都民の皆様に防火防災に関する意識や防災行動力を高めていただくことにより、火災の発生を防ぎ、万が一発生した場合にも被害を最小限にとどめ、火災から尊い命と貴重な財産を守ることを目的としています。
令和4年3月1日(火)から3月7日(月)まで
令和3年中に東京消防庁管内で発生した火災は3,936件(前年比242件増加)でした。火災種別ごとにみると、建物火災は2,810件(同143件増加)、車両火災は215件(同1件減少)、船舶火災は1件(同1件増加)、林野火災は6件(同5件増加)、航空機火災は0件(増減なし)、その他の火災は900件(同91件増加)、治外法権での火災は4件(同3件増加)、管外からの延焼火災は0件(増減なし)でした。
火災による死者は87人(うち、自損14人)で、前年と比べ1人増加しています。
令和3年中、火災件数は増加しており、住宅火災も1,621件で、前年に比べ68件増加しています。住宅火災の割合は、建物から出火した火災件数2, 718件のうち59.6%を占めています(図1)。
住宅火災を用途別でみると、住宅602件(37.1%)、共同住宅1019件(62.9%)となっています(図2)。
また、令和3年中、住宅火災の出火原因は、「こんろ」が379件(23.4%)(うち、ガステーブル277件)と最も多く、次いで「たばこ」が220件(13.6%)、「放火」が105件(6.5%)となっています(図3)。
※ 令和3年中の数値は速報値
※ 総火災件数には治外法権を含む
※ 建物から出火した火災とは、火元の用途が建物の火災
令和3年中の住宅火災による死者は70人(自損を除く。)で、前年に比べ1人減少しています。このうち、65歳以上の高齢者(以下「高齢者」という。)は、54人と全体の77.1%を占めています(図4)。
死者が発生した住宅火災を出火原因別でみると、「たばこ」が15人(21.4%)と最も多く、次いで「ストーブ」が9人(12.9%)、「こんろ」が6人(8.6%)となっています(図5)。
死者が発生した住宅火災の原因で、最も多い「たばこ」による火災の発生状況をみると、「火源が落下する」が5割以上を占めており、注意をしていれば発生を防止できたと思われます。布団等に落ちたたばこは、しばらく無炎燃焼(炎を出さずに燃え広がること)を続け、気付いた時には室内に一酸化炭素等の有毒ガスが充満しており、避難行動がとれずに命を落とす危険があります。たばこ火災から命を守るために次のことを心掛けましょう。
「ストーブ」による住宅火災も毎年多く発生しており、死者も発生しています(ストーブには、電気ストーブや石油ストーブ、ハロゲンヒーター、ガスファンヒーター等を含みます。)。ストーブによる住宅火災の死者の内訳をみると、「電気ストーブ」が5割以上を占めています。
発生状況は、「可燃物がストーブに接触する」が最も多く、布団や座布団、衣類に着火するケースが多くを占めています。ストーブ火災は寒い時期を中心に多く発生していることから次のことに注意し、ストーブ火災を防ぎましょう。
住宅火災で最も多いのは「こんろ」による火災です。発生状況として、こんろ使用中に「放置する・忘れる」が多くみられます。
また、死傷者が発生した住宅火災では、調理中にこんろの火が、着ている服の袖口やすそに燃え移るなどの着衣着火による火災も多発しています。高齢の方は、着衣に火がついたとき、素早い消火をすることができずに被害が大きくなるケースが多くあり、注意が必要です。
電気火災とは、電気や電気製品にかかわる火災のことをいいます。
電気火災の中でもコード、プラグ、コンセント等に起因する火災(以下「電気コード火災」という。)は、火災に気付きにくいため大変危険です。
東京消防庁管内では、平成16年10月1日から新築の住宅に住宅用火災警報器(以下「住警器」という。)の設置が義務付けられ、既存の住宅には、平成22年4月1日から設置が義務付けられています。
住警器を設置することで、火災を早期に発見し、速やかな通報や消火、避難が可能となり、被害を防止・軽減することができます。
住警器は、全ての居室、台所及び階段に設置しましょう。
住警器は定期的に作動確認しましょう。
作動確認は、本体の点検ボタンを押すか、ひも付きのものは、ひもを引くことで行うことができます。
正常な場合は、正常であることを知らせる音声や警報音が鳴ります。一般的に、点検の際の警報音等は自動で止まります。警報音等が鳴らない場合は、電池切れか機器の故障が考えられます。詳しくは製品の取扱説明書をご覧ください。
住警器にホコリ等の汚れがつくと、火災を感知しなくなるおそれがあります。
汚れは乾いた布でふき取りましょう。台所に設置してある住警器で油や煙などにより汚れがひどいものは、家庭用中性洗剤に浸した布を十分絞ってからふき取りましょう。
住警器の耐用年数は概ね10年といわれており、全ての住宅に設置が義務化された平成22年4月から10年以上が経過していることから、いざという時に鳴らない住警器が多く存在していることが危惧されます。
設置から10年を過ぎているものは、電子部品の劣化等による故障や電池切れにより、火災を感知できなくなる可能性が高まるため、ご自宅の住警器の設置年月を確認して、機器本体の交換をしましょう。
連動型の住警器は、設置された全ての部屋で一斉に鳴動するため、火災が発生していない部屋にいた時にも火災の早期発見に有効です。
また、インターホン等と連動して屋外に火災の発生を知らせる屋外警報装置付き住警器を設置すると、より安心です。