組む団体で、基本性能、安全性などの自主的なガイドラインを策定しており、評価試験に合格した製品にはMCPCマークが表示されています。対象は、モバイルバッテリー、充電ケーブル、アダプターなどです。MCPCマークも安全な製品を見極める目安となります。

● 小型充電式電池のリサイクルについて

【小型充電式電池とは?】

充電して繰り返し使える小型で軽量な電池です。この小型充電式電池は、主な材料としてニッケル(Ni)、カドミウム(Cd)、コバルト(Co)など希少な資源が使われていることから、平成13年4月、「資源有効利用促進法」により、小型充電式電池製造メーカーや小型充電式電池を使用する機器メーカー、それらの輸入業者などに回収、再資源化が義務付けられました。

なお、回収の対象になっているのは、リチウムイオン電池、ニカド電池、ニッケル水素電池及び小型制御弁式鉛蓄電池の4種類で、それぞれの電池にリサイクルマークが表示されています。

小型充電式電池のリサイクルマーク
リチウムイオン電池
ニカド電池
ニッケル水素電池
小形制御弁式鉛蓄電池
@リチウムイオン電池 Aニカド電池 Bニッケル水素電池 C小形制御弁式鉛蓄電池
【どこで回収しているの?】

小型充電式電池の回収、再資源化は電池メーカー等が会員となって設立された「一般社団法人JBRC」のリサイクル協力店(電器店・ホームセンター・スーパーなど)で実施しています。

なお、近くのリサイクル協力店はホームページでご確認ください。

また、携帯電話・スマートフォンの小型充電式電池の回収は、モバイル・リサイクル・ネットワークなどで推進されており、各社のショップ等で実施しています。

@一般社団法人JBRCホームページ
https://www.jbrc.com/
※リサイクルマーク@〜Bが回収対象

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Aモバイル・リサイクル・ネットワーク
http://www.mobile-recycle.net/
(一般社団法人電気通信事業者協会・一般社団法人情報通信ネットワーク産業協会)

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● 火災事例

【事例1 可燃ごみ回収中の清掃車から出火】

この火災は、可燃ごみに混ざって廃棄された充電式電池が押し潰されたため、充電式電池内で短絡を起こし、出火したものです。

作業員は、路上で可燃ごみ回収作業中に後方の荷箱内から煙が出ているのを発見し、119番通報をしています。

写真1-1 焼損した清掃車
写真1-2 荷箱内の燃えたごみ
写真1-3 潰れて燃えた充電式電池
写真1-1 焼損した清掃車 写真1-2 荷箱内の燃えたごみ 写真1-3 潰れて燃えた充電式電池

なお、東京都環境局のホームページに注意喚起のチラシを掲載しています。

東京都環境局ホームページ:「事業者の皆様へ小型充電式電池の取り扱いに注意してください」(お知らせ 2019年4月15日)

https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/resource/industrial_waste/

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【事例2 非純正品バッテリーから出火した火災】

この火災は、住宅の3階居室でコードレス掃除機を充電していたところ、バッテリーパック内部が発熱、短絡して出火したものです。このコードレス掃除機には、インターネットサイトで販売されていた純正品でないバッテリーパックが取り付けられていました。

1階にいた建物の住人が、上階で大きな音がしたことから各階を確認したところ、3階のベッド付近から炎が上がっているのを発見したため、119番通報をしています。

写真2-1 焼損したコードレス掃除機の状況
写真2-2 焼損したバッテリーパック@
写真2-3 焼損したバッテリーパックA(赤丸)
写真2-1 焼損したコードレス掃除機の状況 写真2-2 焼損したバッテリーパック@ 写真2-3 焼損したバッテリーパックA(赤丸)
非純正品

なお、経済産業省のホームページで類似火災の注意喚起を掲載しています。

経済産業省ホームページ:「ネットモールで充電式掃除機用として販売されたSHENZHEN OLLOP TECHNOLOGY社製バッテリーパックの使用を中止してください」

https://www.meti.go.jp/press/2019/08/20190809005/20190809005.html

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