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東京消防庁成城消防署特集・都市型震災を考える

特集・都市型震災を考える

特集・都市型震災を考える(その1)

「1月17日」、この日が何の日かわかりますでしょうか。

19年前のこの日、阪神・淡路大震災が発生しました。震災から私たちが学んだことは今、活かされていますでしょうか?

現地では今もあの悲劇を語り継ぎ、教訓を伝えています。それは、「家具類の転倒・落下・移動防止が、人命被害拡大を防ぐ点において最重要である」ということです。

写真は、兵庫県にある北淡震災記念公園に展示されている、当時の住宅内で家具類が転倒・散乱している状況を再現したものです。阪神・淡路大震災で亡くなられた方の大部分は、圧死によるものです。

みなさんのご自宅や会社において、家具類の転倒・落下・移動防止対策はされていますか。まだ対策をとられていない方は、この教訓を無駄にしないために「今」行ってください。

また、その他に出来る対策として、自宅やオフィス内に一時的に避難できる「安全スペース」の設置があります。併せて検討してみてはいかがでしょうか。

参考:家具類の転倒・落下・移動防止対策について(東京消防庁ホームページ)

住宅内で家具類が転倒・散乱している状況の再現展示 北淡震災記念公園内に保存されている野島断層
住宅内で家具類が転倒・散乱している
状況の再現展示
北淡震災記念公園内に保存されている
野島断層

特集・都市型震災を考える(その2)

その1では、阪神・淡路大震災の事例を挙げ、みなさんの命を守る「家具類の転倒・落下・移動防止」がいかに大切かということを参考写真とともに紹介させていただきました。

今回は、もし、「今」大地震が来たら・・・みなさんはどうしますか?というテーマでお話いたします。

首都圏に住む私達は、いつどこで大きな地震にあうかわかりません。
平成25年12月に中央防災会議から発表された『首都直下型地震の被害想定と対策について(最終報告)」によると、“南関東地域でM7クラスの地震が発生する確率は30年間で70%と推定される”状況にあります。

大きな地震の揺れを感じたり、緊急地震速報を聞いたら、テーブルなどの下に入り、「まず、身の安全」を図るということを、常に意識するようにして下さい。

また、成城消防署が平成23年から25年に実施した、管内在住在勤の方を対象にしたアンケート結果によると、地震の揺れを感じたり、地震速報を聞いたらまず、「火を消せ」と考えられている方が、特に40代以上の方に多く見られます。

私も小学生の頃、CMなどで「戸締り用心、火の用心」とか、「地震だ!火を消せ」とよく先生や大人に言われた記憶があります。関東大震災(大正12年)では、地震時に発生した火災による死者が多く出たこともあり、その教訓からすぐ火を消すように指導されていたのですね。

もちろん「火の元の確認」は必要なことです。しかし、当時から街区状況や建物構造も大きく変化し、また近年発生した震災、特に阪神・淡路大震災(平成7年)以降の震災の教訓を活かすために、現在東京消防庁では、大きな地震の揺れを感じたり、緊急地震速報を聞いた際の行動を、『地震その時 10のポイント』としてまとめ、「身の安全」を図ることの重要性をお伝えしています。

特集・都市型震災を考える

地震時による火災を減らすため各方面でも対策が進んでいます。例えば、都市ガスでは大きな揺れ(震度5相当以上)を感じたらガスが停止するようになっていたり、転倒時に自動消火する装置が付いている石油ストーブも普及してきています。火の元の確認もとても重要なのですが、「まず、身の安全」。『地震その時 10のポイント』をよく読んで、地震の際の行動を確認しておいてください。

次回その3では、「震災と家族の絆」についてお話します。


特集・都市型震災を考える(その3)

今回は、「震災と家族の絆」についてです。

今、震災が発生した場合、みなさんはどのような行動をするでしょうか。安全な場所へ避難することを第一に行動しますか。それとも家族が心配で、避難よりも「探そう」としますか。

東日本大震災では、ご存知のとおり多くの方が津波により亡くなっています。

「津波てんでんこ」という言葉を耳にしたことはありますでしょうか。これは、三陸地方の言葉で、「津波が来たら、家族を探しにいったりせず、各自ばらばらに、自分一人ででも逃げなさい」という意味のものです。ややもすると冷たく感じる言葉ですが、実はこの言葉裏には別の意味があります。

それは、お互いが各状況において生き延びる為に全力を尽くしているということを信じる、自分が生き延びれば必ず会えるということを信じる、「お互いに信頼し、ベストを尽くそう」ということです。

また生き延びた後、連絡手段が無い中で安全を確認しつつ再会するためには、逃げた後の「待ち合わせ場所」を決めておくことも重要です。

災害が発生した際に、各自ばらばらで避難することは大変不安ですが、「お母さんは今、ここにはいないけど、必ずあそこにいるはずだ!」、「あの子はきっと、あそこに来る!」と、家族が決めたことを必ずしてくれるという強い信頼があれば、気持ちを強く持ち、お互いが各状況において生き延びる為に全力を尽くすことが出来ます。

東日本大震災の教訓を踏まえ、もう一度、家族と、災害時の行動と、避難後の待ち合わせ場所を確認しておいてはいかがでしょうか。

家族みんなが助かる為の話し合いをこの機会に考えてみませんか。

なお、避難後の待ち合わせ場所を決定する際に役立つものに、市区町村が作成している「防災マップ」があります。防災マップには災害時に便利な様々な拠点が載っていますので、是非確認してください。

《参考》防災マップ問合せ先:世田谷区危機管理室災害対策課


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