これから冬場の乾燥した季節を迎えるに当たり、ガソリンスタンドでは静電気による火災の発生が危惧されます。また、暖房機器の燃料として灯油を取り扱う機会も多くなりますのでガソリンや灯油の危険性を理解し、安全な取扱方法を再確認しましょう。
空気が乾燥する時季は、静電気が発生しやすくなります。液体の危険物の中でもガソリンのように揮発性の高いものは、静電気の小さい火花でも引火してしまいます。
ガソリンを取り扱う身近な危険物施設はガソリンスタンドです。特に利用者自身が給油を行うセルフスタンドでは、給油前に必ず静電気除去シートをタッチしてから給油を行いましょう。
セルフスタンドでは、給油が安全に行われるようにいろいろな安全装置付きの機器が設けられるとともに、危険物取扱者の資格を持った従業員が給油を見守っています。
セルフスタンドを利用するドライバーの皆さんも、次のその1からその7に十分注意して安全な給油作業に心がけましょう。
給油方法がよくわからなかったり、不安を感じたりしたときは、近くの従業員や給油設備にあるインターホンを利用して、正しい給油方法の説明を受けてから給油しましょう。
セルフスタンドにおける7か条
矢印などの誘導に従い、白線などで示された場所に停車し、必ずエンジンを停止しましょう。
スタンド内は、様々な機器や他の車もあり、運転には十分な注意が必要です。急発進、急ハンドルは避けましょう。
給油キャップを開ける前に、静電気除去シートに触れ、静電気を除去してから給油を始めましょう。
給油口の奥まで差し込み、レバーを確実に握って給油をしましょう。
満タンになると、給油は自動的に停止します。吹きこぼれをしないよう注ぎ足しはやめましょう。
給油口からガソリン等の燃料やその可燃性蒸気が漏れないよう給油キャップは忘れずに締めましょう。
セルフスタンドでは、顧客自らガソリン携行缶にガソリンを入れる行為は禁止されていますので、ガソリンスタンドの従業員が行う必要があります。
なお、ガソリン携行缶に入れて購入する時には、従業員による本人確認(運転免許証の掲示など)、ガソリンの使用目的の確認が行われます。
現在、ガソリンスタンドでは、
ガソリンを容器に詰め替えて購入される方に対して
を行っています。
令和元年7月18日に京都市伏見区の京都アニメーション第一スタジオにおいて、多数の死傷者が出る大変痛ましい火災が発生しました。
本火災では、容器に詰め替えて購入したガソリンが使用されていました。本火災を契機に同種事件の防止のため、ガソリンの容器詰め替え販売時に購入者の身分証の確認、使用目的の問いかけをガソリンスタンドで行うことが消防法で義務付けられました。
みなさまのご理解、ご協力の程をよろしくお願いします。
令和元年中、石油ストーブに起因する火災が18件発生しており、石油設備機器の火災の半数以上を占めています。
中でも、石油ストーブを消さずにそのまま手動ポンプで灯油を入れるなど、誤った取扱いにより火災になった事例が多く発生しています。
灯油を石油ストーブへ入れる時は、必ずストーブを消し、カートリッジを戻すときは、蓋が確実に閉まっていることを確認しましょう。
また、新型コロナウイルス感染症対策として消毒用アルコールを使用する機会が増えています。消毒用アルコールから発生する可燃性蒸気は空気より重く、思わぬ場所で引火し、火災に至る可能性があります。ストーブの近くでの消毒用アルコールの使用は控えましょう。
1 灯油を保管するポイントは次のとおりです。
2 灯油を保管する時、数量に応じて消防法や東京都の火災予防条例に基づく許可や届出が必要となる場合があります。(下表参照)
また、下表に満たない数量の灯油を保管する場合であっても、他の危険物と一緒に同じ場所で保管する場合は届出等が必要な場合がありますので、事前に最寄りの消防署へ相談してください。