毎年12月から3月までの期間に、積雪や凍結路面により滑って転倒した際に受傷する事故(以下「ころぶ事故」という。)などによる救急事故が発生しています。
令和3年12月から令和4年1)3月までの期間では、東京消防庁管内2)で623人が救急搬送されています。
また、過去5年間では、1,579人が救急搬送されています(図1)。
積雪の多かった平成30年1月及び令和4年1月では救急搬送人員が急増しており、降雪の有無によって救急搬送人員が大きく変化しています。
1)令和4年の数値は暫定値
2)東京都のうち稲城市、島しょ地区を除く地域
(30代 中等症)
(70代 中等症)
(50代 中等症)
月別に見ると1月が1,456人、次いで2月が100人と多くなっており、搬送人員が過去5年間で多かったのは、平成30年1月の846人で、次いで令和4年1月の590人です。1月が多いですが、降雪の有無によりさらに差が出ています(表1)。
表1 月別の救急搬送人員(人)12月 | 1月 | 2月 | 3月 | 合計 | |
---|---|---|---|---|---|
平成29年12月〜 平成30年3月 |
4人 | 846人 | 43人 | 2人 | 895人 |
平成30年12月〜 平成31年3月 |
0人 | 6人 | 26人 | 0人 | 32人 |
令和元年12月〜 令和2年3月 |
0人 | 9人 | 1人 | 13人 | 23人 |
令和2年12月〜 令和3年3月 |
1人 | 5人 | 0人 | 0人 | 6人 |
令和3年12月〜 令和4年3月 |
3人 | 590人 | 30人 | 0人 | 623人 |
合計 | 8人 | 1,456人 | 100人 | 15人 | 1,579人 |
救急搬送人員の多かった令和4年1月について、気象状況3)と救急搬送人員の関係をみると、6日に降雪があり、降雪後の数日間は路面凍結などの理由により「ころぶ事故」が発生するなど、1月だけで590人が救急搬送されています(図2)。
3)気象庁の気象統計情報の東京で観測・測定した数値を使用
年齢層(5歳単位)別にみると、50歳から84歳までで多く救急搬送されています(図3)。
初診時程度別にみると、約4割が中等症以上と診断されています(図4)。
軽 症: | 軽易で入院を要しないもの |
---|---|
中等症: | 生命の危険はないが入院を要するもの |
重 症: | 生命の危険が強いと認められたもの |
死 亡: | 初診時に死亡が確認されたもの |
時間帯別の搬送人員を見ると、午前7時、午前8時の時間帯で多くなっています。急いで歩きがちな通勤・通学の時間帯は、あらかじめ時間に余裕を持って行動をすることが必要です(図5)。
知ろう 使おう #7119(作者 古川 康平さん 府中市在勤)
急な病気やけがで「今すぐ病院に行ったほうがいいのかな?」、「救急車を呼んだほうがいいのかな?」など迷った際の相談窓口として、東京消防庁救急相談センターを開設しております。。
相談医療チーム(医師、看護師、救急隊経験者等の職員)が、「症状に基づく緊急性の有無のアドバイス」や「受診の必要性に関するアドバイス」のほか「医療機関案内」に24時間・年中無休で対応しています。
「東京版救急受診ガイド」は、急な病気やけがをした際に、利用者自らが症状をチェックすることで、「今すぐ病院に行くべきか」、「救急車を呼ぶべきか」といった、病気やけがの緊急度、受診する時期や科目についてアドバイスが得られるサービスです。
症状のチェックは、59の症状から、該当する症状について、表示された質問から当てはまるものを選択する形のため、専門的な知識は必要ありません。いざというときに備えて、いつでも利用できるように、下記の二次元コードから登録し、ぜひご活用ください。
なお、東京版救急受診ガイドは、冊子版もご用意しております。東京都内の消防署(稲城市を除く)にて、配布しておりますので、お近くの消防署へご相談ください。