9月1日は「防災の日」です。この日は、大正12年9月1日に発生した関東大震災、昭和34年9月に襲来した伊勢湾台風などをきっかけとして、昭和35年の閣議によって定められました。
また、昭和57年には、全国的な防災普及行事の展開のために防災週間を設置することが、昭和58年には、防災週間を8月30日から9月5日までとすることが、それぞれ閣議によって定められました。
災害による被害の軽減には、防災学習や防火防災訓練等、日ごろの継続的な取組みを通じた、一人ひとりの防災意識、防災行動力の向上が必要不可欠です。防災の日と防災週間をきっかけとして、防災に関する行動を1つでも多く、ぜひ実践してみてください。
東京都では現在、3密の回避、マスクの適切な着用等、基本的な感染予防対策の徹底を呼び掛けています。東京消防庁では、これらの基本的な感染予防対策を講じることで、感染拡大により、これまで実施できていなかった防火防災訓練等を再開し、住民の方々と接する機会を徐々に増やしていく予定です。
また、感染予防対策を踏まえた防火防災訓練の実施については、お気軽に管轄の消防署にご相談ください。
※ 感染拡大状況や、政府及び東京都からの自粛要請等に伴い、急きょ防火防災訓練の実施、協力ができなくなる場合もありますので、あらかじめご了承ください。
迫りくる首都直下地震や身近に起こりえる火災などに対して、災害による被害をできるだけ少なくするためには、一人一人が自ら取り組む「自助」、地域で助け合って取り組む「共助」、行政が取り組む「公助」の力を高めることが重要です。
中でも、「自助」や「共助」として「自分たちのまちは自分たちで守る」と言っても、「具体的には何をすればいいの?」と悩まれる方も少なくはないのでしょうか。
被害を最小限にとどめるためには、ご自身や地域のレベルにあった防火防災訓練を“まず1度やってみる”ことが大切です。そこでの気づきや新しい疑問をもとに、繰り返し訓練を重ね、少しずつステップアップを図ることで、ご自身や地域の防災行動力向上に繋がります。
東京消防庁 防災部防災安全課では、都民の皆様のステップアップをサポートするため、防火防災訓練に関する情報をまとめた「防火防災訓練ポータルサイト」を作成しました。
ここでは、防火防災訓練の参考資料や、訓練用車両のご紹介、「リモート防災学習」といったデジタル教材など、様々なリンクを掲載しています。
実際に身体を動かす訓練の前に、「リモート防災学習」で防災について“予習”し、訓練後には“復習”するというサイクルで、いざという時に、慌てず冷静に行動ができるよう、正しい知識と防災行動力を身につけましょう。
防災訓練動画では、「消火器の使い方」、「避難のしかた」、「119番通報のしかた」に加え、新たに「スタンドパイプの使い方」をYouTube東京消防庁公式チャンネルに公開しました。ぜひご覧ください。
「消火器の使い方」、「避難のしかた」及び「119番通報のしかた」の3つの動画は、英語、韓国語、中国語(繁体字)及び中国語(簡体字)の字幕をつけたバージョンもYouTube東京消防庁公式チャンネルにそれぞれ公開しておりますので、こちらもご活用ください。
実際に集まって訓練を行う際には、当庁が整備している防災訓練用車両の活用をお勧めします。
各車両での訓練実施時は、機器等の消毒など、感染予防対策には万全を期しています。
各車両を活用した訓練を計画される場合は、管轄の消防署にご相談ください。
また、管轄消防署の確認には、東京消防庁公式アプリ、「マップ機能」が便利です。ぜひ、ご活用ください。
ヘッドマウントディスプレイ(ゴーグル)に映し出される臨場感あふれる360度の立体映像とシートの振動、匂い、熱気などの演出により、地震、火災、風水害の疑似体験訓練ができます。
軽トラックベースの小型車で、住宅街や小さい公園でも訓練でき、車両に積載した水を循環させて、スタンドパイプや屋内消火栓設備による消火訓練が可能です。
計4台整備しており、都内各地の訓練会場で活用されています。
東日本大震災や熊本地震など、近年発生した大規模地震のほか、長周期地震動の体験による身体防護訓練や出火防止訓練ができます。車いす用のリフターを備えており、車いすの方も体験できます。
![]() 防災訓練用車両紹介
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![]() 消防署案
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![]() 東京消防庁公式アプリ
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防災館では都民の皆様に様々な災害に対する知識や体験を通じて身につけていただけるよう、体験コーナーを設置しております。地震・火災・水災の他にも日常生活での事故防止について学んでいただくことができます。
個人やご家族でのご利用はもちろん、学校や自治会での防災訓練にもご利用いただけます。日頃の訓練ではなかなか行えない防災訓練を、防災館でぜひ体験してみてください。また、今後も体験環境を整えて皆様の有意義な時間になるよう努めてまいります。
災害に派遣された消防隊が撮影した動画や火災実験動画のほか、ロープ結索や包帯法を学べる「キュータとやってみよう!」シリーズを新たに作成しています。パソコンやスマートフォンからいつでも視聴できますので、ぜひご活用ください。
東京消防庁では、過去の震災の教訓を踏まえて、
をそれぞれまとめています。防火防災訓練ポータルサイト、「訓練メニュー」内にも掲載しておりますので、ぜひご活用ください。
令和4年5月に、東京都は10年ぶりに見直した「首都直下地震等による東京の被害想定」を公表しました。10年前と比べ、建物の耐震化や街の不燃化は格段に進み、様々な震災対策が行われていますが、未だ甚大な被害が懸念されています。
被害想定のうち、室内の家具類(屋内収容物)による死者は239人、負傷者6,496人(そのうち重傷者1,362人)と想定されています※1。
一方で、家具転対策※2を実施することにより、これらの被害を大きく軽減できるとも想定されています。家具転対策実施率※3が、現況の57.3%※4から75%となった場合には、被害が約4割減り、100%となった場合には、被害が約8割減ると想定されています(図1)。
※1 都心南部直下地震(冬・夕方、風速8m/s)想定
※2 家具類の転倒・落下・移動防止対策
※3 「消防に関する世論調査」における、家具転対策に関して、「全ての家具類に実施している」及び「一部の家具類に実施している」と回答した人の割合
※4 令和2年度調査
このように家具転対策の重要性があらためて示されました。いつ起きるか分からない地震に備えて、被害を少しでも減らすために家具転対策を見直しましょう。
また、家具類の転倒・落下・移動は、「ケガ」だけでなく、「火災」や「避難障害」といった「3つの危険」を引き起こします。「3つの危険」を把握し、家具転対策として「3つの対策」を実施し、地震に備えましょう。
大きな地震が発生すると、揺れによって、室内の家具や家電が倒れて下敷きになったり、割れたガラスや破片が飛び散ることでケガをしたりすることがあります。
近年、大きな地震が発生した際に、東京消防庁が行った調査によると、地震でケガをした人のうち、約30%〜50%の人が家具類の転倒・落下・移動によるものでした(図2)。
転倒・落下した家具類や荷物が暖房器具や台所のガステーブルなどに接触して火災が発生することがあります。
過去の地震時にも、揺れによって台所のラックが 倒れ、ラック内の収容物がガステーブルのスイッチを押すことで火災が発生するということがありました。
部屋のドアの近くや玄関までの経路に家具類を置いていると、家具類が転倒・移動することによって、ドアや廊下を塞いで避難できなくなることがあります。家の倒壊や火災が発生すると、非常に危険です。
部屋の中にある物は、クローゼットや据え付け収納家具へ集中収納し、できるだけ生活空間に家具類を置かないようにしましょう(図3)。
部屋のドアの近くや廊下に、転倒・移動しやすい家具類を置かないようにしましょう。倒れた家具類により、ドアが開かなくなったり、つまずいてケガをしたり、避難の妨げになることがあります。また、家具類の位置や方向に注意することでケガの危険を減らすことができます(図4)。さらに、棚などの家具に物を収納する場合は、重いものを下に収納し、重心を低くすることで倒れにくくしましょう(図5)。
家具類には、家具転対策器具を設置しましょう。対策器具は、家具類の大きさや形に合わせて、それぞれに適した器具を設置しましょう。
対策器具の効果は、L型金具のようにネジやボルト式で家具類と壁面を固定するタイプの効果が比較的高くなっています(図6)。また、ポール式とストッパー式を併用することで、L型金具と同等の効果を得ることができます。