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東京消防庁

年末年始の救急事故をなくそう

年末年始の救急事故をなくそう

≪救急車の適正利用にご協力ください≫

1 冬は救急出場件数が増加します

冬季は例年、救急出場が増加する傾向があります(図1)。

この時期に増加する特有の事故として、積雪や路面凍結による転倒餅をのどにつまらせたことによる窒息事故などなどがあります。

新型コロナウイルスやインフルエンザなどの感染症に対する予防対策も継続し、突然の病気や事故に気をつけましょう。

救急車
救急車
図1 令和3年中の月別救急出場
図1 令和3年中の月別救急出場

2 救急車の要請理由

救急車で搬送された人のうち、入院を必要としない「軽症」と診断された人の割合は半数以上を占めています(図2)。

また、東京消防庁で実施した世論調査では、救急車を要請した理由として、「交通手段がなかった」、「救急車で病院に行った方が優先的に診てくれると思った※」など、緊急性のない理由も見受けられます。

※ 安心して適切な救急医療が受けられるように定められた「救急医療の東京ルール」の一つに、「トリアージの実施」というものがあり、救急車で搬送された方についても、症状の緊急性等に応じた診療の優先順位を、医療機関で判断しています。

図2 令和3年中の初診時の程度
図2 令和3年中の初診時の程度

3 救急車の適正な利用のお願い

東京消防庁では、119番通報で救急車の要請を受けると、最も近くにある対応可能な救急車が出場します。救急車の数には限りがあるため、救急要請が集中・増加すると、その地域周辺の救急車は全て出払ってしまいます。そうなると、更にその地域周辺で救急要請があったとき、遠くから救急車が駆け付けることになるため、現場に到着するまでに時間がかかってしまいます。

命の危険が迫っている人が助かる可能性は、刻一刻と低下していきます。1秒でも早く救急車が到着し、病院に搬送できるよう、救急車の適正利用をお願いします。

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4 救急車はどんなときに?

救急車はどんな時に呼べばいいのかと、迷われる方もいると思います。救急車を呼ぶべき症状と、本当に救急車が必要か考えてほしい症状を挙げてみましたので参考にしてください(図3-1、図3-2、図4)。

これらは一例ですので、生活の中で救急車を呼んだほうがいいか迷ったときは、東京消防庁救急相談センター「#7119」や、東京版救急受診ガイドをご利用ください。

図3-1 ためらわず救急車を呼んでほしい症状
図3-1 ためらわず救急車を呼んでほしい症状
(消防庁「救急車を上手に使いましょう」から一部抜粋)
図3-2 ためらわず救急車を呼んでほしい症状
図3-2 ためらわず救急車を呼んでほしい症状
(消防庁「救急車を上手に使いましょう」から一部抜粋)
図4 本当に救急車が必要か考えてほしい症状
図4 本当に救急車が必要か考えてほしい症状
(消防庁「救急車を上手に使いましょう」から一部抜粋)

5 救急搬送トリアージについて

「救急医療の東京ルール」におけるトリアージの一つとして、救急隊による「救急搬送トリアージ」を実施しています。これは救急隊が救急現場において、傷病者に緊急性が認められないと判断した場合に、同意を得て自己受診をお願いするものです。

自己受診の同意が得られれば、診療可能な救急医療機関や東京民間救急コールセンター、東京消防庁救急相談センターなどをご案内し、救急隊は直ちに次の出場に備えた態勢に移行します。

救急隊が緊急性の高い方に対して迅速かつ的確に対応していくため、ご理解とご協力をお願いします。

救急搬送トリアージの対象となる可能性があるもの

  • 手や足の切り傷、擦り傷、やけど
  • 耳や鼻の異物
  • 鼻出血
  • 皮膚の発赤、かゆみ
  • 眠れない、不安、さみしい
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≪病院へ行く? 救急車を呼ぶ? 迷ったら… 「#7119」≫

病院へ行く? 救急車を呼ぶ? 迷ったら…「#7119」 バナー
救急標語 特別賞作品

知ろう 使おう #7119(作者 古川 康平さん 府中市在勤)

1 「 #7119」東京消防庁救急相談センター

急な病気やけがで「今すぐ病院に行ったほうがいいのかな?」、「救急車を呼んだほうがいいのかな?」など迷った際の相談窓口として、東京消防庁救急相談センターを開設しております。

相談医療チーム(医師、看護師、救急隊経験者等の職員)が、「症状に基づく緊急性の有無のアドバイス」や「受診の必要性に関するアドバイス」のほか「医療機関案内」に24時間・年中無休で対応しています。

#7119のしくみ

2 ウェブや冊子でも緊急度の確認ができます(東京版救急受診ガイド)

「東京版救急受診ガイド」は、急な病気やけがをした際に、利用者自らが症状をチェックすることで、「今すぐ病院に行くべきか」、「救急車を呼ぶべきか」といった、病気やけがの緊急度、受診する時期や科目についてアドバイスが得られるサービスです。

症状のチェックは、59の症状から、該当する症状について、表示された質問から当てはまるものを選択する形のため、専門的な知識は必要ありません。いざというときに備えて、いつでも利用できるように、下記の二次元コードから登録し、ぜひご活用ください。

なお、東京版救急受診ガイドは、冊子版もご用意しております。東京都内の消防署(稲城市を除く)にて、配布しておりますので、お近くの消防署へご相談ください。

冊子版
東京版救急受診ガイド(ウェブ版)の利用方法・サービス内容

≪利用方法≫

スマートフォン・携帯電話やパソコンから東京消防庁ホームページにアクセスして『東京版救急受診ガイド』をご利用ください。

アクセスには、二次元コードが便利です。

≪サービス内容≫

サービス内容

※リンクから受診可能な病院検索もできます。

サービス内容

※緊急性があると思われる場合は、ためらわず救急車(119番)をお呼びください。

≪餅などによる窒息事故に注意≫

東京消防庁管内1)では、毎年12月から1月にかけて、餅など2)による窒息事故が発生しています。

年末年始には、餅などを食べる機会が増えるので、注意が必要です。

1)東京都のうち、稲城市、島しょ地区を除く地域

2)団子等も含みます。

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餅による事故を防ぐポイント

  • ① 餅は小さく切って、食べやすい大きさにしましょう。
  • ② 急いで飲み込まず、ゆっくりと噛んでから飲み込みましょう。
  • ③ 乳幼児や高齢者と一緒に食事をする際は、食事の様子を見守るなど注意を払いましょう。
  • ④ 餅を食べる前に、先にお茶や汁物を飲んでのどを潤しておきましょう。
  • ⑤ いざという時に備え、応急手当の方法をよく理解しておきましょう。
キュータ

1 年別の救急搬送人員

過去5年間で餅などをのどに詰まらせて救急搬送された方は401人おり、約9割の方が65歳以上の高齢者です(図5)。

図3 年別の救急搬送人員(平成29年から令和3年まで)
図3 年別の救急搬送人員(平成29年から令和3年まで)

2 月別の救急搬送人員

過去5年間を月別にみると、最も多いのは1月で159人、次いで12月が59人となっており、冬場に多くなっています(図6)。

図4 月別の救急搬送人員(平成29年から令和3年まで)
図4 月別の救急搬送人員(平成29年から令和3年まで)

3 年齢層別の救急搬送人員

過去5年間に救急搬送された人の年齢層(5歳単位)をみると、65歳以上から増加し、80歳代に最も多く発生していることが分かります(図7)。

図5 年齢層別の救急搬送人員(平成29年から令和3年まで)
図5 年齢層別の救急搬送人員(平成29年から令和3年まで)

4 救急搬送時の初診時程度別搬送人員

過去5年間の餅などによる事故では、救急搬送人員の約7割が中等症以上と診断されています(図6)。

救急搬送時の初診時程度別割合

初診時程度とは・・・

死 亡: 初診時に死亡が確認されたもの
重 篤: 生命の危険が切迫しているもの
重 症: 生命の危険が強いと認められたもの
中等症: 生命の危険はないが入院を要するもの
軽 症: 軽易で入院を要しないもの
図6 救急搬送時の初診時程度別割合(平成29年から令和3年まで)

あなたもご注意ください

  • 傷病者は部屋で1人で餅を食べており、しばらくして別室にいた家族が様子を見に行くと、傷病者は餅をのどに詰まらせて意識を失っていた。
  • (70代 死亡)

  • みたらし団子を食べていたところ、のどに詰まらせてしまい、倒れて意識を失った。
  • (70代 重篤)

キュータ

5 窒息の応急手当

チョークサインを出しているとき、声を出せないとき、顔色が急に真っ青になったときなどは、食べ物などにより気道が塞がれていることが疑われます。そのようなときは大きな声で助けを呼び、119番通報とAEDの搬送を依頼し、直ちに気道異物除去を始めます。

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チョークサイン

窒息を起こし、呼吸ができなくなったことを他の人に知らせる世界共通のサイン。

呼びかけて反応があれば・・・

【背部叩打法の実施手順】

背部叩打法は誰にでも実施可能であり、比較的簡単な方法です。

呼びかけに反応がない場合又は、反応がなくなった場合は・・・

ただちに心肺蘇生を開始してください。

窒息の応急手当ってどうやるの?

動画はこちらからご覧いただけます。
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(YouTube東京消防庁公式チャンネル)

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