令和2年の東京消防庁管内(治外法権火災及び東京消防庁管轄外からの延焼火災を除く。)の火災件数は3,693件です。このうち電気製品等から出火した電気火災は1,163件(31.5%)で、そのうち最も多いのは、電気ストーブ火災(カーボンヒーター、ハロゲンヒーター及び温風機を含む。)の69件(5.9%)です(図1)。電気ストーブ火災のうち亡くなった方は8人、けがをされた方は30人と、人命にかかわる被害が大きい特徴があります(図2、図3)。
これからの季節、電気ストーブを使用する機会が増えると思います。電気ストーブの見た目は、炎(直火)がなく火災になりにくいと思われがちですが、ストーブによる火災のうち、電気ストーブ火災の件数が圧倒的に多いという実態があります。使用に際しては、燃えやすいものは近くに置かないなど注意が必要です。
電気ストーブ火災の発生原因として、電気ストーブをつけたまま就寝し布団等が接触して火災が発生する事例や、電気ストーブ上にあった衣類等が落下し火災が発生する事例が多いという特徴があります(写真1、写真2)。
電気ストーブは、火を使わないため安全なイメージがありますが、ヒーター部分は高温になっているため、近くに燃えるものがあると火災になる恐れがあり注意が必要です(写真3)。
また、電気ストーブ火災は、ぼや火災であっても、一酸化炭素中毒や着衣が燃えたために亡くなる方が多く発生しています。