1.予防規程とは
予防規程は、危険物施設の火災を予防するため、事業所自らが作成し、遵守しなければならない自主保安基準です。
消防法第14条の2の規定により、一定規模以上の危険物施設を有する事業者は、危険物施設の実態に応じた予防規程を定め、認可を受ける必要があります。
予防規程の制度詳細はこちら
予防規程の制度概要についてのFAQ(よくある質問)はこちら
2.予防規程の作成方法
予防規程の作成を支援するため、予防規程作成チェック表と予防規程作成例を整備しました。
下表のアイコン等をクリックするとダウンロードできます。
予防規程の作成方法はこちら
予防規程の作成と認可手続きについてのFAQ(よくある質問)はこちら
(1)予防規程作成チェック表
予防規程作成チェック表 ※予防規程の作成を支援する管理用ツールです。 |
Word | |
予防規程(本編)、予防規程(細則)のどれを作成するか事業者と消防署が相互に確認するために使用する管理用ツールです。 予防規程の認可申請時に、記入したチェック表を予防規程制定(変更)認可申請書に添付し、申請してください。 | ![]() |
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(2)予防規程作成例
予防規程(本編) ※全ての危険物施設が共通して作成する事項です。 |
作成例 | 解説 | |
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本編【危規則第60条の2第1項第1号〜8号の2、第11号〜14号関係】
<作成の必要がある施設> 全ての危険物施設 |
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解説 |
予防規程(細則) ※危険物施設の特殊性に応じて追加で作成する事項です。 |
作成例 | 解説 | |||
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1 自然災害に係る細則 | |||||
細則 1-1 |
風水害被害が想定される施設が講じる風水害対策 <作成の必要がある施設> 地方公共団体等が作成するハザードマップ等において、風水害による被害が想定される危険物施設 |
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解説 | |
細則 1-2 |
津波被害が想定される施設が講じる津波対策 <作成の必要がある施設> 地方公共団体等が作成する津波浸水想定区域図等において津波による浸水が想定される地域にある危険物施設 |
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解説 | |
細則 1-3 |
強化地域に所在する危険物施設の震災対策【危規則第60条の2第2項関係】 <作成の必要がある施設> @及びAに当てはまる危険物施設 @大規模地震対策特別措置法第3条第1項に規定する地震防災対策強化地域として指定された地域(東京消防庁管内は、新島村、神津島村、三宅村が該当する。)にある危険物施設 A大規模地震対策特別措置法第6条第1項に規定する指定行政機関の長または指定公共機関以外が所有等する危険物施設 |
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解説 | |
細則 1-4 |
推進地域に所在する危険物施設の南海トラフ地震対策【危規則第60条の2第4項関係】 <作成の必要がある施設> @からBのすべてに当てはまる危険物施設 @南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法第3条第1項に規定する南海トラフ地震防災対策推進地域(東京消防庁管内は、伊豆諸島、小笠原諸島が該当する。)にある危険物施設 A南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法第5条第1項に規定する指定行政機関の長または指定公共機関以外が所有等する危険物施設 B南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法第4条第1項に規定する南海トラフ地震防災対策推進基本計画で定める者が所有等する危険物施設 |
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解説 | |
2 給油取扱所に係る細則 | |||||
細則 2-1 |
給油取扱所の自主保安基準【危規則第60条の2第1項関係(給油取扱所に係る部分に限る。)】 <作成の必要がある施設> 全ての給油取扱所 |
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解説 | |
細則 2-2 |
顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所の自主保安基準【危規則第60条の2第1項第8号の4関係】 <作成の必要がある施設> 顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所 |
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解説 | |
細則 2-3 |
可搬式制御機器の使用に係る自主保安基準 <作成の必要がある施設> 顧客自らの給油作業等を制御するために可搬式制御機器を使用する顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所 |
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解説 | |
細則 2-4 |
携帯型電子機器の使用に係る自主保安基準 <作成の必要がある施設> 接客、施設や在庫の管理及び点検等の業務にタブレット端末等の携帯型電子機器を使用する給油取扱所(可搬式制御機器のみを使用する顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所を除く) |
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解説 | |
細則 2-5 |
屋外で物品販売等の業務を行う給油取扱所の自主保安基準 <作成の必要がある施設> 営業時間内に屋外で物品販売等の業務を行う給油取扱所 |
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解説 | |
細則 2-6 |
営業時間外に販売等の業務を行う給油取扱所の自主保安基準
<作成の必要がある施設> 給油業務が行われていない時間帯に、販売等の業務(祭礼又はイベント等の一時的利用を除く。)を行う給油取扱所 |
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解説 | |
細則 2-7 |
震災時等に緊急用ポンプを使用する給油取扱所の自主保安基準 <作成の必要がある施設> 震災時等に緊急用ポンプを使用する給油取扱所 |
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解説 | |
細則 2-8 |
震災時等に緊急用発電機を使用する給油取扱所の自主保安基準 <作成の必要がある施設> 震災時等に緊急用発電機を使用する給油取扱所 |
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解説 | |
細則 2-9 |
急速充電設備の監視等に係る自主保安基準 <作成の必要がある施設> 電気自動車に充電する急速充電設備を設置する給油取扱所 |
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解説 | |
細則 2-10 |
圧縮天然ガス等充填設備を設置する給油取扱所の自主保安基準 <作成の必要がある施設> 圧縮天然ガス又は液化石油ガス等を内燃機関の燃料として用いる自動車等に圧縮天然ガス又は液化石油ガス等を充填する設備を設置する給油取扱所 |
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解説 | |
細則 2-11 |
圧縮水素充填設備を設置する給油取扱所の自主保安基準 <作成の必要がある施設> 水素自動車に水素を充填するための設備を設置する給油取扱所 |
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解説 | |
細則 2-12 |
情報提供型AIシステムを導入する顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所の自主保安基準 <作成の必要がある施設> 情報提供型AIシステムを導入する顧客に自ら給油等をさせる給油取扱所 |
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解説 | |
細則 2-13 |
LPGバルク貯槽を設置する給油取扱所の自主保安基準 <作成の必要がある施設> コインランドリー又は事務所で使用する燃料を貯蔵するLPGバルク貯槽を設置する給油取扱所 |
解説 | |||
細則 2-14 |
建築物の屋上に設ける航空機給油取扱所の自主保安基準 <作成の必要がある施設> 建築物の屋上に設置する航空機給油取扱所 |
解説 | |||
3 一般取扱所に係る細則 | |||||
細則 3-1 |
NAS電池を設置する一般取扱所の自主保安基準 <作成の必要がある施設> NAS電池を設置する一般取扱所 |
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解説 | |
細則 3-2 |
非常用発電設備等の排気筒を不燃材料被覆する一般取扱所の自主保安基準
<作成の必要がある施設> @からBのすべてに当てはまる一般取扱所 @危規則第28条の57第2項を適用する区画室単位の一般取扱所 A非常用発電設備等の排気筒が、一般取扱所とその他の部分を区画する壁又は床を貫通する一般取扱所 B危政令第23条の特例要件として、排気筒の周囲を金属以外の不燃材料で有効に被覆する一般取扱所 |
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解説 | |
4 その他の事項 | |||||
細則 4-1 |
危険物の取扱工程又は設備等の変更に伴う危険要因の把握及び当該危険要因に対する対策【危規則第60条の2第1項第8号の3関係】 <作成の必要がある施設> 全ての製造所及び一般取扱所 |
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解説 | |
細則 4-2 |
単独荷卸しを行う危険物施設が講じる安全対策
<作成の必要がある施設> 危険物施設の危険物取扱者の立会いなしに、移動タンク貯蔵所に乗務する危険物取扱者が単独で荷卸しを行う危険物施設 |
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解説 | |
細則 4-3 |
移送取扱所の配管工事等の保安に係る自主保安基準【危規則第60条の2第1項第9号及び10号関係】 <作成の必要がある施設> 全ての移送取扱所 |
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解説 | |
細則 4-4 |
太陽光発電設備を設置する危険物施設が講じる安全対策
<作成の必要がある施設> 太陽光発電設備を設置する危険物施設 |
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解説 | |
細則 4-5 |
ドライコンテナによる危険物の貯蔵
<作成の必要がある施設> ドライコンテナにより危険物を貯蔵する屋内貯蔵所又は屋外貯蔵所 |
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解説 | |
細則 4-6 |
ガイドラインにより危険区域を設定し、非防爆機器を点検等に用いる危険物施設が定める自主行動計画 <作成の必要がある施設> 「プラント内における危険区域の精緻な設定方法に関するガイドライン」により精緻な危険区域を設定し、非防爆機器を用いて点検等を行う危険物施設 |
解説 | |||
細則 4-7 |
ドローンによる危険物施設の点検及び現場確認等の計画 <作成の必要がある施設> 点検や災害時の現場確認でドローンの使用を計画する危険物施設 |
解説 |
3.予防規程(概要版)
予防規程(概要版)は、予防規程に定める平時の保安業務、災害時の対応等を簡記し、危険物施設に掲示等して、施設点検、勤務員の教育訓練、災害発生時の対応等に活用できるようまとめたものです。
下表のアイコン等をクリックするとダウンロードできます。
予防規程(概要版) ※事業者が任意で作成、掲示等して活用するものです。 |
作成例 | 解説 | |
Word | |||
予防規程(概要版)の二次元コードを読み取ることで、以下の各種情報にアクセスできます。 | ![]() |
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解説 |
予防規程(概要版)
【平時の保安管理】 ・定期点検で使用する点検表 ・危険物取扱者制度概要 【災害時の対応】 ・災害活動後の緊急点検及び施設再開判断で使用する緊急点検表 ・災害活動後の緊急点検及び施設再開判断で使用する判断ツール ・緊急用ポンプを使う場合の安全対策 ・緊急用発電機を使う場合の安全対策 ・大雨警報等発令状況(気象庁ホームページ) ・風水害の対策要領 ・津波警報発令状況(気象庁ホームページ) ・津波の対策要領 ・地震発生時の活動要領(帰宅困難者対策等 ) |
4.FAQ(よくあるご質問)
よくある質問をQ&A形式で紹介します 。
(1) 予防規程の制度概要について
Q1 予防規程とは何ですか? |
A1 予防規程とは、危険物施設の火災を予防するため、事業者自らが作成し、遵守しなければならない自主保安基準です。 消防法第14条の2の規定により、一定規模以上の危険物施設を有する事業者は、危険物施設の実態に応じた予防規程を定め、認可を受ける必要があります。 |
Q2 予防規程を定め、認可を受けなければならない危険物施設を教えてください。 | ||||||||||||||||||
A2 危険物の規制に関する政令第37条の規定により、予防規程を定めなければならない危険物施設は下表のとおりです。 自社の危険物施設に作成義務があるかを確認したい場合は、管轄の消防署に相談してください。
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Q3 予防規程に定めなければならない事項を教えてください。 | ||
A3 危険物の規制に関する規則(以下「危規則」という。)第60条の2に規定される次の事項を予防規程に定める必要があります。またこれ以外に、国の通知等に基づき、危険物施設の実態に応じて追加で定めなければならない事項もあります。 自社の予防規程に定める必要がある事項を確認したい場合は、管轄の消防署に相談してください。
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Q4 事業所の同一敷地内に、予防規程を定めなければならない危険物施設(以下「予防規程対象施設」という。)が複数ありますが、施設ごとに予防規程を定める必要がありますか? |
A4 まとめて一の予防規程を定めても差し支えありません。まとめて一の予防規程を定めた場合は、予防規程の適用範囲が確認できる資料(予防規程を適用する危険物施設の位置・名称を記載した配置図及び当該施設一覧表等)の添付をお願いします。 なお、同一敷地内に、予防規程を定める必要がない危険物施設もある場合は、安全のため当該施設も予防規程の適用範囲に含めるようお願いします。 |
Q5 自社で保有する社内規程等(工場就業規則、消防計画、事業所防災計画(震災予防条例)、危害予防規程(高圧ガス保安法))を予防規程のとして使用してもいいですか。 |
A5 予防規程の認可基準を満足していれば、予防規程として使用することができます。 |
(2) 予防規程の作成と認可手続きについて
Q6 予防規程はいつまでに認可を受ける必要がありますか。 |
A6 予防規程は、危険物施設の完成検査済証の交付を受けてから、危険物の貯蔵又は取扱いが開始されるまでの間に認可を受ける必要があります。 危険物施設の設置計画が決まった段階から管轄の消防署に相談し、早めに予防規程の作成に着手してください。 |
Q7 予防規程の認可を受けないとどうなりますか? |
A7 予防規程の認可を受けずに危険物の貯蔵又は取扱いした場合、消防法第42条第1項第8号の規定により、6月以下の懲役又は50万円以下の罰金に処せられる場合があります |
Q8 予防規程の認可手続きの方法を教えてください。 |
A8 作成した予防規程を添付した予防規程制定(変更)認可申請書2部を、管轄の消防署に提出して申請してください。消防署で予防規程の内容を審査し、内容が適正であれば審査完了後、予防規程認可書が交付されます。 |
Q9 予防規程の一部を変更する場合、予防規程の変更部分のみを予防規程制定(変更)認可申請書に添付して申請してもいいですか。 |
A9 変更内容が確認できれば、変更部分のみの添付で差し支えありません。 |
Q10 予防規程の認可申請後、どのくらいの期間で予防規程認可書が交付されますか? |
A10 標準処理期間(事務処理に通常要する期間)は、予防規程を新たに制定する場合で10日間、変更する場合で5日間です。ただし、申請書の記入漏れ又は添付した予防規程の内容に不備があると、修正等でさらに期間を要することがあるので注意してください。 |
(3) 予防規程の作成支援資料について
Q11 予防規程を作成する際、参考にできる資料はありますか。 |
A11 東京消防庁では、予防規程の作成に活用できる「予防規程作成チェック表 」と「予防規程作成例」をホームページで公開しています。 |
Q12 「予防規程作成チェック表」とは何ですか。どのように使用するものですか。 |
A12 「予防規程作成チェック表」は、新たに制定、変更する予防規程に定める必要がある事項を事業者と消防署が相互に確認するために使用する管理用ツールです。 「予防規程作成例」を活用して予防規程を作成する場合は、予防規程の認可申請時に作成した予防規程と記入した「予防規程作成チェック表」を、予防規程制定(変更)認可申請書に添えて申請してください。 |
Q13 「予防規程作成例」とは何ですか。どのように使用するものですか。 | ||||
A13 「予防規程作成例」は、予防規程の記載例を示したもので、予防規程(本編)と複数の予防規程(細則)から構成されます。「予防規程作成例」を活用し、危険物施設の実態に応じて予防規程(本編)と予防規程(細則)を作成して組み合わせることで、実効性のある予防規程を作成することができます。
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Q14 自社で作成する必要がある予防規程(細則)がどれかわかりません。どうしたらいいですか。 |
A14 「予防規程作成チェック表」を活用して確認していただくか、管轄の消防署に相談してください。 |
Q15 「予防規程作成例」を活用して予防規程を作成する方法を教えてください。 |
A15 こちらを参考に作成してください。 |
Q16 東京消防庁の管轄外に所在する危険物施設を有する事業所ですが、「予防規程作成例」を活用して予防規程を作成してもいいですか。 |
Q16 予防規程の認可申請を行う管轄消防本部に、東京消防庁のホームページに公開される「予防規程作成例」を活用してもいいか確認した上で活用してください。 |
(4) 「予防規程(概要版)」について
Q17 東京消防庁のホームページに公開されている「予防規程(概要版)」とは何ですか?どのように使用するものですか。 |
A17 「「予防規程(概要版)」は、予防規程に定める平時の保安業務、災害時の対応等を簡記し、危険物施設に掲示等して、施設点検、勤務員の教育訓練、災害発生時の対応等に活用できるようまとめたものです。保安管理組織員の名前、点検及び教育訓練の計画等を記入し、危険物施設の勤務員が目にしやすい場所(防災センター、スタッフルーム等)に掲示等して、予防規程の内容確認等に使用してください。 |
Q18 「予防規程(概要版)」は、保安管理組織員の名前等を必ず記入して掲示しなければなりませんか。 |
A18 情報管理等の理由で記入できない場合、未記入のまま掲示して活用していただくこともできます。 |
Q19 「予防規程(概要版)」に掲載されている二次元コードは何ですか。どのように使用するものですか。 |
A19 二次元コードをスマートフォン等でスキャンして読み取ることで、施設点検、勤務員の教育訓練、災害発生時の対応等に活用できる各種情報にアクセスすることができます。 |
Q20 予防規程の認可申請時、「予防規程(概要版)」を予防規程制定(変更)認可申請書に添付して申請しなければなりませんか。 |
A20 必要はありません。「予防規程(概要版)」の添付は不要です。 |