令和3年の東京消防庁管内(治外法権火災及び東京消防庁管轄外からの延焼火災を除く。)の火災件数は3,935件です。このうち電気製品等から出火した電気火災は1,399件(35.6%)で、電気ストーブ(カーボンヒーター、ハロゲンヒーター及び温風機を含む。)の火災は、85件(6.1%)発生しています(図1)。電気ストーブ火災による死者は6人、負傷者は34人と、人命にかかわる被害が大きい特徴があります(図2、図3)。
これからの季節、電気ストーブを使用する機会が増えると思います。電気ストーブの見た目は、炎(直火)がなく火災になりにくいと思われがちですが、ストーブによる火災のうち、電気ストーブ火災の件数が圧倒的に多いという実態があります。使用に際しては、燃えやすいものは近くに置かないなど注意が必要です。
図1 電気ストーブの火災件数の推移電気ストーブ火災の発生原因として、電気ストーブをつけたまま就寝し布団等に接触して火災が発生する事例や、衣類等が電気ストーブ上に落下し火災が発生する事例が多いという特徴があります(写真1、写真2)。
電気ストーブは、火を使わないため安全なイメージがありますが、ヒータ部分は高温になっているため、近くに燃えるものがあると火災になる恐れがあり注意が必要です(写真3)。
また、電気ストーブ火災は、ぼや火災であっても、一酸化炭素中毒や着衣が燃えたために死者が発生しています。