消防科学セーフティレポート第53号(平成28年)
ご覧になる方はリンクをクリックしてください。PDFファイル形式の資料が開きます。
ボリュートポンプの性能及び耐久性等の検証(第1報)
当庁でボリュートポンプの導入を検討する際の判断材料とするため、タービンポンプとボリュートポンプの基本的な性能比較を実施した。その結果、ボリュートポンプはタービンポンプと同等の操作性、並びに同等以上の放水性能を有することがわかった。
ボリュートポンプの性能及び耐久性等の検証(第1報)(PDF:3.3MB)延焼する室内に対する効果的な放水方法の検証(中性帯が発生している場合の放水方法)
中性帯発生時の屋内進入の安全性向上を目的とし、放水による火災室内の状況変化を確認するため、放水条件を変えて消火実験を行った。その結果、放水による空気の流入が多い霧状90°で連続放水した場合、一旦は発熱速度が上昇し、燃焼物付近の視認は困難となるが早く改善され、火災室内の冷却効果も大きいことが分かった。
延焼する室内に対する効果的な放水方法の検証(中性帯が発生している場合の放水方法)(PDF:2.3MB)活動環境危険警告に関する基礎検証
防火衣内の皮膚表面の温度変化に基づき警告を発する装置を用いて、熱傷防止の予測の可能性について検証を行った。その結果、防火衣の空気層による熱の伝わり方や発汗による湿度等、考慮すべき要素が多く存在したため、防火以内の皮膚表面温度と主観的な「熱さ」や外部温度との明確な関係性を見出すことはできなかった。
活動環境危険警告に関する基礎検証(PDF:1.4MB)火災室内の温度と収容物の熱的変化の関係に関する検証
受傷事故発生時等における火災室の熱環境を再現する手段を確立するため、温度環境の変化に対する一般的な収容物の熱的変化を記録収集し、この情報を基に火災シミュレーションで再現された火災室内の熱環境の妥当性を検討した。その結果、対流熱による熱環境を再現する可能性を示すことができた。
火災室内の温度と収容物の熱的変化の関係に関する検証(PDF:4.3MB)無人航空機の導入に関する基礎的検証
災害現場における無人航空機の活用を検討するため、遠隔操縦性能、自動航行の航路追従性能、伝送映像の鮮明性等の基礎的な性能を確認した。その結果、遠隔操縦性能及び自動航行の航路追従性能は、概ね良好であり、消防活動での活用が見込める一方、要救助者の捜索等には、より鮮明な伝送映像が必要であることが分かった。
無人航空機の導入に関する基礎的検証(PDF:3.0MB)当務中における救急隊員の交替基準に関する検証
救急隊の疲労に関する客観的及び主観的な指標を1当務を通じて経済的に測定し、交替基準の目安を提言した。出場件数や走行距離よりも、活動時間が救急隊員の疲労を最も的確に示しており、交替基準の目安として適当であることが判明した。
当務中における救急隊員の交替基準に関する検証(PDF:875KB)外国人傷病者に対する各種コミュニケーションツールの有効性に関する検証
外国人傷病者に対するコミュニケーションサービスの充実向上を目的とし、新規ツール(翻訳アプリケーション搭載のタブレット端末)と、既存ツール(コミュニケーション支援ボード及びコミュニケーションマニュアル)を比較分析した結果、新規ツールは聴取内容の正確さ、既存ツールは聴取の速さが特徴的であった。
外国人傷病者に対する各種コミュニケーションツールの有効性に関する検証(PDF:8.2MB)油脂含有物に対する酸化防止剤等の熱的影響に関する検証
平成27年度に「災害廃棄物の発熱及び出火危険性に関する検証」を行った。その結果をもとに平成28年度は、出火危険性が高かった木くず等や自然発火事例のある芝草等の油脂含有物に酸化防止剤等を添加し、各種分析装置を用いて酸化発熱の抑制効果について検証した。
油脂含有物に対する酸化防止剤等の熱的影響に関する検証(PDF:1.1MB)各種可燃性ガスの着火性状に関する検証
エアゾール缶及び簡易型ガスこんろの燃料として用いられるボンベのような可燃性ガスに着火する際における着火源の判断要素を提示するため、着火源として、高温体である電熱線及び微小火源であるたばこの火を使用し、着火性状を確認した。
各種可燃性ガスの着火性状に関する検証(PDF:1.7MB)長周期地震動等に伴う室内安全に関する検証(その2)(地震時の環境と身体の安全確保対策に関する検証)
長周期地震動等に遭遇した際、どのような大勢が身体の安全確保に有効であるか検証した。長周期地震動の揺れでは、家具が滑動して確実な身体確保が困難となることや、所定の体位に適した咄嗟の身体の安全確保が存在すること等が分かった。
長周期地震動等に伴う室内安全に関する検証(その2)(地震時の環境と身体の安全確保対策に関する検証)(PDF:2.9MB)機器を用いた瞬間的な火炎に係る安全性の検証
劇場等の舞台等において瞬間的な火炎を使用する場合は、承認基準に基づき解除承認がされている。現行基準で想定する規模を超える瞬間的な火炎の危険性の把握を目的に火炎周辺の熱環境を測定した。その結果、本検証で使用した機器による火炎は、機器が適切かつ安定な運用がされていれば、危険性が低いことを確認した。
機器を用いた瞬間的な火炎に係る安全性の検証(PDF:3.5MB)