これから冬場の乾燥した季節を迎えるにあたり、ガソリンスタンドでは静電気による火災の発生が危惧されます。また、暖房機器の燃料として灯油を取り扱う機会も多くなりますのでガソリンや灯油の危険性を理解し、安全な取扱方法を再確認しましょう。
ガソリンなどの危険物の中には、静電気が発生しやすいといった特徴を持つものがあります。また、ガソリンは揮発性が高く、気温が低い場合でも可燃性の蒸気が発生します。
静電気は、可燃性の蒸気に着火させる程のエネルギーを持つため、危険物を扱う場合は、静電気に注意する必要があります。
冬季は、衣服の摩擦や空気の乾燥により、静電気が発生しやすい環境となるため、一段と注意が必要になります。
東京消防庁管内では、3割以上がセルフスタンドとなっており、利用者自らがガソリンを自動車等に給油する機会が増えています。
セルフスタンドでは、給油が安全に行われるようにいろいろな安全装置付きの機器が設けられるとともに、危険物取扱者の資格を持った従業員が給油を見守っています。しかし、利用者が正しく機器を取り扱い給油しなければ、火災の発生する可能性があります。正しく安全に機器を取り扱うことで、火災等の事故を防止しましょう。
近年、ガソリンスタンドにおいて、利用者の車両の運転操作ミスによる機器等の破損事故が増えています。ガソリンスタンド内では『給油設備等の工作物との間隔を保ち、必要以上に接近しないこと』、『アクセル、ブレーキの踏み間違いに細心の注意を払うこと』が重要です。特にセルフスタンドでは、車両の誘導がなされない場合が多いため、注意してください。
スタンド内は、様々な機器や他の車もあり、運転には十分な注意が必要です。急発進、急ハンドルは避けましょう。
矢印などの誘導に従い、白線などで示された場所に停車し、必ずエンジンを停止しましょう。
給油キャップを開ける前に、静電気除去シートに触れ、静電気を除去してから給油を始めましょう。
給油口の奥まで差し込み、レバーを確実に握って給油をしましょう。
満タンになると、給油は自動的に停止します。吹きこぼれをしないよう注ぎ足しはやめましょう。
給油口からガソリン等の燃料やその可燃性蒸気が漏れないよう給油キャップは忘れずに締めましょう。
セルフスタンドでは、顧客自らガソリン携行缶にガソリンを入れる行為は禁止されています。容器へは、ガソリンスタンドの従業員が行う必要があります。
なお、ガソリン携行缶に入れて購入する時には、従業員による本人確認(運転免許証の掲示など)、ガソリンの使用目的の確認が行われます。
令和3年中、石油ストーブまたは石油ファンヒーターに起因する火災が18件発生しており、石油設備機器の火災の半数以上を占めています。
石油ストーブでの火災では、石油ストーブを消さずにそのまま手動ポンプで灯油を入れるなど、誤った取扱いにより火災になった事例も発生しています。
灯油を石油ストーブへ入れる時は、必ずストーブを消し、カートリッジを戻すときは、蓋が確実に閉まっていることを確認しましょう。
また、新型コロナウイルス感染症対策として消毒用アルコールを使用する機会が増えています。消毒用アルコールから発生する可燃性蒸気は空気より重く、思わぬ場所で引火し、火災に至る可能性があります。ストーブの近くでの消毒用アルコールの使用は控えましょう。
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